「七尾与史」の「ブラックユーモア・ミステリー」を紹介します

2019年12月10日

七尾与史」の「小説」には、

妙な魅力があります。

文学だ、哲学だ、なんて、

うるさい言葉を頭から排除して読み進められる、
単純に楽しみたい人向けの「小説」を数多く生み出している作家です。

 

不思議な話が多いので、受け入れられない方もいると思いますが、

なぜか楽しく読めてしまう「小説」ばかりです。

妙な魅力がある「七尾与史」の「小説」、

今回紹介するのは、

黒いユーモア・ミステリー」です。

 

「七尾与史」の「ブラックユーモア・ミステリー」

 

殺戮ガール 七尾与史

出版元 小説
2011年12月 宝島社 殺しも芸の肥やし 殺戮ガール
2012年5月 宝島社文庫 [改題] 殺戮ガール

 

ネタバレをせずに、紹介します。

10年前、遠足で女子高生30名と教員を乗せたバスが、忽然と姿を消しました。

「某国による拉致」、「UFOの仕業」など様々な噂が流れましたが、
手掛かりが全く無いまま、
平成最大のミステリー」として、現在まで語り継がれている怪事件です。

この怪事件で、姪を失った刑事は独自に操作を続けていました。

 

そして、10年経ってようやくバスが発見されます。

多数の遺体、多数の鉄パイプ、不自然に頭部が陥没している遺体など、
明らかにおかしな状況で発見されたバス。

しかも、穴を掘ってバスを埋めた形跡もあり、一体誰が何の目的で・・・。

 

10年でようやく見つかったバス、
多数の遺体と不自然な遺体、鉄パイプの存在、バスをわざわざ埋めた、
それだけでも相当ですが、さらにもう1つ、最大のミステリーが、

遺体が1人分足りない・・・。」

 

ここまでだと、ユーモア的要素が全く感じられない内容ですが、

作家は「七尾与史」ですので、

しっかりとこの暗い冒頭部分を「ブラックユーモア・ミステリー」に昇華して、
読者を楽しませる「小説」に仕上げています。

殺戮ガール」、

タイトルはイカツイですけど、読みやすい「小説」ですから、
是非1度、触れてみてください。

 

 

 

この「小説」を読んだ方達の感想を、少しだけ

 

「殺戮ガール」を読んだAさん

サイコパスを描いているのに、サラサラ読み進められます。
どこまで逃げ切れるのか!
続編に期待です!

 

「殺戮ガール」を読んだBさん

現実離れしているけど面白かったです。どうなっていくのか、気になって一気に読んでしまいましたね。
本当に生れながらのシリアルキラーっているんでしょうね。

 

「殺戮ガール」を読んだCさん

とても読みやすく、面白かったです。
ぶっ飛んだ理由で行われる犯行、足がつかないような用意周到さ、
彼女に振り回される周囲の者たち。
これだけ残虐な罪を犯していながら、子供のような遊び心もあります。
サイコパス的な彼女に旋律を覚えると同時に、他人に心惑わされず、これだけひた向きに自分の夢、快楽を追求できる大胆さに、一種の憧れを覚えてしまいます。

 

「殺戮ガール」を読んだおじさん

「死亡フラグ」シリーズでお馴染み「七尾与史」ですが、
この「殺戮ガール」は、「死亡フラグ」シリーズよりミステリー色が強いと思います。
ですが、「七尾与史ワールド全開ですけどね。

主人公は「お笑い芸人」を目指している女の子、
絶対悪なシリアルキラーで猟奇的、「笑い」に対する研究も怠らないけど、
何か問題でも?
といった感じの主人公です。

「殺戮ガール」というぐらいですから、エグい描写もありますが、
主人公がこんな感じの女の子で、読んでいて調子を狂わされるんですけど、
ブラックユーモア・ミステリー」と頭に入れておけば、ラストまで読み進められる「小説」になっています。
「本格ミステリー」ではなく、あくまで「ブラックユーモア・ミステリー」として、
殺戮ガール」をオススメします。肩の力を抜いて、暇を潰してください。

 

 

「七尾与史」について

 

七尾与史」は、第8回「このミステリーがすごい!大賞で、
死亡フラグが立ちました!」が最終選考に残りましたが、結局受賞には至りませんでした。

ですが、内容が評価されて2010年7月に隠し玉として同作で作家デビュー。売上24万部を突破しています。

 

主な「小説」に、

出版元 小説
2010年7月 宝島社文庫 死亡フラグが立ちました!
2011年2月 徳間文庫 失踪トロピカル
2011年8月 幻冬舎・文庫 ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件
2012年6月 ポプラ文庫 山手線探偵 まわる各駅停車と消えたチワワの謎
2014年9月 新潮文庫nex バリ3探偵 圏内ちゃん
2012年5月 宝島社文庫 殺戮ガール

「死亡フラグ」シリーズ、「ドS刑事」シリーズ、
「山手線探偵」シリーズ、「バリ3探偵」シリーズと、シリーズものがかなりありますので、続編を読み進めていくだけでも、相当な時間を潰せますから、私にとって非常に重宝している作家さんです。いつも助けてもらっています。

 

改めて表にしてみると、ふざけたタイトルばかりですけど、これが意外と読んだらハマるという「小説」ばかりですので、「七尾与史」の作品を読んだことがない方、
騙されたと思って読んでみてください。

騙されなかった人70%
騙された人30%

これぐらいの確率になるのではないかと、個人的には思っています。

70%・・・、
言い過ぎたかもしれませんが。

 

 

最後に

 

私は普段、朝の通勤時間中に電車の中で「小説」を読んでいます。

それ以外の時間帯には一切読んでおりません。家で読むことは皆無です。

それがクセになっていると言えばそれまでですが、
1番集中して読めるのが朝なんですよね。

「これから仕事か〜」

憂鬱な時間帯を少しでも楽しめるように、
電車の中で「小説」を読んで気を紛らわしています。現実逃避みたいなもんですね。

そんなイヤな時間帯をいつも助けれくれているのが、
七尾与史」です。

これからも、
暇で憂鬱な時間帯を助けていただきたい、
こう強く思っています。

 

ではまた。

 

 

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