シリーズ第7弾『リセット』主要人物/悪臭の道筋/感想/リカの時系列、いつもながらオゾマシイ
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「他の人は怖いし、嫌なの。話したくない。
晃くんが(あなたが)いればリカはそれでいい」
この台詞を今までに聞いてきた登場人物の末路・・・。
フラグ回収率100%のモンスター:リカの最新作、
シリーズ第7弾『リセット』。
『リセット』
✔︎ シリーズ7作目、時系列的に並べると、物語の2作目にあたる
✔︎ 数々の悪意を撒き散らしてきたリカが、女子高生だった頃のお話
✔︎ 今回、リカの周りで命を落とす人数は10人以上・・・
『リセット』の語り手は男子高校生の“升本晃”です。
リカと同年代の男の子視点から、読者が頭の中に描く“女子高生リカ”の物語・・・。
今回もリカと関わってしまった人達の末路は悲惨でしたね。
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シリーズ第7弾『リセット』主要人物/悪臭の道筋/感想/リカの時系列
『リセット』五十嵐貴久
- 第1章「少女」6〜
- 第2章「先生」93〜
- 第3章「視線」106〜
- 第4章「金網」160〜
- 第5章「十字路」207〜
- 第6章「夏の嵐」255〜
- 終章「通報」306〜
- 『リセット』後書き 312〜
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主要人物
【主要人物】
⇨升本家
晃(あきら:高校1年生、奈緒美の息子)
俊幸(としゆき:52歳、晃の義父、奈緒美と再婚)
奈緒美(なおみ:33歳、晃の母親、俊幸と再婚)
幸司(こうじ:大学生、晃の義理の兄、俊幸の息子)
⇨晃の同級生
小野萌香(もえか:晃の同級生、勘の鋭い女子高生)
三笠(みかさ:晃の同級生の男子高校生)
浜田京子(ハマキョー:萌香と塾が一緒の女子高生)
⇨高校の教師
高木(たかぎ:晃が1年の時の担任、生徒受けの良い男性教員)
菅野(すがの:晃が2年の時の担任、音大卒の女性教員)
⇨刑事
屋敷(やしき:浦和東署の刑事)
若月(わかつき:埼玉県警の刑事)
神崎(かんざき:埼玉県警の警部補)
⇨邪悪で異形な何か
雨宮結花(リカ:晃の従姉弟、痩せ型で長い黒髪の女子高生)
悪臭の道筋
リカは常に悪臭を放っている訳ではありません。
リカを引き取り一緒に住んでいた升本家の人たちでさえ、
それが“リカから放たれている悪臭”とはなかなか気付かない・・・。
ある意味、警告なんですけどね。
今作『リセット』の中でも、
“リカの悪臭=警告”と感じられる場面がありましたので、紹介します。
⇨最初に気付いたのは小野萌香
「あの子が私の横を通った時、臭ったの・・・。腕に鳥肌が立つほどの異質な臭いだった」
勘の鋭い萌香は、誰よりも早くリカの異常性に気付いていました。
そして、萌香は即行動を起こします・・・。
⇨敵意と悪意が籠められた悪臭
晃も早い段階でリカの悪臭を感じ取っていましたけど、
「結花みたいな綺麗な子から、あんな酷い臭いがするはずはない」
と、萌香の声を思い出しつつも、リカを疑うようなことはありませんでした。
「この倉庫はカビ臭かった。だけど、違う気がする。生臭いというか、肉や魚が腐ったような臭い・・・、あの臭いには明らかに悪意があった」
最初の犠牲者が出た時、
リカの悪臭は悪意となって、何時間も現場に残っていたようです・・・。
⇨晃の母親:奈緒美も感じた悪臭
「・・・凄い臭い。沢庵かしら・・・捨ててくる、食欲なくなっちゃった」
奈緒美と一緒に晃も嗅ぎ取っていた悪臭。
リカと会話中だったが、
晃はまだリカだとは・・・半信半疑です。
⇨とうとうリカの悪臭だと確信する晃
自分の周りで明らに異質で異様な“死”が連続して、とうとう晃は、
リカから放たれている悪臭だと気付きます。
悪意と敵意に満ちたリカの悪臭は、全てを『リセット』しました。
“リカの悪臭=警告”といち早く感じ取り、行動を起こした人物は、
ただ1人です・・・。
おじさんの感想
