後味が悪い?『パンズ・ラビリンス』キャスト/あらすじ/ラストの解釈2通り/感想
「後味の悪い映画」、
このワードで検索すると、だいたい同じ作品が並んでいるんです。
代名詞的に有名な映画がズラッと・・・。
その中の1本がこちら。
『パンズ・ラビリンス』
✔︎ 「後味の悪い映画」と検索すると、ほぼ目にする2007年の映画
✔︎
監督はギレルモ・デル・トロ
スペイン内戦下に生きる少女を主人公にしたファンタジー
✔︎
物語のラストを迎えた時、
「後味の悪い映画」「胸糞映画」と解釈するか、それとも、
「ハッピーエンド」となるか、2通りの解釈ができる
『パンズ・ラビリンス』はまさにですね、視聴者に解釈を委ねている映画ではないかと。
「あなたはどっちの感情になりました?」
そんな感じでグサッと突きつけられましたね。
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後味が悪い?『パンズ・ラビリンス』キャスト/あらすじ/ラストの解釈2通り/感想
『パンズ・ラビリンス』
Pan's Labyrinth(2006)Trailer #1 | Movieclips Classic Trailers
・監督/脚本
ギレルモ・デル・トロ
・製作
ギレルモ・デル・トロ、ベルサ・ナバーロ、アルフォンソ・キュアロン
フリーダ・トレスブランコ、アルバロ・アグスティン
・音楽
ハビエル・ナバレテ
・撮影
ギレルモ・ナヴァロ
・編集
ベルナト・ビラプラナ
・日本公開
2007年10月6日
・2007年第79回アカデミー賞
⇨6部門ノミネート
(脚本賞、撮影賞、美術賞、メイクアップ賞、作曲賞、外国語映画賞)
⇨3部門受賞
(撮影賞、美術賞、メイクアップ賞)
キャスト
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・キャスト(役名)
イバナ・バケロ
(オフェリア/内戦で父親を亡くした少女)
アリアドナ・ヒル
(カルメン/オフェリアの母親、妊娠中)
セルジ・ロペス
(ビダル大尉/カルメンと結婚、オフェリアの新しい父親)
マリベル・ベルドゥ
(メルセデス/ビダルに仕えている家政婦)
アレックス・アングロ
(ドクター・フェレイロ/医者)
ロジェール・カサマジョール
(ペドロ/メルセデスの弟、レジスタンスの一員)
ダグ・ジョーンズ
(パン/迷宮の守護神、オフェリアに”あなたはモアナ王女”だと伝える)
ダグ・ジョーンズ
(ペイルマン/手のひらに眼球がある怪物)
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あらすじ
『パンズ・ラビリンス』あらすじ
内戦で父親を亡くした少女オフェリアは、
妊娠中の母親と共に、母親の再婚相手ビダル大尉に引き取られて、
森の中にある軍の砦に移り住むことになった。
しかし、
ビダル大尉が気にかけているのは、
母親のお腹の中で息づいている自分の息子のことだけ。
オフェリアはただただ孤独な日々を過ごすしかなかった。
そんなある日の夜、
オフェリアの前に妖精が現れ、
森の奥にある迷宮へ導かれていく。
そこには、迷宮の守護神パンがオフェリアを待っており、
「あなたは、地下の”魔法の王国”を治める国王陛下の姫君:モアナ王女です」
と告げられた。
そして、”道を標す本”をパンからもらい受け、
「あなたが本当の姫君だと証明するには、3つの試練を果たさなければならない。ただの人間になっていないかのテストです」
こうして、
オフェリアは3つの試練に挑んでいくことになる。
厳しく恐ろしい現実世界と、
不気味だが自分の本当の居場所と信じる”魔法の王国”に挟まれたオフェリア。
そんな少女が辿り着いた先・・・。
〜『パンズ・ラビリンス』〜
3つの試練(ネタバレ注意)
・3つの試練:その1
「遥か昔、森が若かった頃は、不思議な生き物たちがたくさん棲んでいた。彼らは互いに助け合い、巨大なイチジクの木陰で眠った。それは、製粉所そばのとても古い木。今、その木は枝が枯れ、幹はねじ曲がり、死にかけている。根元に棲む大ガエルが木の成長を阻んでいるのだ。カエルの口に魔法の石を放り込み、お腹から黄金の鍵を取り出せば、木は再び花を咲かせるだろう。」
✔︎ オフェリアは泥だらけになりながら、1つ目クリア
・3つの試練:その2
