映画『キング・オブ・コメディ』キャスト/あらすじ/感想/「ジョーカー」と比べると・・
2019年に公開された「ジョーカー」と関連性が高いという事で、
気になって仕方のないマーティン・スコセッシ監督作、
『キング・オブ・コメディ』。
内容をほぼ忘れていましたから、もう1度視聴しました。
『キング・オブ・コメディ』
✅ マーティン・スコセッシ✖︎ロバート・デ・ニーロの5作目
「ミーンストリート」(1973年)、
「タクシードライバー」(1976年)、
「ニューヨーク・ニューヨーク」(1977年)、
「レイジング・ブル」(1980年)、
『キング・オブ・コメディ』(1983年)
✅ 興行的には失敗となったが、業界関係者からの評価は非常に高い映画
(あの松田優作も、“パプキン”を演じたデ・ニーロを大絶賛していたようです)
✅ 「ジョーカー」を視聴済みの状態で『キング・オブ・コメディ』に触れてみると・・・
昔の方が良かった・・・なんて気持ちは一切ございません。
超有名な名作たちを除いたら、現代の映画の方が圧倒的に間が持ちますし、圧倒的に時間とお金をかける労力に見合っています。
そういう意味では、
今の時代に、時間を割いてまで視聴すべき古い映画は少ない、と、個人的には思っています。
思い出補正の強さは半端ではありませんからね。
ただ、それでも、
『キング・オブ・コメディ』はオススメできるなと。
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映画『キング・オブ・コメディ』キャスト/あらすじ/感想
『キング・オブ・コメディ』
The King Comedy - Joker Style Trailer[HD]
【監督】
マーティン・スコセッシ
【脚本】
ポール・D・ジマーマン
【製作】
アーノン・ミルチャン
【製作総指揮】
ロバート・グリーンハッ
【撮影】
フレッド・シュラーシュラー
【編集】
セルマ・スクーンメイカー
【日本公開】
1984年5月19日
【カンヌ国際映画祭】
第36回カンヌ国際映画祭 オープニング作品として上映、パルム・ドールにノミネート
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キャスト
【キャスト(役名)】
ロバート・デ・ニーロ(ルパート・パプキン)
ジェリー・ルイス(ジェリー・ラングフォード)
ダイアン・アボット(リタ・キーン)
サンドラ・バーンハード(マーシャ)
シェリー・ハック(キャシー・ロング)
トニー・ランドール(トニー・ランドール)
エド・ハーリヒー(エド・ハーリヒー)
フレデリック・デ・コルドヴァ(バート・トーマス)
マーティン・スコセッシ(番組ディレクター)
ちなみに、“リタ”を演じたダイアン・アボットは、
ロバート・デ・ニーロの元奥さんです。「タクシードライバー」でも共演しています。
マーティン・スコセッシ自身も“番組ディレクター”としてカメオ出演、
母親であるキャサリンは、パプキンの“母親役”として声の出演、
父親のチャールズも“バーの客役”で出演、
娘キャシーが“ドロレス役”で出演している『キング・オブ・コメディ』。
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あらすじ
『キング・オブ・コメディ』あらすじ
「私の才能は他の誰よりも秀でている。チャンスさえあったら、
私は一瞬にしてスターになる。
全てを手に入れるべき人間。
1回だけチャンスがあれば・・チャンスさえあれば・・・。」
スタンダップコメディアンとして有名になるべき男と、
自分を信じて疑っていない34歳のルパート・パプキン。
パプキンは、
有名コメディアンのジェリー・ラングフォードこそ、
自分がスターになるために必要な存在・・そう信じて疑っていない。
スターへの道筋を頭の中で完璧に思い描きながら、
“1回のチャンスさえあれば”と、
ジェリーの狂信的なファンのマーシャを使いつつ、
ジェリーとの接触に成功、自分を売り込み始める。
しかし、
ジェリーと、彼の秘書にいい様にあしらわれ、
“1回のチャンス”さえ摑み取れなかったパプキン。
「自分がコメディアンとしてスターになる未来は決まっている。
それなのに、なぜ、理解しようとしない!」
「ジェリー、君は私にチャンスを与えるべきだ!」
やがて、
パプキンは再びマーシャと手を組み、思い切った行動に・・・。
「自分はこのままで終わるような男ではない。
1回だけのチャンスを掴み、
一夜限りの王となろう」
・・・・・・・・
スポットライト(人々の目)はパプキンの姿を映し出す。
〜『キング・オブ・コメディ』〜
おじさんの感想(ネタバレ注意)
(こんなに怖いお話でしたっけ?)
