『ドクター・スリープ』の感想、「シャイニング」の続編とは言い難い・・
巨匠スタンリー・キューブリック監督、原作スティーヴン・キング、
「シャイニング」(1980年)
今なお語り継がれるホラー映画の傑作です。
コロラド州のロッキー山上にあるオーバールック・ホテル、
小説家志望のジャック・トランスとその妻ウェンディ、一人息子のダニー、
彼ら3人が体験したホテルでの狂気は、
40年の時を経て復活。
「シャイニング」の続編『ドクター・スリープ』
再びダニー(ユアン・マクレガー)はホテルへ・・・。
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『ドクター・スリープ』あらすじ
『ドクター・スリープ』
映画『ドクター・スリープ』US版メイン予告[HD]
監督・脚本 | マイク・フラナガン |
原作・著者 | スティーヴン・キング |
出演(役名) | ユアン・マクレガー(ダニー・トランス) |
レベッカ・ファーガソン(ローズ・ザ・ハット) | |
クリフ・カーティス(ビリー・フリーマン) | |
カール・ランブリー(ディック・ハロラン) | |
ロジャー・デール・フロイド(幼少期のダニー) | |
カイリー・カラン(アブラ・ストーン) | |
アメリカ公開 | 2019年11月8日 |
日本公開 | 2019年11月29日 |
『ドクター・スリープ』あらすじ
1980年、
母ウェンディとダニーはオーバールックホテルでの事件後、
フロリダで暮らしていた。
しかし、ホテルの狂気は常にダニーに付きまとっており、
自宅の浴室で腐敗した女性の亡霊と遭遇。
ダニーの特殊能力(シャイニング)は消えることなく、彼と共にあった。一方では、
特殊能力(シャイニング)を持った子供達を殺害、その「生気」を貪り食うことで生活している集団、ローズ・ザ・ハット率いる「トゥルー・ノット」の存在が明らかに。2011年、
ダン(ダニー)は自身の特殊能力(シャイニング)を抑圧するために酒に溺れ、
アルコール中毒を患っていた。
そんな荒んだ生活を改善しようと、ニューハンプシャーに移住し、
アパートを借りて、アルコール中毒支援団体に入会する。
徐々に社会復帰をしていくダン、
それでも彼の特殊能力(シャイニング)は消えることなく、
ある日、ダンよりも非常に強力な能力者の少女アブラからテレパシーで連絡を受けるようになる。2019年、
特殊能力(シャイニング)を持った子供達を狙う「トゥルー・ノット」が、
アブラの存在に気付き、彼女に狙いを定めてしまう。
その企みを知ったダンは、アブラを助けようと動き出す。そして、
ダンとアブラは、ローズ・ザ・ハットとの最終決戦をするために、
あの狂気が渦巻く場所、
オーバールックホテルへ向かう・・・。
〜『ドクター・スリープ』〜
・ダニー(ダン)・トランス(ユアン・マクレガー)
40年前、
オーバールックホテルで精神を病み、家族を殺そうとしたお父さん(ジャック・トランス)から、
見事な機転でお母さん(ウェンディ・トランス)と共に助かった少年。
「シャイニング(特別な力)」という不思議な能力を持っていた少年は、そのまま大人に。
・大人になってからもダニーに付きまとうシャイニング。
・ダニーよりも強力なシャイニングの持ち主である少女アブラとの出会い。
・そして、その子供達のシャイニングを食い物にしている団体。
前作「シャイニング」とは色合いの全く違う続編『ドクター・スリープ』。
予告動画から読み取れる情報そのままに、
特殊能力(シャイニング)を巡るバトル映画になっています。
多少気持ちの悪いシーンはありましたけど、
ホラーが苦手な私にとっては、前作よりも怖くなくて、単純に楽しめた映画でした。
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『ドクター・スリープ』を観た方達の感想
続編だから当たり前だけど、後半シャイニング要素てんこ盛りでテンションが上がりました。
突然能力者同士のバトルが始まったり、ホラー感が薄かったりとちょっと困惑しましたけど、なんだかんだ面白かったです。
キューブリックが撮ったわけじゃないっていう事は理解しつつも、なんとなくキューブリック感が感じられていいな〜と思いました。
続編となっているものの、なんでこれを続編としているのか・・・?というガッカリな仕上がりでした。
SFチックな作品が好きな人は別物として楽しめるかも・・・。
逆に、私はSFがあまり好きじゃないので、長くてツマラナイ作品でした。
面白かった!でも、シャイニングとは別の映画って感じですかね?あの独特の怖さがなかったので。
今風になって帰ってきた感じです。
こういう所でお父さんにディープフェイク使って欲しかったな〜って思いつつ、誰かと思ったらE.Tの主人公と知ってビックリしました。
前作「シャイニング」の雰囲気をぶち壊しています・・・。レビュー評価が結構高いから、期待して視聴しましたけど、
全然面白くなかったですね。
おじさんの感想
(「シャイニング」の続編としてはキツイ、ダニーのその後ならあり)
