ポーランド映画の問題作『聖なる犯罪者』2021年1月15日から公開
全く馴染みのないポーランド映画。
調べてみたら、視聴したことのあるポーランド映画は1つだけでした。
「戦場のピアニスト」(日本で2003年に公開)
→フランス・ドイツ・ポーランド・イギリスの合作映画。
監督ロマン・ポランスキー 主演エイドリアン・ブロディ
・2002年カンヌ国際映画祭:グランプリ(パルム・ドール)受賞
・第75回アカデミー賞:監督賞、脚色賞、主演男優賞の3部門で受賞
この「戦場のピアニスト」は有名ですから、かろうじて視聴していましたけど、
その他のポーランド映画となると、
タイトルすら知らない映画ばかりでしたね。
そんな風に馴染みの全くないポーランド映画、
多分、「戦場のピアニスト」の次に視聴することになるだろうなという作品が、
『聖なる犯罪者』
予告動画を観てみると、
主演の俳優がなんだかヤバそうな目つきをしていますし、
内容も、実話を基に制作された問題作、衝撃作ということでしたので、
ガツンと響きそうな感じです。
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2021年1月15日公開『聖なる犯罪者』
『聖なる犯罪者』
この司祭、聖人か?それとも悪人か?映画『聖なる犯罪者』予告編
監督 | ヤン・コマサ |
出演(役名) | バルトシュ・ビィエレニア(ダニエル) |
エリーザ・リチェムブル(マルタ) | |
アレクサンドラ・コニェチュナ(リディア) | |
トマシュ・ジィェンテク(ピンチェル) | |
ポーランド公開 | 2019年10月11日 |
日本公開 | 2021年1月15日 |
受賞歴※ | 第92回アカデミー賞国際長編映画賞 ノミネート・他 |
・第92回アカデミー賞 国際長編映画賞:ノミネート
☆ポーランド映画賞
→作品賞(ヤン・コマサ、レゼク・ボザック、アネタ・セブラ=ヒッキンボサム):受賞
→監督賞(ヤン・コマサ):受賞
→主演男優賞(バルトシュ・ビィエレニア):受賞
→主演女優賞(アレクサンドラ・コニェチュナ):受賞
→助演男優賞(ウカシュ・シムラト):受賞
→助演女優賞(エリーザ・リチェムブル):受賞
→脚本賞(マテウシュ・パツェヴィチュ):受賞
→撮影賞(ピョートル・ソボチンスキー・Jr):受賞
→編集賞(プシェミスワフ・クルスチェレウスキー):受賞
→ディスカバリー賞(マテウシュ・パツェヴィチュ):受賞
→観客賞(ヤン・コマサ):受賞
・Rolling Stone
「新しく、セクシーな司祭の登場。救いとは何なのか考えさせられる」
・エドガー・ライト:「ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ベイビー・ドライバー」などの監督
「大胆で情け容赦ない映画だ」
・Le Nouvel Observateur
「情熱的で、”刃”のように描き出した映画。役を燃焼しきったバルトシュ・ビィエレニアの素晴らしい演技」
・LA Times
「強烈で、衝撃的。唸りと驚きを与える映画」
・Times
「けちの付け所のない展開、天賦的な演技の才能。そして、激烈な感情を呼び起こす結末」
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あらすじ
『聖なる犯罪者』あらすじ
20歳の青年ダニエルは、
少年院で出会った神父の影響で熱心なキリスト教徒となった。
前科のあるものは聖職者になれないと知りながらも、神父になることを夢見ていた。仮釈放が決まり、
少年院から遠く離れた田舎の製材所に就職することになったダニエル。その道中、偶然立ち寄った教会で出会った少女マルタに、
「司祭だ」とダニエルは冗談を言うが、
新任の司祭と勘違いされそのまま司祭の代わりを任される。司祭らしからぬ言動や行動をするダニエルに教会に集まっていた人々は戸惑うが、
若者たちとも交流し親しみやすい司祭として、
ダニエルは人々の信頼を得ていく。この村で1年前、
7人もの命を奪った凄惨な事故があったことを知ったダニエルは、
この事故が村の人々に与えた深い傷を知ることになる。事故で愛するものを失った家族を癒したいと模索するダニエル。
そんな彼の元に、
同じ少年院にいた男が現れ、事態は思わぬ方向へと転がりだしてしまう・・・。〜『聖なる犯罪者』〜
2021年1月15日から日本で公開予定の映画『聖なる犯罪者』。
実話を基に、過去を偽って聖職者として生きる、ある男の運命を描いた作品です。
wikiによりますと、
