”胸糞映画”『冷たい熱帯魚』を観た後、急に気付いた「セブン」の凄さ

2022年2月7日

胸糞映画”、”後味の悪い映画”などと検索をすると、

必ずヒットする日本映画、

園子温監督作冷たい熱帯魚

いつか観ようと思いつつ、先延ばしにしていましたが、
先日、ようやく初視聴しました。

冷たい熱帯魚

✔︎ 日本で超有名な”胸糞映画”の代表格

✔︎ 物語のベースは実際に起きた事件

✔︎ グロさが半端ない冷たい熱帯魚を視聴後、急に気付いた「セブン」の凄さ

物語の内容や、
視覚から飛び込んでくるグロによって、超が付くインパクトを残す”胸糞映画”、
冷たい熱帯魚

その視聴後に、
急にセブン」の凄さを再確認してしまいましたので、
ちょっと紹介させていただきます。

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”胸糞映画”『冷たい熱帯魚』あらすじと感想

冷たい熱帯魚

『冷たい熱帯魚』英語字幕付きトレイラー

監督
園子温

脚本
園子温、高橋ヨシキ

キャスト(役名
でんでん
村田幸雄/大型熱帯魚店「アマゾンゴールド」の店長)

黒沢あすか
村田愛子/幸雄の妻)

吹越満
社本信行/熱帯魚店「社本熱帯魚店」の店長)

神楽坂恵
社本妙子/信行の再婚相手)

梶原ひかり
社本美津子/信行の長女)

渡辺哲
筒井高康/幸雄の顧問弁護士)

2011年1月29日公開

ベースになった事件

 

冷たい熱帯魚は、実際に起きた事件がベースになっている

 

✔︎ 「埼玉愛犬家連続殺人事件」
1993年、埼玉県越谷市周辺で発生した殺人事件。
マスコミ報道が先行し、被害者の映像が連日映し出された上、
完全犯罪を目論んだ残忍な結末が明らかになるなど、異常性の高い事件だった

 

参照元ーwikipedia:埼玉愛犬家連続殺人事件

史実を描いているわけではなくて、
あくまでも「実際に起きた事件をベースにした」映画『冷たい熱帯魚

ただですね、
「埼玉愛犬家連続殺人事件」のページを読んでみると、
まぁまぁ一致する部分がありまして・・・。

ボディを透明にする

これ、実話です・・・。

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映画賞

冷たい熱帯魚を視聴した後、
wikiで調べてみたら、日本の映画賞を結構な数、受賞していました。
視聴後だったから驚きましたね。

あのグロさを・・・。

『冷たい熱帯魚』の映画賞

「第35回日本アカデミー賞」
最優秀助演男優賞 受賞(でんでん)

「第36回報知映画賞」
監督賞 受賞(園子温)
最優秀男優賞 受賞(でんでん)

「第54回ブルーリボン賞」
作品賞 受賞(『冷たい熱帯魚』)

「第21回東京スポーツ映画大賞」
作品賞 受賞(『冷たい熱帯魚』)
監督賞 受賞(園子温)
助演男優賞 受賞(でんでん)

「第66回毎日映画コンクール」
男優助演賞 受賞(でんでん)

「第85回キネマ旬報ベスト・テン」
日本映画監督賞 受賞(園子温)
助演男優賞 受賞(でんでん)

「第33回ヨコハマ映画祭」
監督賞 受賞(園子温)
助演男優賞 受賞(でんでん)
助演女優賞 受賞(黒沢あすか、神楽坂恵)

「第54回三浦賞:日本映画撮影協会)
三浦賞 受賞(木村信也:撮影担当)

正直に言いますと、
ここまでグロい映画は、賞レースとは無縁だと思っていました。

有名になってはいけない映画」ではないかと。

物語の強烈なインパクトと、
俳優陣たちの強烈な演技力が、日本の映画賞に認めさせた感じを受けますね。

「この年に、この映画を無視できないでしょう」的に。

冷たい熱帯魚、本当に強烈でした。

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あらすじ

冷たい熱帯魚』あらすじ

小さな熱帯魚店を営んでいる社本信行。
死別した前妻の娘:美津子、今の若い妻:妙子、
この折り合いの悪い2人に挟まれながら、
波風を立てないよう静かに暮らしていた。

しかし、信行の日常は、

妙な男との出会いによって、
底知れない闇の中へ突き落とされてしまう・・・。

ある日、
スーパーで万引きをした美津子を引き取りに出向いたところ、
どうしても許してくれそうもないスーパーの店長をなだめ、
「今回だけは」と、
社本家族を助けてくれた妙な男。

村田幸雄
大型熱帯魚店「アマゾンゴールド」の店長

非常に気さくで、おしゃべり好きな親しみやすいおじさん、
そんな印象の村田は、
社本家族と密な交流をスタートさせる。

社本の娘:美津子を自分の店でアルバイトさせ、
社本の妻:妙子の悩みを聞き、
社本信行を、
闇深き深淵のビジネスパートナー”として、
完全に取り込んでいく。

信行が村田の本性に気付いた時、

もう、全てが終わっていた・・・。

冷たい熱帯魚

 

