佐藤青南『ストラングラー 死刑囚の推理』あらすじと感想、新シリーズへの序章

 

「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズでお馴染み佐藤青南

その佐藤青南が新たなシリーズを開始。

ストラングラー 死刑囚の推理

新シリーズの序章といった感じの小説です。

ということは、
このストラングラー 死刑囚の推理だけで終わる物語ではないんですね。
この先も続くであろうシリーズ、
その入り口です。

1冊でピシッと完結させる小説を希望ならオススメはできませんけど、
シリーズものとして永〜く物語を楽しみたい方には、
序章としてオススメしたいと思います。

『ストラングラー 死刑囚の推理』あらすじと感想

 

ストラングラー 死刑囚の推理佐藤青南

ストラングラー 死刑囚の推理』あらすじ

14年前、4件の連続殺人事件が起こった。
その被害者の1人が、事件当時大学生だった箕島朗の恋人・久保真生子。
犯人とされる男は捕まり、死刑囚となって今も生き続けている。
その死刑囚の名は明石陽一郎

警視庁捜査一課の刑事となった箕島は今日、明石に会うため東京拘置所に向かった。

最近発生している”ストラングラー”と呼ばれる犯人が犯している連続殺人、
14年前の明石が犯したとされる事件との共通点が多く、
模倣犯の可能性もあるため、
恋人を殺された感情を押し殺して、箕島は明石に尋問する。

14年前に自分の愛する人を殺され、何もかも失った箕島。
かたや、拘置所の中で14年も生き永らえている死刑囚の明石。

「・・・なんでまだ生きてる」
箕島から放たれる素直な感情。

しかし、箕島が明石に面会した理由は”ストラングラー”、
刑事の仕事としての面会。自分の感情は押し殺すしかない。

最近発生している連続殺人事件との関連、
14年前に明石が犯したとされる事件の模倣犯なのか?、
それとも、明石に共犯者がいたのか?、
”ストラングラー”と明石には関わりがあるのではないか?

そして、驚くべき言葉が明石から発せられる。

「模倣犯の可能性もあるが、こうは考えられないか?
14年前の連続殺人事件も”ストラングラー”の仕業。」

14年前の事件は冤罪だ。俺はやっていない。
あんたに俺の無実を証明する手助けをしてほしい。」

怒りで我を忘れそうになった箕島だが、
ここから明石と共に”ストラングラー”に迫る・・・。

ストラングラー 死刑囚の推理

主人公は、
14年前に恋人を殺され、その後、捜査一課の刑事となった箕島朗

そしてもう1人の主人公、
14年前に起きた連続殺人事件の犯人として捕まり、
死刑囚となった明石陽一郎

この2人を軸に物語が進んでいく新シリーズの序章です。

 

『ストラングラー』を読んだ方達の感想

男性の声
男性の声
『ストラングラー』の感想

サクサク読んでしまってちょっと後悔しました。こんなところで終わってしまうなら、シリーズが全て出た後で一気に読めば良かったな〜と。
なかなか面白いんですけど、主人公に好感が持てませんでしたね。

 

男性の声
男性の声
『ストラングラー』の感想

とても面白かったです。
恋人を殺された警察官がその犯人に向けた憎悪、他の事件解決により少しずつ溶解していくのですが、それに抗う主人公の心の葛藤がとても人間的で興味深いものでした。
1つ1つの事件がまだまだプロローグ。
真実はまるで見えてこないですけど、続編が非常に楽しみなシリーズです。

 

女性の声
女性の声
『ストラングラー』の感想

新シリーズ。まさかの死刑囚と警視庁捜査一課の刑事がタッグを組み連続殺人事件の謎に挑むお話。
まだまだ始まったばかりです。
早く続きが読みたい。

 

男性の声
男性の声
『ストラングラー』の感想

ここまで完全に何も解決していないのはすごいw
死刑囚の推理は読んでて面白かったけど、続編次第ですかね・・・。
次もストラングラーの事が何も分からないまま終わったら、ちょっと心が折れるかもしれませんw

