シリアスなジャッキーが主演『ザ・フォーリナー/復讐者』のあらすじと感想
ジャッキー・チェンというレジェンドに抱く印象はどんな感じですか?
・コミカル要素満載で繰り広げられるカンフーアクション
・カンフーをマスターするために、必ず、赤鼻のおじいちゃんと修行
・気持ちの良いラストバトル
ジャッキーを昔から観てきた世代のザックリとした印象はこんな感じではないでしょうか?
一連の流れが出来上がっていて、安心して物語を追えるからこそ、
子供達はジャッキーファンになっていったんですよね。
「酔拳」、「蛇拳」、「拳精」、「笑拳」、「天中拳」、「蛇鶴八拳」などのカンフー映画にどれほど憧れたか。自分の手から「ヴォッ」って音がいつか出るはずだと思っていましたし。
(ちなみに、私が好きなのは「拳精」と「蛇鶴八拳」)
こんな風に、コミカルジャッキーを好きになった子供がおじさんになると、
シリアスジャッキーに多少の違和感を感じてしまうんですけど、
久々に観たジャッキー・チェン主演の映画がシリアスジャッキー。
子供の頃に観ていたら絶対に受け入れなかったのに、
おじんさんになると受け入れられるんですね〜、歳をとりました。
コミカルじゃない、シリアスなジャッキーの復讐劇です。
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『ザ・フォーリナー/復讐者』のあらすじと感想
『ザ・フォーリナー/復讐者』
ジャッキーが孤独で冷徹な史上”最恐”の復讐者に『ザ・フォーリナー/復讐者』
監督 | マーティン・キャンベル |
出演(役名) | ジャッキー・チェン(クワン・ノク・ミン) |
ケイティ・ルング(ファン) | |
ピアース・ブロスナン(リアム・ヘネシー) | |
オーラ・ブラディ(メアリー・ヘネシー) | |
マイケル・マケルハットン(ジム・カヴァナー) | |
レイ・フィアロン(リチャード・ブロムリー) | |
ロリー・フレック・バーンズ(ショーン・モリソン) | |
日本公開 | 2019年5月3日 |
配信 | 2020年11月現在、Netflixで視聴可能 |
『ザ・フォーリナー/復讐者』あらすじ
ロンドンでチャイニーズ・レストランを経営しているクワン。
ある日、娘のファンを学校へ迎えにいって、
その後車で服飾店へ送り、ファンが店に入っていくのを見届けた後、
クワンが駐車スペースを探していたまさにその時、
爆破テロ事件が起こった。ファンが滞在していた服飾店は爆発に巻き込まれて大破。
複数の犠牲者と多くの怪我人で地獄と化した片隅で、
クワンは娘の遺体をいつまでも抱き続けていた。後日、
過激派組織が犯行声明を出し、崩壊していたクワンの心に一筋の光が差し込む。
ドス黒く、どこまでも深く差し込んでくる真っ黒な光・・・。復讐
「一体誰が娘の命を奪ったんだ?」
「そいつの名前を知りたい」
「私がどうなろうと構わない、娘を奪った仇の名前を・・・」
「絶対に許さない」クワンは静かに行動を開始する。
〜『ザ・フォーリナー/復讐者』〜
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『ザ・フォーリナー/復讐者』を観た方達の感想
ジャッキーだからゴリゴリアクションかと思いきや、騙し合いみたいな要素とかもあって、サスペンスとして面白かったです!
ネットフリックスのオススメから視聴。
ジャッキーチェンが主演?!
