又吉直樹の恋愛小説「劇場」は、2020年に映画化!
前作「火花」は芥川賞を受賞した中編小説、
今作「劇場」は、
著者が「火花」より先に書き初めて、
途中でストップさせていた長編小説です。
又吉直樹の2作目、
恋愛小説と位置付けられている「劇場」。
恋愛小説をほとんど読まないおじさんでも、
途中から読み進めるのがキツくなる物語でした。
痛いというか切ないというか・・・。
又吉直樹の恋愛小説「劇場」
「劇場」 又吉直樹
ネタバレをせずに、紹介します。
8月の午後、
同じ時刻に同じ場所で、同じ画廊を覗いていた2人の男女。
2人の出会いは画廊の前です。
・永田
大阪で、中学生の頃に出会った同級生:野原と共に高校を卒業、上京後、
「おろか」という劇団を立ち上げた劇作家の永田。売れない劇作家です。
「おろか」の評判は悪く、ネット上に書かれているレビューは救いようのない悪評ばかり。
バイトはクビになるし、当然お金も無いし、
目的もなくただ歩いていた時に、同じ画廊を覗いていた女性と出会います。
・沙希
青森県の生まれで、中学生の頃から演劇部に所属していて、
高校を卒業後、すぐに女優を目指して上京した沙希。服飾の大学に通っている学生です。
よく笑い、飾り気のない純粋さを持った女性が、
同じ画廊を覗いていただけで永田と出会い、
その後、2人は一緒に暮らし始め、交差していきます。
ほとんどヒモ状態の永田と、
そんな永田を一心に信じる姿勢を崩さない沙希。
不器用な2人に待っているラストがまた、
不器用な感じで・・・。
物語の途中から読み進めるのが辛くて、
痛くて切なくなる恋愛小説、
又吉直樹の2作目、
「劇場」
なんか、悲しくなりますよ。
「劇場」を読んだ方達のレビューを、紹介します
・「劇場」を読んだAさんのレビュー
とても読みにくくて、何度もペースが遅くなってしまったけど、
最後は切なすぎて泣いてしまいました。
好き嫌いではなく、心が動いた作品でした。
・「劇場」を読んだBさんのレビュー
このお話を読んでいると、
焦燥感が湧き上がってきます。無性に泣きたくなってきますね。
自転車に2人で乗って、夜桜を見るところが1番印象に残っています。
・「劇場」を読んだCさんのレビュー
永田の気持ちが赤裸々に語られるからか、ちょっと理解しがたい場面でも、
この二人の関係性に少なからず共感してしまい、
最後なんかチラッと涙を流してしまいました。
何だかんだ言っても、この劇場の二人が可愛くて愛おしく感じられます。
読んで良かったし、もっと早く読めば良かったなと。
・「劇場」を読んだおじさん
前作「火花」を読むノリで読み進めてしまった「劇場」、
やられましたね。
読み進めるのがキツかったです。
ヒモ状態の永田には一切共感出来ませんでした。
頭にくる描写の数々に、途中から早く別れろと、読者なのに本気で思ってしまう始末。
沙希は一心に永田を信じていますので、
それを思うと更に辛くなるという悪循環で読み進めていました。
途中から本当に痛かったですね。
終盤辺りになると、
沙希に異変が訪れますので、また更に永田に対しての殺意的な感情が・・・。
と、
読み進めていた感情はそんな感じだったんですけど、
読み終わってみると、これが意外や意外、
永田を理解したような気になってくるんです。
不器用を隠れ蓑にした嫌な奴、だけではありませんでした。
なんだ永田、お前にも一心になれるものが見つかったのか・・・。
遅すぎたけど。
歳をとったおじさんらしい感想になっていましたね。
必ずなんとかしろ!そんな気持ちです。
又吉直樹の「劇場」、
読み進めるのが辛くて痛い、切なくなる物語ですが、
ラストを迎えた時に訪れる不思議な感覚、味わってみてください。
2020年に映画化!公開予定の「劇場」
又吉直樹(1980年6月2日〜)は、
日本の芸人で小説家です。
前作「火花」が153回芥川賞を受賞。
▶︎▶︎▶︎「芥川賞」受賞作、又吉直樹の「火花」は芸人達の濃厚な1ページ
そして今作、
「劇場」は2020年に映画化が予定されています。
2020年に公開予定の「劇場」
監督 | 行定勲 |
脚本 | 蓬莱竜太 |
原作 | 又吉直樹「劇場」 |
出演 | 山崎賢人 |
松岡茉優 | |
日本公開 | 2020年公開予定 |
おじさんには全く馴染みのない俳優さん達なんですけど、
これを見る限り、
山崎賢人が永田で、松岡茉優が沙希、ですよね。
写真を見た感じだと、沙希役の松岡茉優は透明感があってピッタリな印象、
かたやヒモで、原作ではあれほどムカついた永田役を山崎賢人、
どんな感じで描かれるのでしょうか。
原作でのラストを映画ではどう表現するのか、
そこも見どころの1つですね。
又吉直樹の「劇場」、
2020年に日本で公開予定です。
最後に
又吉直樹の小説2作目、
「劇場」を紹介させて頂きました。
恋愛小説はほとんど読まないんですけど、
なんか色々と感じるものがありましたね。
何度もすいませんが、
読み進めるのは辛くて痛いし、切なくなる物語ですので、
途中で色々な感情が渦巻いてしまうと思います。
ムカつくし呆れるし、人によっては殺意を抱いてしまう可能性も。
面白い小説だとは言いませんけど、
確実に感情は揺さぶられます。良くも悪くも。
私はラストで泣けませんでしたが、強くこう思いました。
必ずなんとかしろ!と。
又吉直樹の「劇場」、
読んでみてください。
ではまた。