【一周忌の案内状は地獄への招待】五十嵐貴久『能面鬼』あらすじ/おじさんの感想

「リカ」シリーズでお馴染み五十嵐貴久の文庫本最新刊、
『能面鬼』が発売されています。
五十嵐貴久『能面鬼』
✅ ある大学生の死に関わってしまったグループに襲いかかる復讐劇
✅ 文庫本で約270ページ、一気に読書可能
「リカ」シリーズを楽しく読み進めたおじさんですから、
五十嵐貴久の最新刊が文庫化されれば必ず読むようにしています。
今作もなかなか・・・。
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五十嵐貴久『能面鬼』
五十嵐貴久『能面鬼』
- Wind1「ヒートウェーブ」5〜
- Wind2「手紙」41〜
- Wind3「都睦寺」75〜
- Wind4「卒塔婆」109〜
- Wind5「白い影」143〜
- Wind6「ナイフ」175〜
- Wind7「首」199〜
- Wind8「血潮」221〜
- Wind9「炎の矢」239〜
あらすじ
五十嵐貴久『能面鬼』あらすじ
名門大学のサークルの新歓コンパで起きた悲劇。
新入生の諸井保が、
急性アルコール中毒で死亡してしまい、
参加メンバーたちは自身の保身のために、
死因を偽装し口裏を合わせて、
何事も無かったように日々の生活を送っていた。
しかし、
事件の記憶が薄れかけた1年後、
諸井保の一周忌法要の案内状がメンバーたちのもとへ届く。
罪悪感に苛まれていたメンバーたちは、
けじめをつけるため出席することを決意。
そして、
彼らを待ち受けていたのは、
逃れることのできない地獄だった・・・。
〜『能面鬼』〜
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おじさんの感想


五十嵐貴久の『能面鬼』、読ませていただきました。
目新しさに溢れたホラー小説とは言えませんけど、楽しませてもらいました。
昭和13年に起こった「津山30人殺し」のニオイや、
漫画から実写ドラマになった「ガンニバル」のようなニオイがぷんぷんとするので、どこかで聞いたような感じやどこかで見たような感じを受ける物語。
閉鎖的な田舎の村に、昔からある由緒正しい寺の跡取り、
その死に関わった者たちへの復讐劇。
2時間ドラマにギュッと詰まったおっかない話を、
一気に読み進めているような感覚になる『能面鬼』。
復讐劇はもちろんですが、
一般社会には知られていない、独特な風習が残っている閉鎖的な村。
その村の歴史に刻まている凄惨な事件。
そんな閉鎖的な場所でどんどんと追い詰めらていく人間たち。
そして、
ハッピーエンドなんて望みません!!
このような好みがある人なら、
五十嵐貴久の『能面鬼』はおすすめです。
あと、
横溝正史の「八つ墓村」がお好きな方にもおすすめ。
『能面鬼』の舞台は岡山県ですし、
「津山30人殺し」からもインスピレーションを受けている印象を受けますから、
もしかすると、
五十嵐貴久版「八つ墓村」と言えるかもしれません。
個人的に、ですけど。
とにかく、凄惨な事件ものが読みたいと思っているなら、
『能面鬼』を手に取っても損はしないと思いますよ。
最後に
五十嵐貴久の『能面鬼』を紹介させていただきました。
らしいと言えばらしい小説でしたので、個人的には楽しめた物語。
凄惨ですけどね。
とりあえず、
正直に認めなければいけない場面があったとしたら、嘘をつかずありのままを!、と思ったし、
独特な風習が残っている田舎の閉鎖的な村へは、極力近づかない・・・、とも思った次第です。
五十嵐貴久の小説を読んでくると、
「近づかない方が身のため」的な存在を感じられることが多々あって、
勉強させていただいているなと・・・。
本当にそんな人や場所がこの世に・・・、わかりません。
ではまた。