1回は視聴していたんですけど、
私が覚えていたのは物語の終盤、“パプキン”がバーで自分の出演している番組を“リタ”に見せるシーンのみ・・・、
あとは内容をそこそこ・・・、
それだけだった『キング・オブ・コメディ』。
U-NEXTで見放題となっていますし、
折角ですからもう1度しっかりと視聴しました。
結構怖いお話でしたね。
妄想と現実の境目が曖昧になっている、どころか、
現実を妄想が凌駕していくその様を淡々と見せつけられた感じを受けました。
していく・・・では妥当とは言えませんね、
最初から・・・の方が“パプキン”には合っている気がします。
何かの引き金があってそうなったのではなく、
元々そういう部分をDNAに組み込まれている人間のお話。
自分を信じきる能力が圧倒的に高い。
そして、
“パプキン”の強烈な話題性と、メディアによって作られた彼を、
過去はどうあれ、
本物のスターとして受け入れる一般人。
映画のラストを現実と捉えると、非常に怖くなる物語でした。
ただ、私が1番恐怖を感じたのは、“パプキン”やメディアや一般人、でもなくて、
“マーシャ”です。
“パプキン”の行き着く先、もちろん妄想狂であることは間違いありませんが、
コメディアンになりたいわけですから、「笑わせたい」という想いがあるのは事実。
人のために、観客のためにと強引に他人との結びつきを感じられます。
ですが、“マーシャ”の行き着く先にあるのは、
自分の幸せのみ・・・です。他人は関係ありません。
“パプキン”が思い描いている未来にいるのは、
スターになった自分と、自分のネタで笑い転げる観客たち。
“マーシャ”の思い描いている未来にいるのは、
愛する人に愛され続けて幸せになっている自分、ただ1人。
同じようで全く異なる未来を描き続けている2人の対比、そこも注目しつつ視聴して欲しいなと。
監督マーティン・スコセッシ、
主演ロバート・デ・ニーロ、
久々に観たら、
「マーシャ超怖え〜〜」となった『キング・オブ・コメディ』、
気になる方は再生してみてください。
「キング・オブ・マイセルフ(マーシャ)」。
怖いマーシャを確認するなら、
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「ジョーカー」と比べると
「ジョーカー」
映画「ジョーカー」本予告【HD】
【監督】
トッド・フィリップス
【脚本】
トッド・フィリップス、スコット・シルヴァー
【製作】
トッド・フィリップス、ブラッドリー・クーパー
エマ・ティリンガー・コスコフ
【キャスト(役名)】
ホアキン・フェニックス(アーサー・フレック/ジョーカー)
ロバート・デ・ニーロ(マレー・フランクリン)
ザジー・ビーツ(ソフィー・デュモンド)
フランセス・コンロイ(ペニー・フレック)
【日本公開】
2019年10月4日
【第92回アカデミー賞】
⇨11部門にノミネート
(作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞、作曲賞、音響編集賞、録音賞、撮影賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、衣装デザイン賞、編集賞)
⇨2部門で受賞
(主演男優賞:ホアキン・フェニックス、作曲賞:ヒドゥル・グドナドッティル)
⇨英Enpireの取材にて
「デ・ニーロにお会いした時に、“『ジョーカー』があなたの映画に影響を受けていないと言えば、それはウソになります”とお話しました。『タクシードライバー』や『キング・オブ・コメディ』の話をしました。僕がずっと大好きな映画です。」
『タクシードライバー』と『キング・オブ・コメディ』へのリスペクト、オマージュ的な匂いを感じられる『ジョーカー』・・・?。
・ロバート・デ・ニーロ
⇨取材のコメントにて