おすすめはしませんが・・
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冷たい熱帯魚
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おじさんの感想

おじさんの声
おじさんの声
『冷たい熱帯魚』の感想

 

(グロ度は10、人に勧められるような作品ではないので)

5

(”胸糞映画”的には満点ですけど・・・)

 

視聴する前、ジャケットのドアップ顔の印象から、
「白竜さん主演の映画」とばかり思っていたんですけど、
視聴を決めた瞬間にNetflixのページでキャスト陣を確認。
間違いだったと気付いたところから、視聴をスタート。

 

園子温監督作冷たい熱帯魚、まず思ったのは、

 

「これ、映画館で上映したの?」

 

でした。

 

大きなスクリーンであのグロさを観せ付けられた観客を思うと、
背中をさすってあげたくなるぐらいです。
「大丈夫ですよ、あくまでも映画ですから」と。

 

ただ、色々調べてしまった今は、少し言葉が変わりまして、

 

「大丈夫です、恐ろしいシーンに実話が入り込んでいる映画ですけど、
時間が解決してくれますよ」

 

そんな投げやりな言葉しか・・・。

 

本当に強烈なインパクトを残してくれた冷たい熱帯魚

 

個人的に、もう2度と観ることはありませんが、
胸糞映画”、”後味の悪い映画”と検索して常にヒットするその理由、
イヤと言うほど理解できました。

 

Netflixが普通に配信しているのもビックリ。

 

是非、小さなお子さんがいる家庭では、
お子さんが間違って再生しないよう、細心の注意を払っていただきたいですね。

 

「強烈グロ、エロ、胸糞」3大要素ギッシリですから。

 

おじさんでもキツかった・・・。
(でんでんさんの強烈さは異常ですよ)

 

でもなぜか、
ちょっとだけ感謝しているんです、冷たい熱帯魚に。

 

視覚的なグロさ満載の”胸糞映画”、
後味の悪い映画”の常連を視聴したことにより、
今になって、
大好きな映画「セブン」の凄さを、さらにもう1つ気付けたんですよ。

 

セブン
実は、視覚的グロさ、ほぼゼロなんですよね。
「〇〇シーンゼロ」と言い換えても良さげです。



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急に気付いた「セブン」の凄さ

セブン

Se7en(1995)Official Trailer

監督
デヴィッド・フィンチャー

キャスト(役名
ブラッド・ピット
デビッド・ミルズ刑事/着任してきた新人刑事)

モーガン・フリーマン
ウィリアム・サマセット刑事/退職まで1週間となったベテラン刑事)

グウィネス・パルトロー
トレイシー・ミルズ/ミルズの妻)

R・リー・アーメイ
警部/ミルズとサマセットの上司)

〇〇〇〇〇〇
ジョン・ドゥ/「七つの大罪」を償わせる名もなき男)

日本公開1996年1月27日

園子温監督作冷たい熱帯魚と同様に、
胸糞映画”、”後味の悪い映画”と検索した時の常連、
サイコ・サスペンスの名作「セブン」。

今更説明をする必要がない映画です。

冷たい熱帯魚を視聴したことにより、
セブン」の凄さをまた確認できましたので、紹介させていただきます。

気付いている人にとっては、「別に」って感じでしょうけど。

では早速。

(ここから下、完全なネタバレになりますので、ご注意ください)

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「〇〇シーン」ほぼゼロのサイコ・サスペンス

犯人”ジョン・ドゥ”役のケヴィン・スペイシー
彼の怪演が強烈に輝いている「セブン」。

ほぼゼロ

 

殺害シーン」(「殺戮シーン」と言っても)が、
ほぼ、視覚的に描かれておりません

死体となった犠牲者は視覚的に確認できますけど(もちろん、そこはグロい)、
「何をされたのか?」
この部分は、言葉状況証拠だけで視聴者に想像させているんですね。

物語の順番通りに書かせていただくと、

発見その1:「大食

✔︎ 強烈に太った死体が、スパゲッティーに顔を埋めたまま発見される
(視覚的に確認できる)

✔︎ 殺害方法:状況証拠と犯人からのメーセージのみ
殺害シーンなし

発見その2:「強欲

✔︎ 悪どく稼いでいた弁護士の死体が発見される
(視覚的に確認できる:写真)

✔︎ 殺害方法:状況証拠と犯人からのメッセージのみ
殺害シーンなし

発見その3:「怠惰

✔︎ 1年間、ありとあらゆる薬を投与され、生かされ続けた男が発見される
(視覚的に確認できる)

✔︎ 殺害方法:状況証拠と犯人からのメッセージのみ
(厳密に言えば死亡していない、発見というシーンのみ)

ここで、
ミルズとサマセットが”ジョン・ドゥ”の家を発見、
ジョン・ドゥ”は計画を変更することに。

発見その4:「肉欲

✔︎ 娼婦の死体と、実行した男が発見される
(視覚的に確認できる)

✔︎ 殺害方法:実行させられた男の証言、状況証拠と犯人からのメッセージのみ
殺害シーンなし

発見その5:「高慢

✔︎ 女性モデルの死体が発見される
(視覚的に確認できる)

