岩木一麻の『時限感染』、「ウイルス系サスペンス」を読んだ感想

第15回このミステリーがすごい!大賞大賞受賞作
がん消滅の罠 完全寛解の謎」。

その著者である岩木一麻の2作目、
「ウイルス」、「テロ」、「目に見えない恐怖」、
「今の時期に読むと、妙にリアルな話として読み進められる」、
そんな印象を受けてしまう物語。

時限感染

世界的なコロナウイルスの蔓延を受けて、
「ウイルス」、「目に見えない恐怖」への対策をしていかなければいけない状態ですので、
私たちの意識の中へ強烈に叩き込まれた「ウイルス対策」。
外出するならマスクは必須ですし、緊急事態宣言が全面解除されたからと言って、
まだまだ気を引き締めなければいけないのが現状です。

そんな状態で『時限感染』を読み進めてみると、
爆発的に感染拡大してしまうであろう事が安易に想像できて、妙なリアル感恐怖を感じます。

不謹慎な言い方になってしまいますが、
ウイルス対策」をしっかり意識している今だからこそ、『時限感染』をオススメできるなと。

 

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『時限感染』のあらすじと感想

 

時限感染』 岩木一麻

 

時限感染あらすじ

東京都台東区で、首無し死体が発見された。
犠牲者はヘルペスウイルスの研究者である教授。内臓を引きずり出された状態、首がない。
そして、現場に残された寒天状の謎の物質、バイオテロを予告する犯行声明が。
「我々はマトリョーシカの外殻を手に入れた。マトリョーシカは数十万人の命を奪うだろう。
バイオテロにより世界に死を振りまき、人々に内省を促す。
次の連絡を待て。」
猟奇的な殺人、バイオテロによる大量殺戮を示唆する犯行声明、
警察は全力を挙げて捜査に乗り出す。
が、
警察の捜査をあざ笑うかのように、犯人は着々と行動を起こし、
テレビ局に犯行声明を送りつけ、バイオテロの存在を全国民に知らせる。
首都圏全域がバイオテロの標的・・・。
日本が「目に見えない恐怖」に支配されつつある状態の中、
捜査一課の切れ者鎌木警部と桐生刑事が、
犯人に迫る

〜『時限感染』〜

今なら安易に想像できてしまう物語です。
「ウイルスパニック」、「目に見えない恐怖と戦う日々」、
「なるべく人が密集してしまう場を避ける」、「特効薬が出来る事を祈る」。
時限感染』を読み進めていると、今とリンクしてしまって、恐怖感を味わってしまいます。

ただ、全てを読み終えた後、
安易に恐怖するだけの物語ではない、と感じられる作品。
「ウイルスパニック」のみを描いている訳ではないんですね。
恐怖は感じますけど、読後感にイヤな感じはありませんでした。むしろスッキリ・・・。

コロナで苦しんでいる現状でも楽しめる「ウイルス系サスペンス」ではないかと。

コロナ禍の状態で『時限感染』を読んだ方達の感想を紹介します。

 

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『時限感染』を読んだ方達の感想を、紹介します

 

 

男性の声
男性の声
『時限感染』へ高評価

ウィルスによるテロの話です。コロナウィルスで世界中がザワついている今、タイムリー過ぎる物語でした。
テロの理由には考えさせられる部分もあります。
この話のようにコロナも上手く収束される事を祈るばかりですね。

 

男性の声
男性の声
『時限感染』へ高評価

何度読み返しても、切なくて美しい結末です。

 

男性の声
男性の声
『時限感染』へ高評価

コロナウィルスみたいなパンデミックではなく、ウィルスを使った生物テロの話です。
まさかこんな展開だったとは、衝撃!。
本物の医療関係者だからこそ書ける発想とシナリオと、それを表現する文章力。
面白かったです。

 

男性の声
男性の声
『時限感染』へ微妙な評価

バイオテロものなので、パンデミック的な表現が出てくるかと思いきや、一切無しだったので物足りなさはありました。
動機の部分がどうなんだろう?って気になってしまいましたね。

 

『時限感染』を読んだおじさんの感想

 

おじさんの声
おじさんの声
『時限感染』を読んだ感想

 

「がん消滅の罠 完全寛解の謎」の著者:岩木一麻の2作目『時限感染』、
このミス!大賞関連文庫化という事で読み進めた作品です。

 