「『ジョーカー』と『キング・オブ・コメディ』、直接的ではないにせよはっきりとした繋がりのある作品。この手の映画を作ることは、どこかしら繋がっているもの。」
“ジェリー”的な立ち位置を「ジョーカー」の“マーレイ”が・・・。
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・2019年に「ジョーカー」を観て、その後、もう1度「タクシードライバー」を観たし、
そして『キング・オブ・コメディ』と比べた結果・・・。
⇨『キング・オブ・コメディ』と「ジョーカー」
「“パプキン”と“アーサー”、共通点は多々あります。独身中年男性、母親と暮らしている、若干の違いはあるけど共にスターコメディアンを目指している、理想を頭の中で現実化する術に長けている、承認欲求が尋常じゃないほど強い等々、人物像はよく似ていて、
トッド・フィリップス監督が影響を受けたと語っているのも頷けます。
現実か妄想か、そういった描き方も似ている点ですね。
そして、
映画そのもの、2本ともコメディアンを題材にしておきながら、一切笑えないという共通点も。
『ジョーカー』は圧倒的に暗く衝撃的。
『キング・オブ・コメディ』はそこまで暗くないけど現実と捉えた場合怖すぎる。
極端なものに突き動かされてしまう世間の怖さ・・・、この2本なら簡単に味わう事が可能です。」
「『キング・オブ・コメディ』と比べると、共通点は少ないように思ってしまいますけど、
“アーサー”と“トラヴィス”、共にある種の英雄に。
“アーサー”は、暴徒化した支持者たちが破壊し築き上げた瓦礫の上でただ1人笑い踊る英雄。
“トラヴィス”は、マスコミが作り上げたヒーロー像で整備された道の上でハンドルを握る英雄。
完全悪の英雄、微妙だけど善よりの英雄、といった感じです。
あと、スイッチの入れ方も似ているかもしれません。
ピエロメイクで絶対的な存在になる“アーサー”。
モヒカンにサングラスで行動を起こす“トラヴィス”。
新たな自分を誕生させるスイッチを2人ともお持ちでした。
最後に、よろしくない共通点を1つ・・・。
映画そのものの影響力が2本とも似ています。
映画に触発され犯罪に走ってしまった人間が現実に・・・、影響力が強過ぎた2本です。」
「『タクシードライバー』も『キング・オブ・コメディ』も、なんだかんだ言って面白い映画です。今の時代でもオススメできる古い映画、その数少ない1本である事は間違いありません。
ですが、
まだ3本とも視聴していないという方、
リスペクトだオマージュだ、知っておいた方が良い、なんて言葉は無視してですね、
『ジョーカー』から視聴してください。
単純に勧めると“事件があったのに!”と怒られそうですけど、
3本中、1番面白いんだから致し方ありません。
時間と労力を割くなら、まずは『ジョーカー』です。」
「ジョーカー」(199pt)、
『キング・オブ・コメディ』(0円)、
「タクシードライバー」(0円)、
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最後に
2019年に視聴した「ジョーカー」に影響されて、
ほぼ記憶が無くなっていた『キング・オブ・コメディ』を視聴しましたので、
記事にさせていただきました。
もっと早く視聴したかったんですけど、
Netflixでは配信されていないし、レンタルしてくるほどの労力をかける気にならなかったので、
先延ばしに。
ですが、U-NEXTに加入した途端、
いとも簡単に視聴できるようになりましたから、ようやく数年患ったシコリが取れた感じですね。
消えかかっていた記憶を上書きできました。
「ジョーカー」“アーサー”、
「タクシードライバー」“トラヴィス”、
『キング・オブ・コメディ』“パプキン”、
私の新しい記憶には、
1番怖いのは“マーシャ”と上書きされています。
ではまた。