✔︎ 殺害方法:状況証拠と犯人からのメッセージのみ
殺害シーンなし

ここでまた波乱が。

ジョン・ドゥ”が自首・・・。

(ラストシーンに繋がります。ネタバレですので、ご注意を)

発見その6:「嫉妬(ねたみ)」

✔︎ 平凡な家庭をねたんだ”ジョン・ドゥ”自身が罪人だと、ミルズに気付かせる
(視覚的に確認できる)

✔︎ ミルズによって・・・
(ここで初めて、セブン唯一の殺害シーンが描かれる)

発見その7:「怒り(リベンジ)」

✔︎ ”ジョン・ドゥ”への報復、
「怒り」の罪を背負ったミルズ、彼のこの先の人生、救いは・・・
(視覚的に確認できる)

✔︎ 全てを失ったミルズ
(・・・・・・・)

映画「セブン」の中で、最も有名なのが、
「嫉妬」と「怒り」のラストシーンです。

そのラストシーンへ至るまで、
セブン」では「殺害シーン」というものが、ほとんど視覚的に確認できません。
状況証拠言葉の数々
犯人からのメッセージのみを並べて、視聴者に想像させるんですね。

なかなか無いと思うんですよ、
サイコ・サスペンスのカテゴリー、
胸糞映画”、”後味の悪い映画”のカテゴリーで、
目に観えるシーンとして描かれている殺人が、全編通して1つだけという作品。

死体のグロさはあるにしろ、
視覚的なグロさに一切頼っていない名作「セブン」、
今になってそう気付かせてくれたのが冷たい熱帯魚です。

視聴の際はお気をつけて
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冷たい熱帯魚』「セブン」
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アイテム1つで想像させる恐怖

これはちょっと強引な解釈になってしまいますけど、
「七つの大罪」それぞれを、
1つのアイテムで想像を助長しているのではないかと。

順番通りに書いていくと、

発見その1:「大食

✔︎ アイテム:レシートが2枚
(”ジョン・ドゥ”は、2度も買い物に出かけている。時間のかかる方法をあえて実行)

✔︎ 銃を突きつけ、胃が破れるほど食わせ続けた”ジョン・ドゥ”を想像

発見その2:「強欲

✔︎ アイテム:天秤
(弁護士に肉包丁を持たせ、1ポンドきっかりの肉を切るように迫る)

✔︎ ”ジョン・ドゥ”が弁護士にじっくりと、どこの肉を切るかと迫っている姿を想像

発見その3:「怠惰

✔︎ アイテム:写真の束
(1年間という長い間、薬漬けにされたビクターの履歴)

✔︎ ”ジョン・ドゥ”が行おうとしている行為、その想いの深さを想像

ここで”ジョン・ドゥ”の家が発見される。

発見その4:「肉欲

✔︎ アイテム:禍々しい器具
(銃を突きつけ、ある男に、禍々しい器具をつけて娼婦と性交渉するように強要)

✔︎ 「七つの大罪」完遂のため、スピードを速めた”ジョン・ドゥ”

発見その5:「高慢

✔︎ アイテム:睡眠薬と電話
(女性モデルの顔を傷つけ、醜い顔で生きるか、それとも死か、と選ばせた)

✔︎ ”ジョン・ドゥ”の「七つの大罪」、ここからクライマックスへ

で、”ジョン・ドゥ”自首。

発見その6:「嫉妬(ねたみ)」

✔︎ アイテム:ダンボール箱
(”ジョン・ドゥ”が自分自身を罪人にするため、犠牲となったトレーシー)

✔︎ 完全勝利となった”ジョン・ドゥ”

発見その7:「怒り(リベンジ)」

✔︎ アイテム:サマセットの言葉
(ヘミングウェイの言葉「人生は素晴らしい、戦う価値がある」、後者にのみ賛成)

✔︎ 画面はブラックアウトして、「セブン」は終わる

ざっと思いついたアイテムを書いていくと、
こんな感じになりました。

強引な解釈で申し訳ありません。

ただ、
やはり「セブン」は完全なサイコ・サスペンスの名作。
胸糞映画”、”後味の悪い映画”の中でも一際輝く、
「殺害シーン」のほぼない、視聴者の想像力を掻き立てる強烈なパワーを擁した映画、
こう再認識させられました。

ほぼ、言葉と状況証拠だけですから。
視覚的グロさよりも、想像させられるグロさでグイグイ引っ張られる映画ですね。

 

視聴の際はお気をつけて
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最後に

 

一応、断っておきますと、

別にですね、
冷たい熱帯魚と「セブン」を比べて、
セブン」が上と言いたいわけではありません。

タイプの違う”胸糞映画
観せ方の異なった”後味の悪い映画、と思っただけです。

冷たい熱帯魚を観ていなければ、
この記事も生まれていませんし、新たな発見に気付けず、そのままだったでしょうから、
感謝しているぐらいです。

2度と観ませんけど。

・・・・・・。

セブン」を何十回と観てきたのに、
今更になって思い至った新たな魅力、そこが少し恥ずかしいです・・・。

ではまた。

 

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