【ネタバレ】映画「セブン」、犯人ジョン・ドゥの「七つの大罪」

2021年12月12日

監督はデヴィッド・フィンチャー

主演:ブラッド・ピットモーガン・フリーマン

後味の悪い映画」として名高いサイコ・サスペンス

セブン

日本で公開されたのは1996年1月27日です。

当時、私は映画館で観たわけではありません。
レンタルビデオとして借りて観たのが「セブン」初体験。
まだVHSの時代です。

その「セブン」初体験から、
私の中では「最高の映画」となって君臨し続けている作品。

・なぜそんな評価になってしまったのか

・なぜ「セブン」という最高に「後味の悪い映画」を好きになってしまったのか

・その大きな理由の1つは、

✔︎ 犯人のジョン・ドゥ

この先、
完全な【ネタバレ】になりますので、
まだ「セブン」を観ていない方、絶対に読み進めないでください。

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【ネタバレ】映画「セブン」、犯人ジョン・ドゥ

映画「セブン」で、
個人的に最もショッキングだったシーンがこちら。

犯人のジョン・ドゥが視聴者の前(刑事の前)に初めて姿を現したシーンです。
(顔と容姿がハッキリと視認できたのは、この時が初)

 

✔︎ 映画「セブン」、ジョン・ドゥ登場シーン

Se7en (3/5) Movie CLIP-John Doe Surrenders(1995)HD

「刑事さん・・刑事さん・・さ〜〜ん!!、出てきたよ」

「出てきたよ」の部分は、
ユアルッキングフォーミーと言っているので、見てくれよ、か、
探し物だよ、か、
どちらにしてもショッキングなシーンです。

なぜこのシーンが1番ショッキングだったのか、

答えは簡単で、犯人が自首してきたからです。

 

犯人が自首、ラストへの布石

だいたいですね、
犯人が捕まる、もしくは死ぬ、そのどちらかで物語は終わるはずです。

刑事モノ、事件モノの物語が終わる時

・事件を起こした犯人逮捕⇨⇨事件解決、もう何も起こらないはず・・・

・事件を起こした犯人死亡⇨⇨事件解決、もう何も起こらないはず・・・

✔︎ 映画「セブン」でこの考えは通用しません

当時私は、この登場シーンに衝撃を受けまして、

「犯人が出てきちゃったよ・・逮捕・・なんで・・。」

犯人が逮捕されてしまうんです。
刑事達が必死に追いかけていたジョン・ドゥ自ら出頭自首

私は打ちのめされていました。

今でこそ、
犯人が自首した後、物語が続くなんてのは慣れましたけど、
この頃はそれがショックでショックで。
しかもあんな血まみれ、そしてあの風貌
ケヴィン・スペイシーで良かったと、不思議な感覚を覚える衝撃のシーン

・映画「セブン」は、ここからさらに物語が加速

・ジョン・ドゥが自首してきた理由
「あと2人分、死体を隠している
その死体をミルズとサマセットに発見させるため・・・
全てを見せつけて「七つの大罪」を完成させるという目的があっての自首

そして、

✔︎ 後世に語り継がれる「後味の悪い映画」の代名詞のような、衝撃のラストに向かうだけ

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ジョン・ドゥの人物像

ジョン・ドゥの人物像

・足が悪い

・指先の皮を削いで、指紋を消している

・借金も仕事の経歴もナシ

・銀行口座は5年間、現金の出し入れだけ

・十分な金を持ち、教育、教養もある

・名前はジョン・ドゥ偽名

・ある意味、過去が無い男

それ以外の情報は一切ナシです。

ただただ不気味で、ただただ物静かな男
謎だらけのくせに、淡々とした生活感のみが数字として表されている、
それがジョン・ドゥです。

 

ジョン・ドゥの意味


・英語で「名無しの権兵衛」に相当するジョン・ドゥ(John Doe)
・Doe自体に架空の姓の意味がある
・ジョンは、ありふれた男性の名前であり、女性が対象になる場合は同様の理由でジェーンが用いられ、
ジェーン・ドゥ(Jane Doe)となる
・身元不明の死体に「ジョン(ジェーン)・ドゥ」が用いられることもある

・映画「セブン」の中でいうと、「一体彼は何者なのか全く分かっていないという事に・・

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犯人ジョン・ドゥの「七つの大罪」

地獄より光に至る道は長く険しい

ミルトンの「失楽園」、
肥満男の家、冷蔵庫の裏から見つかったメモに記されていた言葉です。

これが始まり。

ジョン・ドゥの「七つの大罪

七つの大罪 ジョン・ドゥの行い(発見順)
大食 12時間以上も食わせ続ける:肥満男
強欲 「1ポンドきっかりの肉を」と選択させる:悪徳弁護士
怠惰 多種多様の薬品を投与されながらベッドの上で1年:ビクター
肉欲 おぞましい器具をつけて性交渉させる:娼婦
高慢 醜い顔で生きるか、それとも死か、選択させる:モデル
ねたみ
憤怒

ミルズ(ブラッド・ピット)と、
サマセット(モーガン・フリーマン)が最初に見つけた「七つの大罪」は、
肥満男(1 大食)です。

その後、
悪徳弁護士(2 強欲)、さらに、
1年間ベッドの上で生かされ続けていたビクター(3 怠惰:本名アーロン)を発見。

そしてここで、ジョン・ドゥは計画を変更する事に。

サマセットの機転、FBIの協力、
図書館の力を借りてジョン・ドゥの住処を突き止めてしまいます。

ジョン・ドゥからの電話

「感心したぞ。私のことをよく見つけたな。君たち警察には頭が下がる。
今日の一件で今後の予定を変えることになった。
ひと言褒めたくてな。ケガをさせて悪かった。だが仕方がなかった。
もっと話したいが楽しみは先にとっておく。」

