登場するのは「悪いヤツばかり」、鳴海章の「悪玉」を紹介します
鳴海章の「小説」を紹介するのは2回目です。
バイオレンス、サスペンス、裏切りと暗躍、
「悪玉」というタイトル通り、
登場してくる人物のほぼ全てが悪いヤツばかりです。
熱海市を舞台に繰り広げられる、
悪いヤツばかりの宴の数々、
ラストに待っているのもイヤ〜な結末です。
「悪いヤツばかり」の「悪玉」
「悪玉 熱海警官殺し」 鳴海章
ネタバレをせずに、紹介します。
物語の冒頭は、
告別式から始まります。この告別式に出席しているある刑事、
彼が歩んできた49日間が、この物語の全てです。
・國貞智宏(くにさだともひろ)
静岡県警本部刑事部捜査4課の組織暴力特別捜査班、通称粗暴犯のエースとして有名な國貞。
若いオーナーが経営している老人介護施設を調べる為に、熱海警察へやってきた國貞は、
相方と一緒にその老人介護施設を調べていく事になります。
・住田航(すみたわたる)
熱海警察署刑事課の組織暴力担当の刑事です。
30歳とまだ若く、経験値もまだまだですけど、國貞と組む事になった住田。
國貞に振り回されながらも、一緒に老人介護施設を捜査していく事になります。
その老人介護施設では、
闇カジノが行われているという噂もあって、
國貞の情報を基に探り始める住田。
國貞の情報量と、謎多き行動によって、
住田は捜査を進めながら、どんどん底知れない闇の中へ・・・。
カジノに絡んでいる悪いヤツら。
暴力団、半グレ、政治家を筆頭とした様々な権力者たちの暗躍。
得体の知れない國貞に翻弄されながらも、
カジノに絡んでいる悪いヤツらの顔がハッキリと住田の前へ。
國貞がなぜ熱海に?彼の目的は?國貞こそが悪?
捜査がどんどん進んで、あのイヤ〜なラストに繋がって、
物語の冒頭、告別式の真相へ・・・。
鳴海章の刑事モノ「小説」、バイオレンスあり、サスペンスありの、
「悪玉 熱海警官殺し」
悪いヤツらが多すぎる!と、悲しくなる物語です。
「悪玉 熱海警官殺し」を読んだ方達のレビューを、紹介します
・「悪玉 熱海警官殺し」を読んだAさんのレビュー
読んだ事があったのに気付かず、再読です・・・。
グロい場面が苦手な方は注意が必要です。
最終章は何度読んでも味わい深いですね。
・「悪玉 熱海警官殺し」を読んだBさんのレビュー
國貞巡査部長がなぜ殺されたのか?
熱海市を舞台にヤクザ、半グレ、中国マフィア、警察が入り乱れ誰が味方で誰が敵か、
いつ裏切ったなど、後半は怒涛の展開になり、何が何だか・・・。
カジノは要りません!
・「悪玉 熱海警官殺し」を読んだCさんのレビュー
コレステロールの話ではありませんが、
刑事モノで熱海が舞台、ギャンブルとヤクザが絡み、何故か老人ホームでご開帳されます。
話が少し込み入りますけど、展開は良く考えられていて、面白いです。
國貞シリーズにしても面白いと思いましたが、
そこは読んでからのお楽しみです。
・「悪玉 熱海警官殺し」を読んだおじさん
鳴海章の「悪玉 熱海警官殺し」、
刑事モノのバイオレンス、サスペンスが描かれている「小説」です。
結構エグいシーンもありますから、気を付けながら読み進めて欲しいのですが、
ちょっとだけ読み難い点がありますので、書かせて頂くと、
この「悪玉 熱海警官殺し」は、
場面展開が急なんですよね。
場面がサッと変わる事がしばしばあります。
淡々と読み進めていると、あれ?、何の場面?、なんて事が起こり得ます。
前置きがあまりなく、急に場面が切り替わる、これをあまり良く思っていない読者もいますので、
ゆっくりと物語を楽しむ事をおすすめします。
サラサラと読みやすい「小説」ではありません。
ただですね、
悪いヤツらの描かれ方は、本当に悪いヤツだなと思わせますので、
人間の汚い部分はよく理解出来るようになりますよ。
頭のいい悪いヤツ、金にしか興味のない悪いヤツ、細胞レベルで悪いヤツ、
多種多様な悪いヤツらがこれでもかと登場する「小説」、
鳴海章の「悪玉 熱海警官殺し」
読みやすいとは言い難いですけど、濃厚なストーリーが描かれているのは間違いありませんので、
是非、触れてみてください。
鳴海章について
鳴海章(1958年7月9日〜)は、
北海道帯広市出身の小説家です。
主な作品は、
発売年 | 出版元 | タイトル |
1991年 | 講談社 | ナイト・ダンサー |
1992年 | ネオ・ゼロ | |
1993年 | 集英社 | スーパー・ゼロ |
1995年 | 集英社文庫 | 五十年目の零戦 |
1998年 | 角川書店 | 真夜中のダリア |
1999年 | 講談社 | 風花 |
2005年 | えれじい | |
2017年 | 光文社文庫 | 旭日の代紋 |
角川ebook | 悪玉 熱海警官殺し | |
2018年 | 光文社文庫 | 血に慄えて瞑れ |
1991年、
「ナイト・ダンサー」で第37回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。
シリーズものとして、
「国連航空軍」シリーズ、「スナイパー」シリーズ、「原子力空母信濃」シリーズ、
「ゼロ」シリーズなどがあります。
航空サスペンス・エンタメ小説の熱心な書き手として知られている作家さんです。
鳴海章の作品をそこまで多くは読んでおりませんが、
「血に慄えて瞑れ」は大好きな作品です。
ハードな警察モノのバイオレンス・サスペンスで、
映画を観ているような感覚で読み進められた「小説」でした。
「悪玉 熱海警官殺し」も、
バイオレンス・サスペンスを楽しめる「小説」ですけど、
読みづらい部分が少しだけ・・・、間違いなく楽しめるんですけどね。
今後、
鳴海章のハードな警察モノ「小説」、期待しております。
最後に
鳴海章のバイオレンス・サスペンス「小説」、
「悪玉 熱海警官殺し」を紹介させて頂きました。
場面展開に少しついて行きずらい面はありますけど、
ストーリー自体はよく出来た作品ですので、
1度、鳴海章の「小説」に触れてみてください。
國貞という正義なのか悪なのか、
よく分からない刑事を、読み進めながらご自分で判断してしまってください。
ちなみに、
私の判断では、完璧な悪、でしたけどね。
ではまた。
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