第162回芥川賞・直木賞の候補作が決定!10人中7人が初候補
先日、
第162回芥川賞候補作品、
第162回直木賞候補作品が発表されました。
2019年の下半期の受賞作、その候補となったそれぞれの5作。
選考委員会は、
2020年1月15日、
午後4時から築地・新喜楽で開催されます。
第162回芥川賞・2019年下半期の候補作
第162回芥川賞・2019年下半期の候補作 | ||
候補作 | 候補者名 | 掲載誌 |
『幼な子の聖戦』 | 木村友祐 | すばる |
『音に聞く』 | 高尾長良 | 文藝界 |
『デッドライン』 | 千葉雅也 | 新潮 |
『最高の任務』 | 乗代雄介 | 群像 |
『背高泡立草』 | 古川真人 | すばる |
現在の芥川賞の選考委員は、
小川洋子・奥泉光・川上弘美・島田雅彦・堀江敏幸
松浦寿輝・宮本輝・山田詠美・吉田修一
2020年1月15日に選考委員会が開催されます。
162回芥川賞・2019年下半期の候補者
木村友祐(きむらゆうすけ:1970年9月18日〜)は、
青森県八戸市出身の小説家です。
2009年『海猫ツリーハウス』で第33回すばる文学賞を受賞。
2012年『イサの氾濫』で第25回三島由紀夫賞候補。
2019年『幼な子の聖戦』で、第162回芥川賞の初候補となりました。
高尾長良(たかおながら:1992年〜)は、
東京都出身の医師、小説家です。
2012年『肉骨茶』で第44回新潮新人賞を受賞。20歳での受賞は新潮新人賞の史上最年少です。
2013年『肉骨茶』が第148回芥川賞候補。
2014年『影媛』が第152回芥川賞候補。
2019年『音に聞く』で、第162回芥川賞、3回目の候補となりました。
千葉雅也(ちばまさや:1978年12月14日〜)は、
栃木県出身の哲学者です。
専攻は哲学及び表象文化論。学位は博士(学術)。
2019年『デッドライン』は第41回野間文芸新人賞を受賞。
2019年『デッドライン』で、第162回芥川賞の初候補となりました。
乗代雄介(のりしろゆうすけ:1986年〜)は、
北海道出身の小説家です。
2015年『十七八より』で第58回群像新人文学賞を受賞。
2018年『本物の読書家』で第40回野間文芸新人賞を受賞。
2019年『最高の任務』が第162回芥川賞の初候補となりました。
古川真人(ふるかわまこと:1988年7月29日〜)は、
福岡県出身の小説家です。
2016年『縫わんばならん』で第156回芥川賞候補。
2017年『四時過ぎの船』で第157回芥川賞候補。
2019年『ラッコの家』で第161回芥川賞候補。
2019年『背高泡立草(せいたかあわだちそう)』で、第162回芥川賞、4回目の候補となっています。
162回芥川賞決定!
第162回芥川賞の選考委員会が、
2020年1月15日(水)、午後4時から築地・新喜楽で開催されました。
5作の候補から選ばれたのはこちら。
古川真人(ふるかわまこと:1988年7月29日〜)は、
福岡県出身の小説家です。
2016年『縫わんばならん』で第156回芥川賞候補。
2017年『四時過ぎの船』で第157回芥川賞候補。
2019年『ラッコの家』で第161回芥川賞候補。
2019年『背高泡立草(せいたかあわだちそう)』で、第162回芥川賞、4回目の候補となっています。
2020年1月15日、
『背高泡立草』が第162回芥川賞を受賞しました。4回目の候補で初受賞。
『背高泡立草(せいたかあわだちそう)』あらすじ
20代の女性が母親や親戚と共に、
長崎県の島にある母方の実家に向かう場面から物語は始まる。
誰も使わなくなった納屋の草刈りなどをする様子を、
方言を交えて描く中に、
戦前や江戸時代を舞台とした別の物語を挿入しながら、
島や家を巡る歴史や記憶が紐解かれていく。〜『背高泡立草(せいたかあわだちそう)』〜
個人的に読んだ事のある芥川賞受賞作
情けなくなるほどに少ないんですが、
今までに読んだ事のある芥川賞受賞作は、
3作です。
・第75回(1976年上半期)ー村上龍『限りなく透明に近いブルー』
・第119回(1998年上半期)ー花村萬月『ゲルマニウムの夜』
・第153回(2015年上半期)ー又吉直樹『火花』
(同時受賞している羽田圭介の「スクラップ・アンド・ビルド」は読んでおりません)
芥川賞の受賞作に軽く触れておきたいと言うなら、
又吉直樹の『火花』をおすすめします。
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第162回直木賞・2019年下半期の候補作
第162回直木賞・2019年下半期の候補作 | ||
候補作 | 候補者名 | 出版社 |
『嘘と正典』 | 小川哲 | 早川書房 |
『熱源』 | 川越宗一 | 文藝春秋 |
『スワン』 | 呉勝浩 | KADOKAWA |
『背中の蜘蛛』 | 誉田哲也 | 双葉社 |
『落日』 | 湊かなえ | 角川春樹事務所 |
現在の直木賞の選考委員は、
浅田次郎・伊集院静・角田光代・北方謙三・桐野夏生
高村薫・宮城谷昌光・宮部みゆき
2020年1月15日に選考委員会が開催されます。
162回直木賞・2019年下半期の候補者