こんな時期に「ウイルス」、
「感染」などのキーワードが入っていそうな小説を読むのはどうかと思いましたが、
想像のし易さと、安易なパニックものではなかったので、
こんな時期でも楽しめた作品、むしろ、こんな時期だからこそ楽しめた感のある小説でしたね。

 

若干ですけど、分かり難いお話もあります。
ウイルスの構造的なお話などの専門的な説明部分は、
理系ではない私にとってチンプンカンプンでした。完全な理解はできませんでしたね。
それでも、全体的なストーリーの核はもっと違う所にありますから、ちょっと我慢すれば、
あまり気になりません。読み飛ばして、とは言いませんよ。

 

専門的な説明は難しいし、理解ができない部分もあるとは思いますが、
物語としてしっかりと着地させる「ウイルス系サスペンス」、
面白いとか楽しいとか書いてしまうと不謹慎かも、
ですけど、
私は最後までしっかりと楽しめたし、面白かった作品として紹介させて頂きました。

 

岩木一麻の『時限感染』、今だからこそ読み進めて欲しいと思える作品です。

 

 

著者:岩木一麻について

 

岩木一麻(1976年〜)は、
埼玉県出身の小説家です。神戸大学大学院自然科学研究科分子集合科学専攻修了。
国立がん研究センター、放射線医学総合研究所で研究に従事。
現在、医療系出版社に勤務しているそうです。

2016年、「がん消滅の罠 完全寛解の謎」で第15回このミステリーがすごい!大賞大賞受賞

回(年) 受賞・最終候補 著者
第15回
(2016年)
大賞 がん消滅の罠 完全寛解の謎 岩木一麻
優秀賞 京の縁結び 緑見屋の娘 三好晶子
県警外事課 クルス機関 柏木伸介
隠し玉 スマホを落としただけなのに 志駕晃
愚者のスプーンは曲がる 桐山徹也
小さいそれがいるところ
根室本線・狩勝(かりかち)の事件録
綾見洋介
超隠し球 ホテル・カリフォルニアの殺人 村上暢
陽気な死体は、ぼくの知らない空を見ていた 田中静人
僕が殺された未来 春畑行成
最終候補 砂漠の薔薇 薗田幸朗
変死区域 田内杏典

この「がん消滅の罠 完全寛解の謎」と今作、
時限感染』の2作のみを発表している作家さんです。

ちなみに、
「がん消滅の罠 完全寛解の謎」は2018年4月2日にTBSでドラマ特別企画として放送されています。

原作 岩木一麻「がん消滅の罠 完全寛解の謎」
脚本 吉本昌弘、船橋勧
出演(役名) 唐沢寿明(夏目典明)
渡部篤郎(羽島悠馬)
及川光博(森川雄一)
麻生久美子(夏目紗季)
渡辺麻友(水島瑠璃子)
吉田鋼太郎(榊原一成)
りょう(宇垣玲奈)
北大路欣也(西條征士郎)

残念ながら私は視聴した事がないので、何とも言えませんけど、
キャストの面子が凄いのは分かります。言えるのはそれぐらいです・・・。

今のコロナ状態では難しいかもしれませんが、
そのうち『時限感染』もドラマになっても驚きません。
2時間ドラマ、映画としてもいけそうなストーリーになっていますからね。

岩木一麻の「がん消滅の罠 完全寛解の謎」、そして『時限感染』、
2作とも楽しませて頂いたので、次回作、期待して待っています。

 

 

最後に

 

「ウイルス」、「感染」など、今だと構えてしまう言葉が多数出てくる「ウイルス系サスペンス」、
岩木一麻の『時限感染』を紹介させて頂きました。

これが去年の今頃なら、なんの躊躇もなく紹介できた小説ですけど、
今だと少し考えてしまいますね。
面白いからオススメですよ、と軽々しく書くのもどうかと・・・。

ただ、あくまでも想像しやすいだけで、本当に起こったお話ではないですからね。
リアルを感じられますが、事実ではありませんので。
架空の物語として楽しめますよ、そんな感じです。
読後感もイヤじゃないですし。

まだまだコロナ対策は終わりませんから、
充分に気をつけながらちょっとずつ日常を取り戻して、いい暇潰しになる読書をしていきたいものです。

ではまた。

 

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