「中山七里」の「法医学ミステリー」、真相究明にひた走る研修医

2020年7月14日

死体、好きですか?

こんな事を聞かれたら、

まずその場を立ち去ります。

質問の意味も分かりませんし、好きな人間がいるとは思えません。

そんな質問をしてくる人間も気持ちが悪いです。

それが正常ですよね?

今回紹介する「小説」は残念ながら、

そんな質問をしてくる人間のお話です。仕事柄、致し方ない事ではあるんですが、

一般人にはどうしても受け入れ難い世界のお話、

法医学ミステリー」です。

 

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「中山七里」の「法医学ミステリー」

 

ヒポクラテスの誓い 中山七里

「ヒポクラテスの誓い」
ヒポクラテスの誓い
とは
医師の倫理・任務などについての、ギリシア神への宣誓文です。
患者の生命、健康保護の思想、患者のプライバシー保護、専門家としての尊厳の保持、
などなど、難しい事が書いてありますけど、
要は、医師とはこうあるべき、という約束事みたいなもんです。
医師として患者さんにしっかりと対応して、ふざけた事をしません、
そんな感じです。
(間違った解釈の可能性が高いので参照元を▶︎▶︎wiki-ヒポクラテスの誓い

 

ネタバレをせずに、紹介します。

埼玉の浦和医大、法医学教室の研修医が主役の「法医学ミステリー小説」です。

・栂野真琴(つがのまこと)
この物語の主人公です。
浦和医大に務める研修医。内科の研修中に、「選り好みせずに勉強」という勧めで、
法医学教室で研修することに。
法医学教室遺体の解剖をする教室です。
事件絡みや、死因に不審な点があれば解剖して原因を突き止める教室です。

 

・光崎藤次郎(みつざきとうじろう)
法医学教室の教授
60代半ばで白髪のオールバック。
一般的な解釈をすると、偏屈なおじいちゃんなんですけど、
海外でも有名な一流の法医学者です。
年齢を感じさせない器用なメスさばき、速さと正確性を併せ持った凄腕の法医学者、
性格だけがちょっとアレな感じの教授です。

 

・キャシー・ペンドルトン
法医学教室の准教授。
コロンビア医大に在学している時、光崎の存在を知り、光崎の事をじっくりと調べて、
日本語を勉強したのちに日本にやってきた変わり者。
日本語はベラベラですけど、変な使い方をしてお茶目な感じを受ける反面、
死体が好き」と公言している恐ろしい外国人。
作中で1番サ◯コパス感のある登場人物ですね。

そして、

この法医学教室の3人に度々絡んでくる警察関係者、

・古手川和也(こてがわかずや)
中山七里」の「小説」を読んだことがある方なら、
どこかで聞いた事のある名前だと思います。他の作品にも出てくる、
埼玉県警捜査一課の刑事です。
性格は真面目で一直線、ちょっと危なっかしい性格ですが憎めないキャラです。

法医学教室と警察が協力しながら、
真実の究明を遺体の解剖から導き出していく、
ヒポクラテスの誓い
読み応えのある「法医学ミステリー」です。

 

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この「法医学ミステリー」を読んだ方達のレビューを、紹介します

 

男性の声
男性の声
「ヒポクラテスの誓い」を読んだ感想

4.5

主人公が少しずつ医師としての矜持を持ち、成長していく様子がとても人間らしく、
親近感を覚えました。
「物言わぬ遺体が嘘以外の全てを語る。」
その真実を真摯に受け止め、立ち続ける強さが心に残りました。
次作も読みたいと思います。



 

女性の声
女性の声
「ヒポクラテスの誓い」を読んだ感想

3.5

1篇1篇が尻切れトンボに感じた短編集、だと思っていたら、しっかり1冊の長編でした。

癖の強い登場人物たちに少しばかり圧倒されてしまいます。
天上天下唯我独尊、我が道を行く、毒舌、空気読めないキャラたちって、読者としてスカッとすることが多いんですけど、なぜか今作はハラハラしましたね。



 

男性の声
男性の声
「ヒポクラテスの誓い」を読んだ感想

3.5

光崎の強引さはすごかったけど、最後にその理由も解明されたので良かったです。
解剖の実態とかは初めて知りました。
真琴の解剖に対する考え方がだんだん変わっていって、読みやすかったです。
「母と娘」が印象的でした。



 