ジャック・ニコルソンが見せる狂気の笑顔「シャイニング」の続編、
『ドクター・スリープ』
前作との繋がりはあるものの、続編というには程遠い映画でした。
単純に言ってしまえば、
「シャイニング」という作品の続編ではなく、
ダニーという登場人物のその後、そんな感じですね。
内容は予告動画そのままで、
特殊能力(シャイニング)を持った人間たちのバトルを描いた作品です。
前作で味わった精神的な怖さの類は一切ありません。
犠牲になる子供達がかわいそうだな、ぐらいで。
でも、個人的には、前作よりも遥かに観やすかった作品。
前作「シャイニング」のファンではないので、これはこれで楽しめました。
ホテルに戻るという設定も、悪を悪で制す的な発想はアリかなと。
ただですね、1つだけ笑ってしまったことがありまして・・・。
ちょっとネタバレになってしまいますが、
お父さんのジャックが登場するんですけど、その俳優さんが似てないんですよ。
似せようとしているのは分かるんです。
それでも全然似ていなくて、そこだけプッとなってしまいました。
いい場面のはずが・・・少し興醒めしましたね。
多少、??となる場面がある『ドクター・スリープ』、
なんだかんだで、私は能力者バトル映画として楽しませて頂きました。
「シャイニング」の続編という事は脇に置いておいて。
前作「シャイニング」のファンにはオススメできない、けど、
なんとなく楽しむSFものとしては良い感じではないかと。善と悪の対比が非常に分かりやすいですしね。
ユアン・マクレガー主演『ドクター・スリープ』、
今現在、Netflixで視聴可能となっています。
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ダニー役:ユアン・マクレガーについて
ユアン・ゴードン・マクレガー(1971年3月31日〜)は、
スコットランド出身の俳優です。
主な映画出演作は、
公開年 | タイトル | 役名 |
1996年 | トレインスポッティング | マーク・レントン |
1997年 | 普通じゃない | ロバート・ルイス |
1998年 | ベルベット・ゴールドマイン | カート・ワイルド |
1999年 | スター・ウォーズ/ファントム・メナス | オビ=ワン・ケノービ |
2001年 | ムーラン・ルージュ | クリスチャン |
2002年 | スター・ウォーズEP2/クローンの攻撃 | オビ=ワン・ケノービ |
2005年 | スター・ウォーズEP3/シスの復讐 | |
2009年 | 天使と悪魔 | パトリック・マッケンナ |
2010年 | ゴーストライター | ゴーストライター |
2015年 | スター・ウォーズ/フォースの覚醒 | オビ=ワン・ケノービ(声の出演) |
2017年 | T2 トレインスポッティング | マーク・レントン |
2019年 | ドクター・スリープ | ダニー・トランス |
ユアン・マクレガーといえばマーク・レントン、
1996年の「トレインスポッティング」で大ブレイクした俳優です。
ユアン・マクレガーの最大のハマり役がレントンだとずっと思い込んでいましたが、
まさかオビ=ワンを演じるようになって、
「シャイニング」で、
可愛い子供だったダニーの40年後を演じるようになるとは・・・。
私もおじさんになるはずです。
スキンヘッドのジャンキーだった青年が、
ライトセーバー片手にダース・モールと戦うジェダイの騎士になり、
今度は再び「シャイニング」の舞台であるあのホテルへ。
ユアン・マクレガー主演『ドクター・スリープ』は、今現在、
Netflixで視聴可能となっています。
前作「シャイニング」(1980年)
「シャイニング」
THE SHINING - Trailer
監督・脚本・製作 | スタンリー・キューブリック※ |
出演(役名) | ジャック・ニコルソン(ジャック・トランス) |
シェリー・デュヴァル(ウェンディ・トランス) | |
ダニー・ロイド(ダニー・トランス) | |
スキャットマン・クローザース(ディック・ハロラン) | |
バリー・ネルソン(スチュアート・アルマン) | |
アメリカ公開 | 1980年5月23日 |
日本公開 | 1980年12月13日 |
※スティーヴン・キング原作の同名小説を、スタンリー・キューブリックが映画化した作品です。
ただ、キューブリックは原作を大幅に変更していて、ほとんど原作色は無くなっています。
全く別の作品と言っていいぐらい。
スティーヴン・キングはこの映画版「シャイニング」に批判的です。
とは言えですね、この映画は言わずと知れた、
ジャック・ニコルソンの代表作の1つであり、
ジャック・ニコルソンの凄まじい怪演で、忘れる事の出来ないホラー映画の傑作、
1980年の「シャイニング」です。
内容はご存知だと思います。
雪に覆われたホテル、そのホテルにやってきた家族、
ホテルの異質な力によって徐々に精神を病んだお父さん、斧を持って家族に襲いかかるお父さん、
逃げるお母さんと息子、
