医療界の勝ち組?負け組?、久坂部羊の「テロリストの処方」

この文庫の帯にはこう記されています。

勝ち組医師だけが狙われる!
格差が広がる日本の未来を予見する、
戦慄の医療ミステリー

医師が描く医療ミステリーです。

その分野の内側を知る人間が、
その分野の内側を書くんですから、
妙なリアリティと、妙な怖さを感じます。本当にちょっと怖い。

久坂部羊の「テロリストの処方」、
紹介させて頂きます。

 

久坂部羊の「テロリストの処方」

 

テロリストの処方」 久坂部羊

ネタバレをせずに、紹介します。

「医師焼殺 ”勝ち組医師テロ” 3件目か」

昨夜、世田谷区でまたも医師を狙った事件が発生。
被害者は48歳の循環器内科医で、フィットネスクラブの地下駐車場、
愛車のボルボに乗り込もうとしたところを、
金属バットのようなもので後頭部を殴打され、
ガソリンをかけられて火を放たれた。

 

・浜川浩(はまかわひろ)
消化器内科医として働いていましたが、
5年ほど前から医事評論家としてデビューしている浜川
最初は医者と二足のわらじでしたけど、3年前、40歳を機に筆1本の生活に入っています。

そんな浜川が目にしたニュースが、
勝ち組医師テロ”というおぞましいタイトルのニュースでした。

勝ち組医師テロ”、
1件目は医師専用の会員制クラブ「表参道倶楽部」に、
手製の爆弾が投げ込まれた事件。死者は4人、重軽傷者7人。
事件の数日後、海外のテロとは無関係の犯行声明が届き、その冒頭に、
豚ニ死ヲ」の言葉。

2件目は、
「日本肥満予防学会」の会長が、
自宅前で何者かに日本刀で斬殺された事件。
事件の数日後、会長宅の外塀に、
豚ニ死ヲ」の落書きが見つかる。

そして3件目が医師焼殺
ガソリンを入れていたポリタンクに、油性ペンで書き殴られていた言葉。
豚ニ死ヲ

医療界の勝ち組負け組
勝ち組の医者、負け組の医者、そして、
患者の中にも勝ち組負け組が存在しうるこれからの医療界。

そんな医療界に起こったテロ事件、
勝ち組医師”ばかりを狙った連続テロ事件。

勝ち負けで医療界が二極化していく中、
妙な巡り合わせで事件を追うことになった浜川
犯人からのメッセージ「豚ニ死ヲ」とは一体・・・。

 

久坂部羊医療ミステリー
テロリストの処方
まともに受け取ってしまうと、ちょっと怖いですよ。

 

スポンサーリンク

 

「テロリストの処方」を読んだ方達のレビューを、紹介します

 

 

「テロリストの処方」を読んだAさんのレビュー

いつの日か現実になりそうな怖〜い話でした。
実際に二極化って進んでいそうですし・・・。
最後の最後でゾクッときました。

 

 

「テロリストの処方」を読んだBさんのレビュー

将来、医療界がこのような事態になるとしたら、本当に怖い話です。
患者に寄り添い、より良い医療を考えてくれる医師ばかりになってほしいです!

 

 

「テロリストの処方」を読んだCさんのレビュー

国民皆保険制度が実質的に破綻して、
世間は少数の医療勝ち組と、大量の医療負け組に分断。
そして、勝ち組医師と負け組医師の二極化が顕著に・・・。
こんな世の中になったら、どうな人物が医師を目指すようになるのだろう?
ラストはゾクリです。

 

 

「テロリストの処方」を読んだおじさん

お医者さんって、本当にこんな感じ?
と、読み物としては面白いけど、本当なら怖くてイヤだ、
そういつも思わせてくれる久坂部羊医療ミステリー
今回の「テロリストの処方」では、
近い将来、医療界が二極化、その煽りを食らって患者も二極化
という、ちょっと怖い事を描いています。

医療界の内側を知る医者が、
医療界の未来を危惧して警鐘を鳴らしているのが今作。
そこにテロを絡ませてミステリーに仕上げています。

まともに受け取って、
まともに信じ込んでしまうと、
医者という方々を信じられなくなるし、病院がイヤになってしまいますから、
変なのもいるけど、大半の医者はまともな方達だと、
逆にこちら側が気を使ってしまいそうな作品です。
全員ではないでしょ?と。

久坂部羊の「テロリストの処方」、
私達には計り知ることの出来ない医療界の未来
その未来にちょっと怖さを感じて、もしかしたら私達の身にも・・なんて、
さらに心配してしまいそうになる「小説」です。

 

 

久坂部羊のドラマ化されている「小説」

 

久坂部羊(1955年7月3日〜)は、
小説家、推理作家、医師です。

これまでに、
久坂部羊の「小説」がドラマ化されているのは4作。

放送日 タイトル 主演
2009年12月13日 第三のミス〜まず石を投げよ〜 黒木瞳
2015年10月7日〜 無痛〜診える眼〜 西島秀俊
2015年10月10日〜 破裂 椎名桔平
2019年6月23日〜 神の手 椎名桔平

・「第三のミス〜まず石を投げよ〜」(原作:まず石を投げよ)は、
2009年12月13日、WOWOW「ドラマW」枠で放送。

・「無痛〜診える眼〜」(原作:無痛)は、
2015年10月7日〜12月16日にかけて、
フジテレビ「水曜10時枠」で放送。

・「破裂」(原作:破裂)は、
2015年10月10日〜11月21日にかけて、
NHK総合「土曜ドラマ」枠で放送。

・「神の手」(原作:神の手)は、
2019年6月23日〜7月21日にかけて、
WOWOW「ドラマW」枠で放送。

ドラマの方は視聴していませんけど、
原作は読んでいますので、重いテーマの作品をドラマにしている印象を受けてしまいます。
今作「テロリストの処方」の方がまだ軽く感じてしまうぐらいです。
タイトルは物々しいですけどね。
機会があったら視聴してみようかなと。

 

最後に

 

勝ち組医師だけが狙われる!
格差が広がる日本の未来を予見する、
戦慄の医療ミステリー

と帯に記されている久坂部羊の「テロリストの処方」を、
紹介させて頂きました。

フィクションですけど、
もしかしたら?!と、思わせてくれる作品です。
ちょっと怖いんですよね。

内側を知っている人間が描く内側、

全くのデマだとは思えません。

想像してしまうとイヤになりますが・・・。

テロリストの処方」、
気軽にとは言いませんけど、もしかしたら?!を体験出来ますので、
おすすめさせて頂きます。

ではまた。

 

(Visited 154 times, 1 visits today)

スポンサーリンク