ストーリーは、スタローンやステイサムに置き換えてもそのまま成立しそうな内容です。
アクション満載ですけど、さすがのジャッキーも66歳。
かなり無理がありましたね。
シリアスなジャッキーは珍しいかもしれませんね。
バッキバキのカンフー炸裂で、ちょうど良いジャッキー映画でした。
同じように、ブルース・リーが歳をとって映画を作ったら、どんな映画を作ったんだろうと考えてしまいました。
映画の良し悪しというより、ここまでダークなジャッキーを見るのは辛すぎましたね。
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国の歴史背景や根深い対立みたいなものがベースにあって、話自体は面白かったです。
おじさんの感想
(コミカルに慣れきっていたけど、シリアスも全然いける)
ジャッキー・チェン主演の映画を観たのは久しぶりでした。
久しぶりに観た感じだと、かなり老けた印象を受けましたけど、
60歳を超えても過酷なアクションに挑戦し続けている姿に、
ちょっと嬉しさを感じたのは事実です。
まだまだ現役なんだな〜と。
そんなおじいちゃんになったジャッキー主演の『ザ・フォーリナー』、
ストーリーはありふれたもので、娘の命を奪ったテロ組織に復讐をする父親、の物語。
復讐劇なんですね。
イギリスのお国事情なども絡みますが、中心は娘の仇討ちです。
作中序盤から仇討ちの行動を起こしていくジャッキー(クワン)、前置きなく才能を駆使する姿に、
多少の強引さを感じながらも(あとでクワンの過去が分かります)、
復讐に猪突猛進な姿はどこか、悲しさに溢れていて、
シリアスジャッキーも良いなと。
昔の印象のままこの『ザ・フォーリナー』を視聴するのは危険なのでは、と思っていた自分が恥ずかしいですね。
シリアスな演技、笑顔の無いジャッキー・チェン、
全然問題ありませんでした。
復讐劇として2時間弱、楽しませてもらいました。
ただ1つだけ、ちょっと気になったのが、
作中にほんの少し、修行ではないんですけど、若干体を鍛える(感覚を戻す?)シーンがあるんです。
そのちょっとしたシーンだけは、
「そこはクルミだろ!」
と心の中で突っ込んでしまっていたので、
できましたら、コミカルジャッキーを極力頭の片隅に追いやったのち、
まっさらな気持ちで『ザ・フォーリナー/復讐者』を視聴してみてください。
昔のようなコミカルジャッキーと比べても意味はありませんからね。
今のジャッキー・チェンを楽しんで欲しいなと思います。
『ザ・フォーリナー/復讐者』は今現在、
Netflixで視聴可能となっています。
ジャッキー・チェンについて
ジャッキー・チェン(漢字名:成龍 1954年4月7日〜)は、
香港出身の映画俳優です。
個人的なジャッキー出演作のオススメは、
日本公開年 | タイトル | 役名 |
1980年 | 拳精 | イーロン |
1983年 | 蛇鶴八拳 | 徐英風(ジョ・エイフウ) |
1984年 | 五福星 | CID 07 |
プロジェクトA | ドラゴン | |
スパルタンX | トーマス | |
1985年 | ポリス・ストーリー/香港国際警察 | ケビン |
1986年 | サンダーアーム/龍兄虎弟 | ジャッキー |
1999年 | ラッシュアワー | リー警部 |
2010年 | ベスト・キッド | ミスター・ハン |
2019年 | ザ・フォーリナー/復讐者 | クワン |
だいぶ古い映画ばかりになってしまいましたが、
記憶を辿って厳選すると、オススメジャッキー出演作はこんな感じです。
バリバリのカンフー映画なら2本。
・「五獣の拳の精たち」と戯れるカンフー映画「拳精」。
楽しいラストバトルは必見です。
・ジャッキーのカンフー映画では珍しく、最初から強い主人公設定の「蛇鶴八拳」。
「蛇鶴八歩の書」という最強の教本を作った少林寺の長老8人が謎の失踪、教本も行方不明。
その教本を巡ってのミステリー要素も含まれたカンフー映画。
バリバリのカンフー映画以外だと、上の表のようになってしまいます。
では、ジャッキーの代表作は?と聞かれたら、
「プロジェクトA」ですかね。
サモハンキンポーとユンピョウが共演、主題歌は今でも脳内再生できる名作。
ジャッキーが時計塔から本当に落ちて大怪我という、逸話付きです。
「プロジェクトA」がジャッキー映画の王道的存在だとしたら、
個人的に思うジャッキーのカンフー映画の王道は、このようになります。
コミカルジャッキーが出演しているカンフー映画
コミカル要素の強いジャッキー・チェン主演のカンフー映画は、
日本公開年 | タイトル | 役名 |