脚本家のマテウシュ・パツェヴィチュは、
「ある1人の男性が引き起こした事件のみをモチーフにしたのではなく、ポーランドで頻繁に起こっている偽司祭事件、聖職における様々な不正行為の事例に基づいて制作した」
と述べているようです。
1人だけの人物をピックアップした実話という訳ではなく、
様々な実例を踏まえて制作された映画という感じですね。
ポーランドで頻繁に起こっている偽司祭事件・・・日本人にはあまり馴染みがありませんけど、怖さだけは感じられます。
お正月から映画館で視聴するにはちょっと勇気が・・・。
衝撃的な問題作『聖なる犯罪者』は、
2020年1月15日から全国順次公開予定となっています。
監督ヤン・コマサについて
ヤン・コマサ(1981年10月28日〜)は、
ポーランドの映画監督、脚本家、プロデューサーです。
主な長編映画監督作は、
公開年 | タイトル | 主演 |
2011年 | ログアウト | ヤコブ・ギエルサウ |
2014年 | リベリオン ワルシャワ大攻防戦 | ユゼフ・ポウロフスキ |
2019年 | 聖なる犯罪者 | バルトシュ・ビィエレニア |
2020年 | へイター | マチェイ・ムシャウォウスキー |
長編映画監督デビュー作は、
「ログアウト」(英題Suicide Room)、2011年の作品です。
・第61回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品
長編2作目が、
「リベリオン ワルシャワ大攻防戦」、2014年の作品。
ナチス・ドイツ占領下の5年目を迎えたワルシャワ、1944年を舞台とした戦争映画です。
本国ポーランドで180万人を動員する大ヒットを記録。
そして今現在、Netflixで配信中となっている「へイター」、2020年の作品。
(劇場公開はなく、Netflixオリジナル映画として配信中)
『聖なる犯罪者』の脚本家マテウシュ・パツェヴィチュと再度タッグを組んで制作された映画です。
ヤン・コマサはポーランドのみならず、
世界から注目されている若手映画監督の1人となっています。
ヤン・コマサ監督作「へイター」について
「へイター」
”2019年1月13日夜、恒例の募金活動のイベントでステージに立っていたポーランドのグダニスク市長パベウ・アダモビッチが、ステージに上がってきた暴漢に刺され、1月14日に亡くなるという事件が起きた”
パベウはLGBTを擁護するなどリベラルな市長として知られていた。
この、実際に起きた事件との直接的な関わりはありませんが、
「へイター」の作中には、この事件を連想させるような描写が含まれているのも事実です。
(事件が起こる前に映画の撮影は終了していた)
で、「へイター」の感想はというと、
暗い!陰鬱!インターネット怖い!
そんな感じですね。
物語の主人公は、大学を退学させられた青年トメク。
彼は学業でつまづき、恋にも敗れて、職を探して行き着いたのが、あるフェイクニュースを駆使する怪しげな会社。
動画配信者を貶めるような書き込み、画像をいじくって悪質な写真を作り上げ、
政治家への攻撃もしているような会社に就職。
そこでメキメキと頭角を現していくトメク。
フェイクニュースを作り上げ、対象者に大ダメージを与える才能が完全に開花した彼に待ち受けているのは、
虚無感ではなく、達成感なのかもしれない・・・。
とまぁ、1人の青年が変わり果てていく様をずっと観続けることになる映画なんですが、彼が望んでいたのは、ただただ「認められたい!」、
その1点だったのかもしれません。
どんな手を使ってでも「認められる!」という、今のネット社会で有り得そうなお話でした。
「へイター」は今現在Netflixで視聴可能となっています。
(青年が、あまりたどり着いて欲しくない境地にたどり着いてしまう物語)
最後に
2021年1月15日から公開予定のポーランド映画、
問題作『聖なる犯罪者』を紹介させて頂きました。
監督のヤン・コマサがどんな映画を制作しているのか、少し気になりましたので、
「へイター」を視聴。
これがなかなか陰鬱な映画でしたから、
『聖なる犯罪者』もかなりヤバ目の作品になっていそうですね。
同じ監督、同じ脚本家で制作されています。
来年の1月、
年明け1発目の映画館鑑賞を『聖なる犯罪者』で、とはオススメしませんが、
もし気になる方はNetflixで「へイター」にまず触れてみてください。
この陰鬱な映画が大丈夫なようなら、
新年1発目に『聖なる犯罪者』もアリではないかと。
私は1発目には絶対にしませんけどね。
ではまた。