「詰将棋の世界」を描いた「ミステリー小説」、65歳のデビュー作!

2020年2月11日

これまでに、ある程度「小説」を読んできましたけど、

こんなモチーフの「小説」は初めてでした。

知っているジャンルではありますが、

そこまで深く知らない、

そんな「小説」です。

羽生名人藤井聡太加藤一二三、私はこれだけしか名前が出てきません。

将棋の世界」、

さらにそこから奥深くに存在している、

詰将棋の世界」、

その「詰将棋の世界」をモチーフとした「ミステリー小説」、

紹介します。

「詰将棋の世界」を描いた「ミステリー小説」

 

盤上に死を描く 井上ねこ

第17回(2018年)「このミステリーがすごい!大賞

受賞・最終候補作著者
大賞怪物の木こり倉井眉介
優秀賞盤上に死を描く井上ねこ
U-NEXT-カンテレ賞名もなき復讐者 ZEGEN登美丘丈
隠し玉キラキラネームが多すぎる 元ホスト先生の事件日誌黒川慈雨
クサリヘビ殺人事件 蛇のしっぽがつかめない越尾圭
勘違い 渡良瀬探偵事務所・十五代目の活躍猫森夏希
偽りの私達日部星花
最終候補砂漠のサアル 血の復讐澤隆実
ライク・ライカ朝倉雪人
セリヌンティウス殺人事件小塚原旬

 

ネタバレをせずに、紹介します

 

事件の始まりは「」です。

71歳の老婆が自宅で殺害されました。
片手に握りしめていたのが将棋の「」・・・。

・水科優毅(みずしなゆき)
愛知県警捜査一課に所属する30歳の女性巡査部長
女性にしては背が高く、ショートカット、よく男性に間違わられますけど、読書家の一面も。
ある日の休日、
水科は休暇を楽しんでいましたが、携帯に着信が。
71歳の老婆殺害事件に駆り出されてしまいます。そして、
老婆の片手に握りしめていた将棋の「」、
水科はここから「詰将棋の世界」に引きずり込まれていきます。
というか、舞い戻るハメに・・・

 

・佐田啓介(さたけいすけ)
水科とコンビを組んで事件を追う巡査部長
端正な顔立ちのナイスガイ。
水科の思考だと、中年女性を相手にしたホストクラブにいそうなタイプ、という事です。
物腰も柔らかいし、たまに見せる子供のような無邪気な一面を併せ持った、
巡査部長です、一応。

水科と佐田は、最初の事件からコンビを組んで真相に迫っていきます。

71歳の老婆が握っていた将棋の「」、

そしてさらに事件が起こり・・・、75歳の老婆が殺害されました。

スーツのポケットにはまたしても将棋の「」が・・・。

連続して起きていく殺人事件、被害者に必ず付きまとっている将棋の駒

詰将棋の世界」をモチーフにした「ミステリー小説」、
盤上に死を描く
詰将棋とミステリーの融合を堪能してください。

 

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「詰将棋の世界」を描いた「ミステリー小説」を読んだ方達のレビューを、紹介します

 

「盤上に死を描く」を読んだAさんのレビュー

連続殺人と詰将棋を結びつけたアイデアは斬新です。
江戸川乱歩賞に応募していたら、こんな理由で連続殺人を行うなんてありえない!
と、言われていた可能性はありますけど、このリアリティのなさ加減が本格ミステリーの醍醐味を堪能させてくれます。
このミス大賞らしい作品で、出来も良いと思います。

 

「盤上に死を描く」を読んだBさんのレビュー

詰将棋を殺人のフレームに持ってくるのは斬新で、
なかなかな着眼点だと思います。
将棋素人なので、よく分からない発想なのは否めませんけど。
詰将棋に詳しかったら、もっと楽しめたのかもしれません。

 

「盤上に死を描く」を読んだCさんのレビュー

詰将棋とミステリを絡めた怪作。
将棋好き、詰将棋好きなら謎の連続殺人が描く盤面に気付いた時にグッと引き込まれる事、
請け合いです。
しかし、
犯人当てゲームとしてはアンフェアな部分があるので、純正ミステリファンには好かれないかも、
ですね。

 

「盤上に死を描く」を読んだおじさん

将棋を指すことは出来ます。詰将棋も一応、知ってはいます。
ただ、
将棋は強くないし、詰将棋にも詳しくないです。興味もあまり・・・。
ですが、
そんな私でも最後まで楽しめたのが、
盤上に死を描く」でした。

皆さんがおっしゃっている通り、
将棋を多少知っていないと、詰将棋を理解するのは難しいと思います。
詰将棋のマニアもいるんです。
将棋のマニアがいるのは分かりきっていますけど、
詰将棋のマニアがいる事はこの「小説」で知りました。

将棋を知らない方、詰将棋に興味のない方にオススメするのはどうかと・・・。
多少知っていないと、読み進めるのが厳しいかもしれません。

ミステリー小説」として楽しむなら、
犯人がなぜ、将棋の駒を残していったのか、なぜ老人ばかりを狙ったのか、
その謎解きを楽しんで頂けばなと。驚愕の真相が待っていますからね。
そして、
この「盤上に死を描く」を読み進めれば、
多少ですけど、詰将棋について知識がつきますから、
どんな世界なのか知りたい方に、読んでみてほしい作品です。

井上ねこのデビュー作、
盤上に死を描く
ちょっとだけ「詰将棋の世界」に触れてみてください。

 

 

井上ねこ(65歳)について

 

井上ねこは、
「盤上に死を描く」で、
第17回(2018年)「このミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞しました。

史上最年長65歳での受賞です。

ミステリー作家としてデビューした65歳

井上ねこ、なんて呼び捨てに出来ません。ねこさんです。

ねこさんは、
昔から将棋と「ミステリー小説」が好きだったらしく、
今回の「盤上に死を描く」のトリックを思い付いたのはなんと、12年前だそうです。
「冒頭とラストができても、途中の展開がうまくいかず」
という事で、
「小説を書くために基礎を身につけよう」
と、小説現代(講談社)のショートショートコンテストに応募を続け、
文章力を鍛えてきた鉄人です。

私がその年齢になった時、
そんなパワーを持っているとは到底思えません。まさに鉄人ではないかと。

ミステリー作家として65歳でデビューした遅咲きの井上ねこさん、

「『このミス』は懐が深くて、年齢制限無しで受賞できた。同じように定年後に小説を描き始めた人たちにも希望を与えることができたと思う。長く書いていければ」

と語っていました。

井上ねこさん、次回作も読ませて頂きます。もう呼び捨てにはしません。

 

最後に

 

「将棋」 「ミステリー小説」

で検索してみると、意外と見つかるんですよね。

将棋の世界」をモチーフにした「将棋ミステリー」なるものが存在しています。

私は読んだ事がありませんけど、

将棋好きな方にはたまらない「小説」なんでしょうね。
想像しやすいでしょうし。

今の将棋人気の高さに便乗してですね、
盤上に死を描く」を読み進めるのもアリかなと。
将棋を知るキッカケ、詰将棋を知るキッカケにしてください。
ハマるかもしれませんよ。

ではまた。

 

「このミス!」大賞関連、オススメ「小説」

 

このミステリーがすごい!大賞関連の、

オススメ「小説」を紹介させて頂きます。

読みやすい「小説」ばかりですけど、
中には、トラウマになり得る作品も含まれていますので、
気を付けながら読み進めてください。

 

 

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