小川哲(おがわさとし:1986年12月25日〜)は、
千葉県出身のSF作家です。
2015年『ユートロニカのこちら側』が第3回ハヤカワSFコンテストで大賞を受賞。作家デビュー。
2017年『ゲームの王国』で第38回日本SF大賞受賞。第39回吉川英治文学新人賞候補。
第31回山本周五郎賞を受賞しています。
2019年『嘘と正典』で、第162回直木賞の初候補となりました。
川越宗一(かわごえそういち:1978年〜)は、
大阪府出身の小説家です。
2018年『天地に燦たり(てんちにさんたり)』で第25回松本清張賞を受賞してデビュー。
2019年『熱源』で、第162回直木賞の初候補となりました。
呉勝浩(ごかつひろ:1981年〜)は、
青森県に在日韓国人3世として生まれた、小説家です。
2015年『道徳の時間』で第61回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。
2018年『白い衝動』で第20回大藪春彦賞を受賞。
2019年『スワン』で、第162回直木賞の初候補となりました。
誉田哲也(ほんだてつや:1969年8月18日〜)は、
東京都出身の小説家です。
2002年『ダークサイド・エンジェル紅鈴 妖の華』で第2回ムー伝記ノベル大賞優秀賞を受賞。
2003年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞。
2007年『ストロベリーナイト』で第9回大藪春彦賞候補。
2009年『武士道セブンティーン』で第24回坪田譲治文学賞候補。
2009年『ハング』で第12回大藪春彦賞候補。
2012年『あなたが愛した記憶』で第3回山田風太郎賞候補。
2014年『ケモノの城』で第5回山田風太郎賞候補。
2019年『背中の蜘蛛』で、第162回直木賞の初候補となりました。
湊かなえ(みなとかなえ:1973年〜)は、
広島県出身の小説家です。
今までの受賞歴は、
2007年『答えは、昼間の月』で第35回創作ラジオドラマ大賞受賞。
2007年『聖職者』で第29回小説推理新人賞受賞。
2009年『告白』で第6回本屋大賞受賞。
2012年『望郷、海の星』で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞。
2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞受賞。
これまで直木賞には3回候補となっています。
2013年『望郷』で第149回直木賞候補。
2016年『ポイズンドーター・ホーリーマザー』で第155回直木賞候補。
2018年『未来』で第159回直木賞候補。
2019年『落日』で、第162回直木賞、4回目の候補となりました。
第162回直木賞決定!
第162回直木賞も受賞作が決まりました。
こちら。
川越宗一(かわごえそういち:1978年〜)は、
大阪府出身の小説家です。
2018年『天地に燦たり(てんちにさんたり)』で第25回松本清張賞を受賞してデビュー。
2019年『熱源』で、第162回直木賞の初候補となりました。
2020年1月15日、
『熱源』が第162回直木賞を受賞しました。初候補で初受賞。
『熱源』あらすじ
明治時代から第二次世界大戦にかけての樺太、
今のサハリンを舞台とした、
日本の同化政策のよって故郷を終われたアイヌの男性、
囚人として送られてきたポーランド人の民俗学者が、
戦争に巻き込まれながらも自分が守るべきものを模索しつつ、
力強く生き抜く姿を、
史実を踏まえながら描いた作品。〜『熱源』〜
個人的に読んだ事のある直木賞受賞作
こちらも少なくて、
2作しか読んだ事がありません。
・第134回(2005年下半期)ー東野圭吾『容疑者Xの献身』
・第144回(2010年下半期)ー道尾秀介『月と蟹』
(同時受賞している木内昇の「漂砂のうたう」は読んでおりません)
あと1つ、
一応作品は知っているけど、原作は読んでいないというのが、
・第117回(1997年上半期)ー浅田次郎『鉄道員(ぽっぽや)』
(同時受賞しているのが篠田節子「女たちのジハード」)
『鉄道員(ぽっぽや)』は映画として観た記憶しかありません。
原作を読んだかどうかを、全く覚えてない・・・。
映画の印象が強過ぎて、記憶が曖昧になっています。
という事で、
おすすめできる作品もほとんどないんですけど、
単純に好きな作家という事で、
道尾秀介の作品をおすすめさせて頂きます。
最後に
先日発表された、
第162回芥川賞候補、
第162回直木賞候補、
それぞれを記事にさせて頂きました。
芥川賞では、
5人中3人が初候補。
直木賞では、
5人中4人が初候補。
芥川賞、直木賞で10人中、7人もの方が初候補となっています。
来年、
2020年1月15日に選考委員会が開催です。
ではまた。
<追記>
2020年1月15日に、
第162回芥川賞、第162回直木賞の受賞作が決定しました。
第162回芥川賞受賞作
『背高泡立草』古川真人
第162回直木賞受賞作
『熱源』川越宗一
贈呈式は2月下旬に、東京都内で開かれる予定となっています。