伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』登場人物/あらすじ/おじさんの感想
今や、
ハリウッド映画(「ブレット・トレイン」)の原作(「マリアビートル」)となって、
世界にも名を知られつつある伊坂幸太郎。
そんな伊坂幸太郎の最新文庫が発売中です。
伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』
✅ 2021年10月に朝日新聞出版から発売
(2024年12月に朝日文庫から文庫版が発売)
✅ 400ページ越えの一大エンターテインメント
✅ 伊坂幸太郎の小説です、ツマラナイ物語は1つもありません
好きかどうかは人それぞれ、
面白いかツマラナイかも人によって違います。
ただ、私個人は伊坂幸太郎の小説を読んでツマラナイと感じたことは今まで、
一度もありませんでした。ただの一度も。
『ペッパーズ・ゴースト』ももちろん、おすすめです。
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伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』
伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』
登場人物
【登場人物】
壇千郷(だん ちさと):中学校の国語教師。「先行上映」の能力者。35歳
里見大地(さとみ だいち):父、祖母と暮らす中学生。
不藤鞠子(ふとう まりこ):自作小説を執筆中の女子中学生。
友沢笑里(ともさわ えみり):不藤鞠子の友人。
里見八賢(さとみ はっけん):里見大地の父親。公務員。
マイク育馬(マイクいくま):テレビ番組司会者。
〈サークルのメンバー〉
庭野(にわの):30代男性。庭師。まとめ役。
野口勇人(のぐち はやと):20代男性。姉が庭野と婚約していた。
羽田野(はたの):60代男性。元小学校校長。
成海彪子(なるみ ひょうこ):20代女性。カンフー映画のファン。
康雄・康江(やすお やすえ):60代。医師と看護師の夫婦。
哲夫(てつお):50代男性。元工場勤務。
紗央莉(さおり):20代女性。
将五(しょうご):20代女性。
【小説の中の登場人物?】
✴︎「ネコジゴ」:“猫を地獄に送る会”の通称。猫虐待動画を視聴し、煽る者たちの集まり。
✴︎「ネコジゴ・ハンター」:ネコジゴメンバーを追うハンター。
ロシアンブル:ネコジゴ・ハンターの1人。悲観的な性格。
アメショー:ネコジゴ・ハンターの1人。楽観的な性格。
罰森罰太郎(ばつもり ばつたろう):ネコジゴの1人。動画配信や仮想通貨で富を築いた富豪。
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あらすじ
『ペッパーズ・ゴースト』あらすじ
「先行上映」
中学校の国語教師:壇に備わっている不思議な能力。
くしゃみや会食などで誰かの飛沫を浴びると、
その人物の翌日の一場面を見ることができる予知能力。
「不藤鞠子の自作小説」
猫を虐待するネット配信を面白がって支援していた人たちを特定し、
粛清してまわる2人組、
ネコジゴ・ハンターのロシアンブルとアメショーを主人公とした物語。
中学校の国語教師をしている壇は、
生徒の不藤鞠子から自作小説を渡され、
面白いけどなかなか怖い話だと思いつつも、物語を読み進めていた。
それと並行して、
生徒の里見大地の飛沫を浴び、
図らずも大地の「先行上映」を見てしまい、
妙な巡り合わせから大地の父親:八賢と知り合い、
謎の集団と関わりを持ってしまう。
そして、
壇の周囲が慌ただしく移り行く中で、
生徒が書く自作小説の中の人物である不思議な2人組が、
壇の目の前に・・・現実の出来事として・・・。
交わるはずのない2つの世界が繋がり始めた時、
待っているのはどんな結末なんでしょうか?
〜『ペッパーズ・ゴースト』〜
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おじさんの感想
個人的にですが、
伊坂幸太郎の小説を手に取る時、
迷うことは皆無です。
今まで読んできて、1度たりとも期待を裏切られたことがありません。もちろん、「面白かった!」と「超!面白かった!」という違いはありましたけど、
「ツマラナイ」と感じさせる小説を読まされたことはありません。
ですから、
安心しきって手に取った文庫版『ペッパーズ・ゴースト』。
「面白かった!」です。
こっちの世界とあっちの世界が「あれ?繋がってきたぞ」という物語。
壇先生の世界を現実と仮定すると、
不藤鞠子の自作小説の中の出来事は空想上の物語となるんですけど、
この2つの境界線、現実と空想の間が曖昧になっていって、
明確な感じでもあり摩訶不思議な感じも受けてしまいながら、
2つの世界を同時に、さらに、
「同じ世界の出来事として、受け取って良いんですよね?」と読み進めさせる物語となっています。
読み進めていくうちにですね、
「?」と頭の中に出てくる場面もありますが、
そこは伊坂幸太郎、
しっかりと伏線は回収していくし、
読後も「読んで良かった!」と期待を裏切らない面白さのある小説でした。
それともう1つ。
壇先生の「先行上映」、
正直欲しいとは思えない能力なんで、
ファンタジー感の塩梅が絶妙すぎて嫌味がないんですよね。
ちょっと不憫に思うような感じ。
「世界は救えないけど、まぁ、自分の周り少数人数ならなんとか・・・」
こんな主人公の物語『ペッパーズ・ゴースト』。
伊坂幸太郎の小説を読んだことがないなら、
1度読んでみてはいかがでしょうか?
最後に
伊坂幸太郎の小説『ペッパーズ・ゴースト』を紹介させていただきました。
今作も当たりです。
小説は面白いんです。
そう考えていくと、
小説「マリアビートル」があんなに面白かったのに、
映画「ブレット・トレイン」はどうしてあ〜なってしまったのか・・・。
ハリウッドにはもう少し頑張ってもらわないといけませんね。
原作の面白さを映像化していただかないと。
で、
アン・ハサウェイ主演で「シーソーモンスター」を映画化する話はどうなったのか?
全然続報が聞こえてこないんですけど・・・。
伊坂幸太郎ファンの私は待ちますよ、早くして欲しい気持ちを抑えつつ待ちます。
(でも、早くしてくれ)
ではまた。