男性の声
男性の声
「ヒポクラテスの誓い」を読んだ感想

4

登場人物が魅力的で、サクサクと読めました。
自分の大切な人を解剖しますか?
と聞かれたら、その時「はい」と答えられる自信はないけど、
真実が分からないまま大切な人が亡くなってもいいのか?
ましてや、犯罪に巻き込まれたとしたら・・・難しいですね、答えは出ません。



 

「ヒポクラテスの誓い」を読んだおじさん

中山七里新たなシリーズが幕開けです)

8.5

医療ミステリー」は好きでよく読みます。
そんな中の1冊がこの「ヒポクラテスの誓い」でした。

医療ミステリー」といえば海堂尊でしょうか。
チーム・バチスタの栄光」でお馴染みの作家さんです。
海堂尊の作品には度々「Ai」というのが出てきます。
Ai(オートプシー・イメージングの略)」、
死亡時画像病理診断、遺体を解剖で傷つける事なく、画像で死因を調べる手法です。
どちらかというと、「Ai」の方が体に傷を付けずに済みますから、
素人目にこっちの方が良いのではと思ってしまいますけど、現実はなかなか厳しいようです。
良し悪しはあるみたいですね。あまり細かくは書きませんけど。

で、
この「ヒポクラテスの誓い」は「法医学ミステリー」です。
画像診断ではありません。解剖して死因を究明していくお話です。
嫌な言葉でいうと、
人間の体を切り開いて、人間の目で死因を調べるんです。生易しい話ではないです。
解剖シーンの描写はグロテスクですし、気持ちの良いものではないですしね。
ただ、
中山七里」はこの物語を、
短編集的な作りから最後でしっかりと1つにまとめ上げています。
グロい描写もありますけど、最後まで読みやすい「ミステリー」になっています。
誰でも楽しめる「法医学ミステリー」と言える作品です。
解剖の世界を深く知る必要はありません。
普通に「ミステリー小説」を楽しむ感覚で、
ヒポクラテスの誓い
法医学ミステリー」を堪能してください。

 

 

 

「中山七里」の作品は、繋がりを楽しめる

 

中山七里(1961年12月16日〜)は、
岐阜県出身の小説家、推理作家です。

さよならドビュッシー」が有名ですね。
第8回「このミステリーがすごい!」大賞大賞受賞作です。

さよならドビュッシー」は今回関係ないですけど、

ヒポクラテスの誓い」に登場する刑事、
古手川和也は他の作品でも大活躍しています。恐ろしい事件を追いかけている刑事です。
古手川和也が大活躍▶︎▶︎▶︎「連続殺人鬼カエル男

この「連続殺人鬼カエル男」には、
光崎教授も登場しています。全く同じキャラクターとして登場です。
偏屈なおじいちゃんとして。
古手川の上司:渡瀬という強烈なキャラもいるんですけど、
ヒポクラテスの誓い」では名前しか出てきません。ただ、次作には結構出てきます。

連続殺人鬼カエル男(2011年)
(古手川、渡瀬が主人公)
光崎教授登場
ヒポクラテスの誓い(2016年)
(真琴が主人公、キャシー、光崎)
古手川登場、渡瀬は名前だけ
ヒポクラテスの憂鬱(2016年)
(真琴が主人公、キャシー、光崎)
古手川、渡瀬も登場
連続殺人鬼カエル男ふたたび(2019年)
(古手川、渡瀬が主人公)
光崎教授、名前だけ

古手川、渡瀬は埼玉県警の捜査一課、

光崎教授がいる法医学教室は埼玉県浦和医大、

ちゃんとした繋がりのある組織同士なんですね。

この4作を読んでいれば、
彼らの関係性がより良く分かるようになっています。
これが意外と楽しいんです。読んでいてニヤッとしてしまう瞬間です。

中山七里の「小説」の繋がりも楽しんで頂ければ幸いです。

 

最後に

 

法医学という、あまり馴染みのない言葉ですが、

薄っすらと知るのに適した「小説」だと思います。

法医学にハマってしまい、色々調べようとならないように。
泥沼にハマってしまいますよ。

ですから、
難しいことは脇に置いておいて、
法医学ミステリー」の「ヒポクラテスの誓い」を楽しんでください。

楽しく暇を潰そう、
そんな感じで読み進めて頂ければ嬉しいです。

ではまた。

 

 

 

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