「チョークを使い、部屋のどこであれ、扉を描くといい。扉が開いたら砂時計をセットして、後は妖精が導くまま。決して飲んだり、食べたりせず、砂時計の最後の砂が落ちる前に戻ること。」
✔︎ オフェリアは約束を守れず、”手のひら眼球のペイルマン”に追いかけられるが、
妖精2体が犠牲になり、なんとか逃げ切った
ここで、
約束を守れなかったオフェリアに対して、
”迷宮の守護神パン”は愛想を尽かし、突き放してしまいます。
しかし、その後、
”守護神パン”からラストチャンスを与えられたオフェリア・・・。
・3つの試練:その3
「弟を連れてきて、共に迷宮へ行くのです。王宮への扉を開けるために、無垢なる者の血を捧げなくてはいけない。ほんの数滴だけ。弟を渡しなさい」
✔︎ オフェリアは、
”魔法の王国”への聖なる権利を放棄し、玉座を諦め、
弟と共に現実世界で生きていく決意をし、パンの申し出を断りました・・・
そして、
『パンズ・ラビリンス』はラストへ。
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ラストの解釈2通り(ネタバレ注意)
・視聴者に突きつけられる2通りの解釈
✔︎
現実世界のオフェリアは、
唯一の拠り所でもあり、共に生きていこうと決意した弟、その最後の家族を奪われ、暗い森の中にある迷宮の中で、血に染まった自分の手のひらを見つめながら、
目を閉じた。
「後味の悪い」「胸糞」「バッドエンド」
✔︎
空想世界の中で生きているオフェリアが最後に目にしたもの、
それは、
”魔法の王国”に招かれ、歓迎を受け、モアナ王女となった自分自身。
無垢で綺麗な手のひらをした少女。
「ハッピーエンド」
おじさんの感想
(混乱・・どっち、本当はどっちなんだろう・・)
「後味の悪い映画」と検索して、
何度も目にしていた『パンズ・ラビリンス』。
ようやく視聴しました。
正直に言いますと、
「後味の悪い映画」という印象はそこまで強くなかったですね。
「ハッピーエンド」とも思えませんけど・・・。
視聴後、
視聴者に2通りの解釈をさせて、頭の中を混乱させる映画、
というのが1番しっくり来る気がします。
あのラスト、
視聴していただければ分かると思いますが、
視聴者の復讐心みたいなものは解消されるんです。かなり強烈に。
オフェリアのラストだけ、
「後味の悪い」と「ハッピーエンド」を同時に見せて、2通りの解釈を突きつけて来る。
このせいで、私の頭の中にあった、
「後味の悪い映画」という印象が薄れて、
「オフェリア、実は、救われたんじゃ・・・」という感情が芽生えてしまいましたね。
かと言って『パンズ・ラビリンス』を、
「ハッピーエンド映画です!」なんて言う気も起きないんですけど・・・。
本当に混乱しました。
1回観終わった後、もう1回ラストシーンだけを観てしまったぐらい。
感情があっちに行って、こっちに戻ってきて、
またあっちに行って、と、感情を永遠にループさせる映画を、
ギレルモ・デル・トロ監督が作ったというなら、私はモロに喰らいました。
もうお手上げ、
感情が定まりません。
そういう意味で、個人的に、
あくまでも個人的にですけど、
「後味の悪い映画」という印象は薄れ「感情混乱映画」として、
『パンズ・ラビリンス』、
おすすめです。
悲しい話、でも、救いがないとは解釈できない、断言できない映画でした。
最後に
「後味の悪い映画」で有名となっている、
ギレルモ・デル・トロ監督の『パンズ・ラビリンス』を紹介させていただきました。
是非、視聴して判断してもらいたいですね。
ちなみに、
私は「セブン」大好きおじさんです。
「2度と観ない!」となった「後味の悪い映画」は、
「ミスト」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「冷たい熱帯魚」、
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」。
「ミッドサマー」、「ヘレディタリー/継承」は、
「2度と観ない!」とはならなかったんですけど、異質な存在という感じ。
で、
『パンズ・ラビリンス』はどうかというと、
もう1度ジックリ視聴したい気持ちはあります。ただ、
「間を空けたい、また混乱するから・・・」
いつの日かもう1度、最初からジックリと・・・。
ではまた。