ジョン・ドゥ

電話で褒めた後、

(4 肉欲)の娼婦の殺害に加担。
七つの大罪」を推し進めるジョン・ドゥ

そして、
ジョン・ドゥは新たに2つの事件を起こして自首してきます。
1つは「高慢」、もう1つは・・・。
(「高慢」の事件発見後、ミルズ刑事達の前に

 

映画「セブン」のラスト、個人的な解釈

後味の悪い映画」として名高い「セブン」、
そのラストがまさに極め付けの後味
救いようのない結末、そこへ向かう途中、ジョン・ドゥ車内で発した言葉です。

ジョン・ドゥの車内での言葉

私が誰かなんて意味はない

「特別じゃない。私は人と同じだ。だが、私のしてることは特別だ

「この全てが終われば、その結末は、人には理解しにくいが認めざるを得なくなる」

「早くミルズ刑事に見せたいよ。素晴らしい結末だ

「私は選ばれた者なのだ」

「仕事を楽しむのは当然だ。私自身も喜んで、罪人に罪を償わせた

「問題は、もっと普通にある人々の罪だ。我々はそれを許している。
それが日常で、些細なことだから。朝から晩まで許してる。
だが、もう許されぬ。
私が見せしめをした。
私のしたことを人々は考え、それを学び、そして従う。
永遠にな」

「ミルズ刑事、感謝しろ。この後、人々の記憶に残る

ジョン・ドゥ

このたくさんの言葉と、
あのラストで、ミルズに放ったジョン・ドゥの言葉をそのまま受け取ると、
こんな解釈になります。

七つの大罪 ジョン・ドウの行い(発見順)
大食 12時間以上も食わせ続ける:肥満男
強欲 「1ポンドきっかりの肉を」と選択させる:悪徳弁護士
怠惰 多種多様の薬品を投与されながらベッドの上で1年:ビクター
肉欲 おぞましい器具をつけて性交渉させる:娼婦
高慢 醜い顔で生きるか、それとも死か、選択させる:モデル
ねたみ 平凡な暮らしをねたんだ私も罪人ジョン・ドウ
憤怒 復讐、怒りの罪ミルズ

この解釈でいくと、

残念ながらミルズの奥さんは「憤怒」の罪、その引き金に過ぎません。
ミルズを「憤怒」の罪、その「罪人」にする為の引き金です。
ねたみ」の罪を犯した自分への復讐を実行させるためだけに、
奥さんは命を奪われたことになります。お腹の子と一緒に

ねたみ」の罪というのは、
平凡な暮らしをねたんだのが罪であって、奥さんを殺したことではありません。
抵抗されたから殺したと、ジョン・ドゥは語っています。

そしてもう1つ。

ジョン・ドゥが車内で言っていた言葉、

罪人に罪を償わせた

彼の目的は殺害ではなく、償わせることです。

「七つの大罪」で、結果として命を落とした4人と1人

・肥満男、悪徳弁護士、娼婦、モデル、そしてジョン・ドゥ

・ちなみに、肥満男は食わせ続けただけ、悪徳弁護士とモデルは選択させただけ
娼婦を殺したのは客の男です。

✔︎ 全ては「罪人に罪を償わせる」目的で行われた行為。
ミルズの奥さんは、「憤怒」の罪をミルズに背負わせる為の犠牲になった、だけです・・・。

七つの大罪」で生き延びた1人は廃人、もう1人は・・・この先の人生、救いはありません
(病院でまだ生きているビクター、そしてミルズ刑事

憤怒」の罪を犯し、償いとしてこの先の人生を生きるミルズ刑事
ねたみ」の罪を犯し、償いとして死に、
そして、全てに勝ったジョン・ドゥ
その全てを見届けてしまったサマセット刑事・・・。

見届けてしまったサマセットの言葉

「ヘミングウェイが書いてた。
『この世はすばらしい、戦う価値がある』
後の部分は賛成だ

サマセット刑事

映画「セブン」はこの言葉がラスト、
画面はブラックアウトして、その後、まず目に飛び込んでくるのは、

 

KEVIN SPACEY AS JOHE DOE

 

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最後に

長々と、気持ちの悪い事をすいませんでした。

映画「セブン」を既に観ている方のみ、
読み進めてしまっていると思い込んでいますので、
結末まで書かせて頂きました。

セブン」への解釈、
ジョン・ドゥへの解釈はこれが正解という訳ではありません。
色々な解釈、各々の解釈があって普通です。
好きなように、好きな解釈をして頂ければなと。
あくまでも個人的な解釈ですのでね。

最後に、

映画「セブン」の犯人、
おぞましいジョン・ドゥについての記事を、なぜ書いたのかというと、

この記事が「オススメ映画」のカテゴリーで100記事目なんです。

だから、1番好きな「映画」の記事にしよう、記念に、そんな感じです。

オススメ映画」のカテゴリー1記事目が映画「セブン」、

オススメ映画」のカテゴリー100記事目ジョン・ドゥ

スタートが「セブン」で、100記事目ジョン・ドゥ

どちらにも賛成はしません

ではまた。

 

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