ひたすらにお父さんが怖い映画でした。
お父さんが怖いというか、ジャック・ニコルソンが怖すぎるというか。
あんな笑顔で話しかけないで欲しい・・・、有名なシーンですね。
狂気の笑顔でお馴染みお父さん、
「シャイニング」は、
今現在、Netflixで視聴可能となっています
という事で、
ジャック・トランス役のジャック・ニコルソンについて書かせて頂きます。
ジャック役:ジャック・ニコルソンについて
ジャック・ニコルソン(1937年4月22日〜)は、
アメリカの俳優、プロデューサー、映画監督です。
主な映画出演作は、
公開年 | タイトル | 役名 |
1969年 | イージー・ライダー | ジョージ・ハンソン |
1970年 | ファイブ・イージー・ピーセス | ロバート・ボビー |
1973年 | さらば冬のかもめ | ビリー・バダスキー |
1974年 | チャイナタウン | ジェイク・ギテス |
1975年 | カッコーの巣の上で | ランドル・パトリック・マクマーフィー |
1980年 | シャイニング | ジャック・トランス |
1981年 | レッズ | ユージン・オニール |
1983年 | 愛と追憶に日々 | ギャレット・ブリードラヴ |
1985年 | 女と男の名誉 | チャーリー |
1987年 | 黄昏に燃えて | フランシス・フェラン |
1989年 | バットマン | ジャック・ネーピア/ジョーカー |
1992年 | ア・フュー・グッドメン | ネイサン・R・ジェセップ大佐 |
1996年 | マーズ・アタック! | ジェームズ・デイル大統領/アート・ランド |
1997年 | 恋愛小説家 | メルヴィン・ユドール |
2002年 | アバウト・シュミット | ウォーレン・シュミット |
2006年 | ディパーテッド | フランシス・フランク・コステロ |
経歴だけを見ていくと、もの凄いですよ。
賞レースの常連です。
計12回のアカデミー賞ノミネートを経験
・アカデミー助演男優賞
☆「愛と追憶の日々」(1983年)ギャレット・ブリードラヴ役
☆「イージー・ライダー」(1969年)ジョージ・ハンソン役
☆「レッズ」(1981年)ユージン・オニール役
☆「愛と追憶の日々」(1983年)ギャレット・ブリードラブ役
☆「ア・フュー・グッドメン」(1992年)ネイサン・R・ジェセップ大佐役
・アカデミー主演男優賞
☆「カッコーの巣の上で」(1975年)ランドル・パトリック・マクマーフィー役
☆「恋愛小説家」(1997年)メルヴィン・ユドール役
☆「ファイブ・イージー・ピーセス」(1970年)ロバート・ボビー役
☆「さらば冬のかもめ」(1973年)ビリー・バダスキー役
☆「チャイナタウン」(1974年)ジェイク・ギテス役
☆「カッコーの巣の上で」(1975年)ランドル・パトリック・マクマーフィー役
☆「女と男の名誉」(1985年)チャーリー役
☆「黄昏に燃えて」(1987年)フランシス・フェラン役
☆「恋愛小説家」(1997年)メルヴィン・ユドール役
☆「アバウト・シュミット」(2002年)ウォーレン・シュミット役
アカデミー助演男優賞1回、アカデミー主演男優賞2回、
そして、ゴールデングローブ賞も計7回受賞している、
アメリカを代表する俳優の1人です。
1989年、ティム・バートン監督作「バットマン」で見せたジョーカー役、
完全なはまり役でしたね。気品が漂うあの笑顔、今も鮮明に記憶しています。
1996年、これまたティム・バートン監督作「マーズ・アタック!」で見せた、
デイル大統領の感動スピーチと宇宙人との交渉術、
効力0だったあの笑顔も記憶に残っています。
そんな多彩な笑顔で、狂気も笑いも提供してくれる名優ジャック・ニコルソン、
1980年、「シャイニング」で見せたジャック・トランスのあの笑顔、
気品の漂う狂気の笑顔、観るものに恐怖を植え付ける絶大な効力を発揮して、
今なお、鮮明に・・・。
ジャック・ニコルソンが残した笑顔の恐怖「シャイニング」の続編、
ユアン・マクレガー主演『ドクター・スリープ』で蘇ります。
作中、少しだけジャックが登場しますので、お楽しみに。
似てませんけどね。
(前作「シャイニング」も今なら、Netflixで視聴可能となっています)
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最後に
ユアン・マクレガー主演、
「シャイニング」の続編となっている『ドクター・スリープ』を紹介させて頂きました。
ホラーが苦手な私でも単純に楽しめた作品です。
前作「シャイニング」のファンからすると、
かなり肩透かしを食らった感じになったでしょうけど、ツマラナイという事ではないので、
機会がありましたら、動画サイト等で視聴してみてください。
2時間30分ほどある長い映画。
ホラー映画、サイコ・サスペンスの続編とは思わずに、
特殊能力者バトル系SF映画として楽しんでください。
ではまた。
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