「グラスホッパー」、伊坂幸太郎が贈る「殺し屋たちの物語」
第132回直木賞候補作、
受賞とはいきませんでしたが、
その後、漫画化、映画化までしている有名な作品です。
一気読みさせる天才、
抜群の伏線回収能力を持っている伊坂幸太郎が贈る、
殺し屋たちの物語、
「グラスホッパー」を紹介させて頂きます。
ちょっとグロい、それでも面白い、
そんな「小説」です。
殺し屋たちの物語「グラスホッパー」
「グラスホッパー」 伊坂幸太郎
「グラスホッパー」あらすじ
元中学校教師の鈴木、27歳。
ひき逃げ事故で妻を亡くしている。
その事故を起こした犯人、
裏の世界では有名な「フロイライン」の社長寺原の息子だったので、
ひき逃げ事故はもみ消されていた。
鈴木は寺原の息子への復讐のために教員を辞めて、
「フロイライン」へ入社。
ある日、寺原の息子は鈴木たちの目の前で車に轢かれて死亡。
鈴木が目的したその事故は、
「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業だった・・・。〜「グラスホッパー」〜
・鈴木
本作の主人公。27歳の元中学校教師。
2年前、妻がひき逃げにあって亡くなるまで平穏な生活を送っていましたが、
犯人に復讐するために教員を辞めて、
犯人の父親が経営する「フロイライン」へ入社します。
・鯨(くじら)
自殺専門の殺し屋。大柄で陰鬱な目をした男。
ドフトエフスキーの「罪と罰」が愛読書、それ以外の本は読みません。
仕事の後遺症で、
自殺させた人間が現れて話しかけてくる幻覚を頻繁に見るようになっていて、
現実との境が曖昧になりつつあります。
・蝉(せみ)
ナイフを武器として扱う殺し屋。格闘術にも長ける、細身で機敏な茶髪の青年。
哲学的な死生観を持っていて、口が悪く蝉のようにうるさい一面も。
この3人の視点で話は進んでいき、
3人に徐々に絡んでくる1人の殺し屋、
「押し屋」
鈴木を主人公とした殺し屋たちの物語、
「押し屋」という存在を追いかけ、
ちょっとグロいけど面白い、3人の視点が徐々に絡み合っていく、
伊坂幸太郎の「グラスホッパー」
おすすめです。
「グラスホッパー」を読んだ方達のレビューを、紹介します
・「グラスホッパー」を読んだAさんのレビュー
マリアビートルを読んだ後に再読です。
グラスホッパーの内容をほとんど忘れていたので楽しく読めたし、
鈴木は主人公だったんだ、と改めて・・w
マリアビートルほどの緊張感はないけど、安定した面白さです。
・「グラスホッパー」を読んだBさんのレビュー
ずっと読みたかった作品。
相変わらず鮮やかな伏線回収と、個性あふれるキャラクターたち。
引き込まれる要素をこれでもかと盛り込んだ、
殺し屋たちの緊迫したストーリーに魅了されました。
続編の「マリアビートル」も是非読んでみたいですね。
・「グラスホッパー」を読んだCさんのレビュー
殺し屋同士のバトルロイヤル小説。淡々と人を殺すサイコパス気質なのに、
なぜか憎めない殺し屋ばかりです。
この作品に限らず、
伊坂幸太郎は、ユーモアのある悪党を描くのが上手いですね。
一気に読めますよ。
・「グラスホッパー」を読んだおじさん
漫画化、映画化もされている有名な「小説」、
「グラスホッパー」
伊坂幸太郎が描く殺し屋たちの物語です。
「マリアビートル」が続編と位置付けられていますが、
完全な続編ではありません。
登場人物が重なっているだけで、
「グラスホッパー」は独立した物語になっています。
「マリアビートル」は「グラスホッパー2」というより、
「殺し屋たちの物語2」、
世界観を継続、そんな感じですね。
という思いですので、個人的には、
「マリアビートル」を読む前に必ず「グラスホッパー」を読んでください、
とはなりません。
登場人物にニヤニヤしたいなら、
「グラスホッパー」から「マリアビートル」という順番が最適ですけど、
そこまでしなくても良い、単純に楽しみたい、そんな思いなら、
どちらを先に読んでも大丈夫です。
「マリアビートル」を読んでしまったので、前作はなぁ・・・、
そう思わずに「グラスホッパー」を読んで頂いて問題ありません。
十分に独立した物語として楽しめます。
殺し屋たちの物語、
ちょっとグロいけど、
ページをめくるスピードが落ちない面白さを標準装備している、
伊坂幸太郎の「グラスホッパー」、
楽しんでください。
映画化された「グラスホッパー」
2015年11月7日、
日本で公開された映画「グラスホッパー」。
監督 | 瀧本智行 |
原作 | 伊坂幸太郎「グラスホッパー」 |
出演(役名) | 生田斗真(鈴木) |
浅野忠信(鯨:くじら) | |
山田涼介(蝉:せみ) | |
菜々緒(比与子) | |
吉岡秀隆(槿:「押し屋」?) | |
日本公開 | 2015年11月7日 |
私は観たことがないので、
なんとも評価のしようがありませんが、レビューを調べてみると、
あまり評判のよろしくない作品みたいですね。
映画「グラスホッパー」レビュー
・伊坂幸太郎の作品は約2時間の映画に映像化できるものではない
・安っぽい映画だけど、展開は良くてまぁまぁ。
・原作は大好きだけど、キャストが・・・。
・生田斗真大好きなのに、原作を読んでしまっているとキツイ。
・伊坂ファンとして鑑賞、そして残念。〜映画「グラスホッパー」〜
私も以前、
映画「ハンニバル」の原作を読んだ後に、作品を観てしまい、
完全に失敗した経験がありますので、
お気持ちはよく分かります。
それ以降、原作を読んでから映画を観ることを完全に辞めました。
「小説」も「映画」も、
単体として楽しめないと勿体無いので、
分けて考えられればいいんですけど、ファン心理というのは難しいですね。
1つだけ言えるとすると、
原作「グラスホッパー」と映画「グラスホッパー」、
両方楽しめた人の勝ち、
そんな感じです。
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最後に
伊坂幸太郎の殺し屋たちの物語、
「グラスホッパー」を紹介させて頂きました。
2004年の作品ですので、
もう15年以上前の「小説」です。
「グラスホッパー」に始まり、
「マリアビートル」で完成された感のある殺し屋たちの物語、
2017年に3作目と言える「AX アックス」が発売されています。
まだ文庫化(2020年2月に文庫化)されていませんので、
私が読むのは先ですけど、
今から楽しみで仕方ありません。
「グラスホッパー」と「マリアビートル」の登場人物、
また誰かが登場してくるのでしょうか。
「AX アックス」に期待ですね。
ではまた。