1979年 | ドランクモンキー 酔拳 | ヒコウ |
スネーキーモンキー 蛇拳 | チェンフー | |
1980年 | クレイジーモンキー 笑拳 | シンロン |
拳精 | イーロン | |
1983年 | カンニングモンキー 天中拳 | コウ |
ここら辺が王道ではないでしょうか。
・「ドランクモンキー 酔拳」
超有名作品。本当は、酒に酔ったフリをして相手を油断させる技である「酔拳」を、
本当に飲んで強くなってしまうという強引設定で超人気作に。
・「スネーキーモンキー 蛇拳」
こちらも有名作品。「蛇形派」と「鷹爪派」の長きに渡る拳法2大流派の争いに巻き込まれた形の主人公。最終的に1番強いのは「猫」だと視聴者が納得する人気作。
・「クレイジーモンキー 笑拳」
完全な復讐劇。祖父を殺した殺し屋への仇討ちメインのカンフー映画。
最終的には、カンフーの強さよりも、精神的強さの方が大事だと視聴者に教えてくれるカンフー映画。
・「拳精」
「ラストバトル」という単語を聞くと、まず最初に思い付くカンフー映画がこれ。
大人数で1人をボコボコにするのは、卑怯ではないか!、そんな声もあったのかもしれないが、最高に楽しい「ラストバトル」。
・「カンニングモンキー 天中拳」
ジャッキーのカンフー映画では珍しく、ずっと弱いままの主人公。
カンニングはするけど、そこまで強くならない主人公に業を煮やすファンが多発。
もしかすると、日本の「ビリヤードファン」を少しだけ増やしたかもしれないカンフー映画。
この作品の中で、
ジャッキー・チェンが監督をしているのは「笑拳」のみです。
ちなみに、
「カンフーの師匠役」と聞いて右に出る者がいない、
白髪老人拳法達人赤鼻師匠のユエン・シャオティエン(1912〜1980)は、
「酔拳」と「蛇拳」の2作だけで「カンフーの師匠役」の代名詞的存在となりました。
あと、ジャッキー映画ではないですけど、
有名な「少林寺三十六房」にもユエン・シャオティエンは出演していますので、機会があったら探してみてください。
シリアスジャッキーが出演しているカンフー映画
今度は逆に、
シリアスな演技をしているジャッキー・チェン主演のカンフー映画は、こんな感じでしょうか。
日本公開年 | タイトル | 役名 |
1981年 | 少林寺木人拳 | イーロン(だんまり) |
1982年 | 龍拳 | ホーエン |
1984年 | 成龍拳 | シャオライ |
記憶を辿って思い付くのはこの3つです。
・「少林寺木人拳」
超有名作品。この作品の主題歌も脳内再生できますね。
父親殺しに復讐するために少林寺に入門、口がきけないフリをしながら、牢獄に繋がれていた罪人から拳法を学び、最終決戦で衝撃の事実が告白される、ジャッキーのカンフー映画の代表的な1本。
・「龍拳」
シリアスジャッキーの名作。
基本的には、全編通して暗い感じを受ける物語。画もちょっと暗い。
こちらも仇討ちメインとなっているが、主人公の心の葛藤が描かれていて、ドラマ性の高いカンフー映画となっている。
・「成龍拳」
こちらも暗いお話で突き進むカンフー映画。少しだけホラーっぽい要素も。
複雑な立場となってしまう男女の悲しい物語。
ここまでドロドロとしたカンフー映画も珍しく、視聴後に結構悲しくなってしまう。
顔面に衝撃的な傷をつけるジャッキーも珍しい。
シリアスジャッキーのカンフー映画、
私ではこの3作しか思い付きません。記憶が鮮明に残っているとも言えませんし。
記憶は曖昧でも、「少林寺木人拳」だけは今でも有名作品です。
もし仮にまだ観たことがないという方、
今後の初視聴の際、ジャッキーの顔が少し違っていてもあまり驚かないでください。
若かりし頃のジャッキーですのでね。
目元ばかりに気をとられないように楽しんでください。
最後に
Netflixで視聴が可能になっていた、
ジャッキー・チェン主演の『ザ・フォーリナー/復讐者』をようやく観ましたので、
記事にさせて頂きました。
予告動画は結構前から視聴していて、
そこから醸し出ていたシリアスジャッキーがどうしても忘れられずに、
ずっと気になっていた映画です。
私も大半のジャッキーファンの方達と同じで、
どちらかというとコミカルジャッキーの方が好きだったんですけど、
この『ザ・フォーリナー/復讐者』を観て、実はシリアスジャッキーもいける、
そう思わせてくれた作品になりましたね。
是非、馴染みのないシリアスな演技をするジャッキー・チェンを体験してみてください。
アクションシーンもいけますよ。
ではまた。
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