「伊坂幸太郎」に泣かされた、あの日の通勤時間

「小説」を読んで感動する、「映画」を観て感動する、
よくあることです。
ただ、
涙を流して感動する「小説」や「映画」となると、そこまで多くはありません。
あるにはあるけど稀です。1年の間にあるかないか、微妙なところですよね。
それが「号泣」となると、1年どころか10年だとしても・・・。
私が、通勤時間中、電車の中で「号泣」させられた、しかも「小説」で、
というお話です。
たまにしか出会えない「小説」
以前にも書きましたが、「小説」をよく読みます。
堅苦しい本ではなく、ミステリーものが多いです。
読みやすいですし、何より色々なことが次々起こって、読者を飽きさせない構造になっていると思います。すぐ事件が起こりますからね。ページをめくるスピードは、
必然的に早くなってしまいます。
ただ、全ての「小説」が面白いかというと、
そこは人それぞれです。好き嫌いはしっかりあります。読み慣れてくると、
むしろ、面白くない「小説」の方が多いと思えてきます。あくまで個人的にですけどね。
そんな中、出会うんですよ。ごく稀ですけど、最高に面白かったと言える「小説」と。
そういう「小説」と出会うと、
読み終えた後になんとも言えない満足感を得ることができます。
エンディングを数回読み返してしまいますよ。ある種の麻薬かもしれません。
あの満足感を味わいたくて、今も「小説」を読み続けている私ですが、
出会う確率は低いかもしれません。
少しでも確率が上がれば良いなと、通勤時間中にページをめくる日々をおくっています。
通勤時間中に号泣
数年前のあの時、吊革につかまりながら読んでいた「小説」、
忘れることができません。
有名な作家の、有名な作品です。
数日前から読み始め、その時はもう佳境に入っていました。物語の終盤です。
通勤時間がもっと長ければと思うほど、どハマりしていました。
集中して読んでいたので、時間を短く感じていたんでしょうね。「もうこの駅か」と。
物語の中に入り込んで読んでいると、不思議な感覚になることがあります。
エンディングを早く読みたいという気持ちと、
ずっと物語が続けば良いなという気持ちと、真逆の思いが心の中に生まれてしまいます。
読み進めたいのに、読み終えたくない、葛藤が…。
葛藤と戦いながら読み進めていたあの時、物語のある場面、私は、
電車の中で、吊革につかまりながら、「号泣」してしまいました。
涙が次から次へと溢れ出てきて、全く止まる気配がありませんでした。少し、嗚咽も…。
感動して涙することぐらい、今までに何度となくありましたが、
あそこまでの号泣は初めてでしたね。
おもいっきり絵が頭の中に浮かんでしまったんです。「ドン!」、
もうたまりませんでした。さすがに電車の中でしたし、良い大人が本を片手に号泣ですからね。
顔を隠すようにしていましたが、私の前で座っていた方や、
隣に立っていた方には気づかれていたと思います。「こいつ、泣いてる」
今思うと恥ずかしいです。ご迷惑をおかけしました。想定外でした。
結局、目的の駅に着いても読むことを止められずに、歩きながら読み進めてしまいました。
危ない行為だとは分かっていたのですが、感動してしまって…。
会社に着く前にエンディングを迎え、その日の午前中、
ずっとフワフワしていましたよ。面白い「小説」に出会えた嬉しさで。
帰りの電車、読み返したのは言うまでもありませんね。
私を「号泣」させた「犯人」
「ゴールデンスランバー」 伊坂幸太郎
「ゴールデンスランバー」 | 年・回 | 賞 |
2008年 | 本屋大賞受賞 | |
第21回 | 山本周五郎賞 | |
2009年版 | 「このミステリーがすごい!」1位 |
誰もが知っている作家「伊坂幸太郎」の、
映画にもなった有名な「小説」です。
首相暗殺という恐ろしい濡れ衣を着せられたある男の、
2日間逃げ回るという逃亡劇を描いた、エンターテイメント性抜群の「小説」です。
「伊坂幸太郎」という作家を知る、
「伊坂幸太郎」の「小説」を知る、いい機会になると思うので是非、読んでいただきたい作品です。
どの場面で感動したのかは、
ネタバレになるので語ることはできませんが、是非読んでみてください。
エンターテイメント性も抜群ですし、時間を忘れて、物語の中に入っていけますしね。
もしかしたら、号泣してしまうかも…。
電車の中で読むことだけは、オススメしません。
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