「法廷ミステリー小説」、悪魔の弁護人シリーズ2作目「追憶の夜想曲」
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もう直ぐドラマが放映さえるということで、
お馴染み?になりつつある悪魔の弁護人、
御子柴礼司を主人公とした「法廷ミステリー小説」、
その第2作目を紹介させて頂きます。
高額な案件以外は受け付けない悪魔として名高い御子柴礼司。
<死体配達人>としての過去を持ちながら、
弁護士となった御子柴が今回、取り扱う事件は、
一銭の得にもならない事件です。
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「法廷ミステリー小説」、中山七里の御子柴シリーズ2作目
「追憶の夜想曲」 中山七里
「追憶の夜想曲(ついおくのノクターン)」あらすじ
<死体配達人>としての過去を持つ悪魔の弁護人:御子柴礼司。
どんな罪名で起訴されようが必ず、執行猶予を勝ち取り、
時には無罪にまでしてしまう凄腕の弁護士。
高額な弁護報酬、真っ当な手段を選ばないやり方でその悪名は通っている。
そんな御子柴が今回、自ら弁護する事を決めた事件は、
「津田伸吾殺害事件」
被告人となっているのは平凡な主婦。
夫の殺害を認めていて、すでに東京地検で懲役16年の判決を下されている事件。
平凡な主婦が起こした、平凡な夫殺し。刑も確定している。
弁護報酬も望めない事件になぜ、御子柴が自ら弁護しようと・・・。
そして、迎えた控訴審第一回公判。
御子柴は被告人の無罪を堂々と主張する。
〜「追憶の夜想曲」〜
<死体配達人>
昭和60年8月、福岡市内で起こった幼女殺害事件。
5歳の少女が無残にも殺され、遺体をバラバラにし、1日に1パーツずつ、
ありとあらゆる場所に遺体の一部を遺した凄惨な事件です。
犯人は当時14歳だった園部信一郎。
彼は関東医療少年院送致となりますが、5年後に仮出所、その際、
氏名変更が家庭裁判所により許可されて、
園部信一郎から<御子柴礼司>に。
・御子柴礼司
高額な弁護報酬を請求できる相手しか弁護しないと、悪名が轟く弁護士。
御子柴はなぜか今回、
全く金にならないであろう事件を、自ら強引に担当する事に。
・津田亜希子
35歳の主婦。娘2人(美雪と倫子)と夫(伸吾)の4人暮らし。
夫の生活能力の低さ、他の男との結婚を夢見て、
夫(伸吾)を殺害<津田伸吾殺害事件>。
容疑を認めているにも関わらず、減刑を求めている身勝手さを持つ女性です。
・津田倫子
津田家の次女。まだ6歳ですが、大人びた言動と行動をする少女。
話した相手の人となりを瞬時に把握してしまう、子供とは思えない観察力が。
なぜだか不思議と、御子柴には懐きます。
・岬恭平
津田伸吾殺害事件の控訴審で、御子柴と対決する事になる検事正。
御子柴との対決に敗れた過去を持っていますが、今回、
御子柴が利のない弁護を引き受けた事に疑問を持ち、過去の苦い思い出を払拭する為なのか、
法廷で対決する事に。
音楽家、岬洋介の父親。
この「追憶の夜想曲」では、
色々な事が明確になってしまいます。
- <津田伸吾殺害事件>の真相
- <津田伸吾殺害事件>の裁判の行方
- 被告に秘められた過去
- そしてなぜ、御子柴礼司が強引に弁護人となったのか・・・
- <死体配達人>の過去とどう繋がるのか・・・
中山七里の「法廷ミステリー小説」、
御子柴シリーズの第2作目、
「追憶の夜想曲」
軽い話ではありませんが、グイグイと読み進められる作品です。
「追憶の夜想曲」を読んだ方達のレビューを、紹介します
![男性の声](https://savicevicjenio.com/wp-content/uploads/2019/03/observe-3539810__340-300x178.jpg)
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御子柴弁護士シリーズ2作目。面白かったです。
何が起きたのかは、多分、ミステリー好きなら早々に気づくと思います。
ただ、私は、真相一歩手前までしか気付きませんでした。
隠されていた真実を理解した時「ふざけんな!いい大人が!!」とイラっとしてしまいましたね。
騙された自分も腹立たしいですけど、リアルでありそうで盲点だったのか。
御子柴先生の今後の行く末が心配です。
一呼吸置いてから、続編を手に取りたいと思っています。
![女性の声](https://savicevicjenio.com/wp-content/uploads/2019/07/smartphone-1184865__340.jpg)