 

 

 

 

おじさんの感想

 

おじさんの声
おじさんの声
『ストラングラー』の感想

 

「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズを読んでいたので、
佐藤青南の新作ならば楽しめると思い、
ストラングラー 死刑囚の推理を手に取りました。

 

結果的にいうと、
条件付きだけど大成功といった感じでしょうか。

 

物語として楽しめましたし、
犯罪に対するアドバイスを犯罪者に聞くという、「羊たちの沈黙」が大ヒットしたことで、その後のあらゆる作品で描かれてきた二番煎じ的な感じを受けますけど、
個人的に好きな設定ではありますから、
大成功だったなと。

 

ただ、
読み終えた時に「えっ、ここで終わり?」、
となってしまったのは事実です。軽い消化不良になりましたね。

 

文庫本の帯には「新シリーズの登場!」と書かれています。
まさか完全な序章としての物語だったとは・・・私が見落としただけですけど。

 

ですので、
これから読み進めるという方、是非、新シリーズの序章と頭に入れておいてから、
このストラングラー 死刑囚の推理を読み進めてみてください。

 

読み終えた時に感じてしまう消化不良は、
この先の物語を楽しむための「始まり」ですからね。

 

そして条件付き。

 

早くストラングラー 死刑囚の推理続編を発表してください。
続きを読ませてくれ。
そんな感じの強い思いを抱いた小説でした。

 

 

 

佐藤青南の人気シリーズ

佐藤青南(1975年1月3日〜)は、
長崎県出身の作家です。元ミュージシャン。

2010年、「ある少女にまつわる殺人の告白」で、
第9回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞し作家デビュー。

彼の代表的なシリーズもとのいえば、

宝島社文庫から発売 タイトル
2012年11月 サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻
2014年4月 ブラック・コール 行動心理捜査官・楯岡絵麻
2015年4月 インサイド・フェイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻
2016年4月 サッド・フィッシュ 行動心理捜査官・楯岡絵麻
2017年3月 ストレンジ・シチュエーション 行動心理捜査官・楯岡絵麻
2018年4月 ヴィジュアル・クリフ 行動心理捜査官・楯岡絵麻
2018年10月 セブンス・サイン 行動心理捜査官・楯岡絵麻
2020年3月 ツインソウル 行動心理捜査官・楯岡絵麻

今までに発表された「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズは計8冊。
ドラマ化もされています。

ドラマ
「サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻」
・出演(役名)
→栗山千明(楯岡絵麻)
→白洲迅(西野圭介)
→馬場徹(東野浩介)
→宇梶剛士(筒井道大)
→野村修一(綿貫俊)
→椎名香奈江(村田シオリ)

2018年10月6日から12月15日まで、「サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻」のタイトルで放送。
BSテレ東の「土曜ドラマ9」枠の第一弾作品。

スピンオフや特別編などを挟みながら、
今現在はシーズン2まで放送されているようですね。

私はドラマ版を全く視聴していませんので、感想は一切書けませんけど、
レビューを少し調べてみたら、かなり高評価なドラマとなっていました。
平均点も5点満点中4点ぐらいでしたし。

もしかすると、
この「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズのように、
ストラングラー 死刑囚の推理もドラマ化され、いずれは人気シリーズとなるかもしれません。

そのためにも早く、次回作を読みたいですね。

 

最後に

 

「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズでお馴染み佐藤青南の新シリーズ
その序章となるストラングラー 死刑囚の推理を紹介させて頂きました。

1冊で終わりを迎える小説ではないので、
若干の消化不良を感じてしまいますけど、続きが気になってしまうのは事実です。

完全な駄作だと続きなんか気にもなりません。

そういう意味では、
ストラングラー 死刑囚の推理は大丈夫です。
早く続編を読ませろ、なんて文句が言いたくなるぐらい気になりますからね。

佐藤青南さん、続編を早めによろしくお願いします。

ではまた。

 

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