![おじさんの声](https://savicevicjenio.com/wp-content/uploads/2019/02/IMG_0209-264x300.jpg)
![おじさんの声](https://savicevicjenio.com/wp-content/uploads/2019/02/IMG_0209-264x300.jpg)
(あのリカが女子高生だった時代・・・)
リカシリーズの第7弾、
物語の時系列的には2作目となる『リセット』、
“女子高生リカ”だったとはいえ、そこにいたのは、
“いつものリカ”でした。
今作『リセット』、
リカを引き取った升本家の男子高校生“晃”の視点で語られる物語となっています。
容姿端麗で他の女子高生とは雰囲気の違うリカに、恋をしている男の子が主人公です。
リカを信じて疑っていない男子高校生が、
自分の周りで起こる幾つのも“死”に直面しながら、徐々に“リカという生き物”に気付いていき、
そして、
“気付いた時にはもう遅かった・・・”とラストを迎える1冊。
リカシリーズをここまで読み進めてきた読者からすると、
いつも通りといった展開かもしれませんけども、
私はちょっとだけ期待した部分がありました。
それは、
終盤に至った時、
「もしかしたら、リカは彼の心を救うのではないか?」、
そんな淡い期待をしながら読み進め、その結果、
「ある意味、救ったんだろうな・・・」という思いと、
結局は、
「リカはいつの時代もリカそのもの、徹底している・・・」
と、“リカという生き物”を再確認しただけ。
そして、淡い期待を打ち砕かれて読了・・・。
リカと関わった人たちがどのような末路になるのか、
想像は簡単にできてしまうのに、最後まで一気に読み進めてしまった『リセット』、
いつも通りですけど、非常に面白かったです。
後書きに書かれていた、
「次回作は復讐の物語になる」という五十嵐貴久さんの言葉に、
「えっ、誰の?どっちの?」と気になりつつ、第8弾も読ませてもらおうと思っています。
リカの時系列
五十嵐貴久の「リカシリーズ」が始まったのは2002年、
約20年前に生み出されました。
そこから第7弾まで続いている人気シリーズです。
ドラマや映画化もされています。
【発売順】
•第1弾「リカ」(2003年に文庫化)
•第2弾「リターン」(2015年に文庫化)
•第3弾「リバース」(2016年)
•第4弾「リハーサル」(2019年)
•第5弾「リメンバー」(2019年)
•第6弾「リフレイン」(2021年)
•第7弾『リセット』(2022年)
発売順だとこんな感じですが、物語の時系列を追って並べ替えると、
•第3弾「リバース」(リカ誕生の物語)
•第7弾『リセット』(女子高生リカの物語)
•第6弾「リフレイン」(看護学生リカの物語)
•第4弾「リハーサル」(看護婦リカの物語)
•第1弾「リカ」(狂気のストーカー:リカ)
•第2弾「リターン」(10年後のリカ)
•第5弾「リメンバー」(リカの狂気の感染)
そして、上にも書きましたけど、
第8弾となるリカシリーズ次回作は、
「復讐の物語」となるようです。第2弾「リターン」のその後のお話ではないかと。
“復讐”という部分が異様に気になりますね。一体誰視点の・・・。
楽しみに待ちたいと思います。
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最後に
五十嵐貴久のリカシリーズ第7弾、
『リセット』を紹介させていただきました。
ネタバレをするつもりは毛頭無いんですが、
『リセット』のラストの文章、やっぱり彼女のことなんでしょうか?
「場所的に中野区とはそこまで近くないし」と思いながら読了して、
後書きを読んだら、
「次回作は復讐の物語」となっておりましたので、
「彼女の復讐劇なら面白そう」、
そう感じていました。
「彼女には助かっていて欲しいな〜」なんて期待しているんですけどね・・・。
「・・・リカ・・・無理かな・・・」
リカシリーズを読み進めてきた私の頭の中では、
“淡い期待を抱くな!”という警告音が粛々と鳴り続けております。
ではまた。