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初めて読んだ作家さんでしたが、少年犯罪の過去を持つ悪辣弁護士が、因縁の相手と対決します。
法廷シーンがリアルで、読み応えがあり、とても良かったですね。
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2冊目も読み応え抜群でした。
事件の真相は残酷でしたが、明らかになって良かった・・・。
倫子の健気なさが唯一の救いです。
それにしても、御子柴の今後が気になって仕方ありません。
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おおお重たい・・・。
犯人はなんとなく分かったけど、その他は全くの予想外の展開でした。
1冊を通した償い、しっかりと感じました。
倫子が強くまっすぐに育ってほしい、そしてここからの御子柴が気になりますね。
「追憶の夜想曲」を読んだおじさんの感想
・「追憶の夜想曲」を読んだおじさんの感想
(シリーズ2作目、爽快感はありませんが面白さは十分)
前作「贖罪の奏鳴曲(しょくざいのソナタ)」から続きのお話、続編です。
もし可能なら、
前作を読んでから今作を読み進める、そちらをオススメします。
いきなり「追憶の夜想曲」を読んでしまうと、面白さが半減してしまいますからね。
今作「追憶の夜想曲」では、
ずっと、なぜ?、が付きまとってきます。
平凡な主婦が犯した平凡な夫殺し、しかも、一切お金にならない事件を、
あの御子柴が担当する。しかも強引に。
そのなぜがずっと付きまとってくる物語になっています。
御子柴の過去もハッキリさせて、
一体どこへ着地させるのか、ずっとハラハラしながら読み進められます。
多少ですけど、ムカつきを覚えつつ。
ただですね、
この御子柴シリーズの凄いところは、
読後に爽快感を抱かせない面白さを持っているところです。
爽快感ゼロなのに面白い、
なかなかあるようで無い、そんな物語になっているんですね。
間違いなくイヤな気持ちにさせられるのに、また続きが読みたくなる、
不思議な魅力のあるシリーズです。
中山七里の「法廷ミステリー小説」、
御子柴シリーズ第2作目、
「追憶の夜想曲」
気分の良くなる物語ではありませんけど、1つのシリーズものを好きになる、
そのキッカケになり得る作品です。
悪魔の弁護人:御子柴礼司がドラマに
中山七里原作の、
「御子柴シリーズ」がドラマになります。
2019年12月7日スタート
『悪魔の弁護人・御子柴礼司〜贖罪の奏鳴曲〜』
東海テレビ制作・フジテレビ系「大人の土ドラ」で放送予定です。
「悪魔の弁護人 御子柴礼司〜贖罪の奏鳴曲」 | |
原作 | 中山七里「御子柴礼司シリーズ」 |
出演(役名) | 要潤(御子柴礼司) |
ベッキー(日下部洋子) | |
津田寛治(岬恭平) | |
玄理(櫻葉あすみ) | |
木村健太郎(宝来兼人) | |
奥菜恵(津田亜希子) | |
勝野洋(稲見武雄) | |
2019年12月7日(土曜日)放送スタート予定 |
津田亜希子の名前があるという事で、
多分ですけど、「追憶の夜想曲」の部分も描かれているのではないかと思われます。
しかも、「追憶の夜想曲」で出てくる津田亜希子を、
奥菜恵が演じる。
原作を読んでしまっていると、
恐ろしく綺麗過ぎる感じを受けてしまって、ちょっと、イメージと合わない・・・。
ドラマを存分に楽しみたいのなら、
今作「追憶の夜想曲」を読み進めるのはオススメしません。
ドラマとして楽しんでしまった方がよろしいかと。
ドラマの前情報として、知っておきたいという方のみ、
「追憶の夜想曲」を読み進めてみてください。
ある意味、津田亜希子のギャップを楽しめるかもしれませんのでね。
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最後に
中山七里の御子柴シリーズ第2作目、
「追憶の夜想曲」を紹介させて頂きました。
「法廷ミステリー小説」ですので、
事件、裁判、弁護士、検察、法廷での対決、
その辺りに興味のある方にはオススメです。
ちょっとイヤな気持ちになって、爽快感はありませんけど、
読み進めるスピードが緩む事なく、
グイグイ物語を追えるストーリーですから、
是非、読んだ事の無い方には1度、手にとってみて欲しいと思っています。
シリーズものとしても、楽しめますから。
ではまた。
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