「江戸川乱歩賞」の歴代受賞作、「小説」選びの選択肢としておすすめ

2020年2月11日

小説」を読むという行為が、

完全に暇潰しと化しているおじさんですけど、

小説」を選ぶという行為にはいつも悩まされます。

好きな作家の作品がどんどん出版されれば助かりますけど、

1月に1冊ペースとはいきませんので、

やっぱり悩まされるんですよね。

そんな時に助けてもらうのが、「小説」の賞レースです。

前回に書いた「このミス大賞関連
以前に書いた「本屋大賞関連

賞レースに関連した「小説」を、読む候補として頭の中に入れておくと、

少しは楽になります。

という事で、

今回は「江戸川乱歩賞」を紹介したいと思います。

 

「江戸川乱歩賞」とは

 

江戸川乱歩賞」は、
1955年、江戸川乱歩の寄付を基金として、日本推理作家協会により、
探偵小説を激励するために制定された文学賞です。

江戸川乱歩とは

江戸川乱歩(1894年10月21日〜1965年7月28日)は、
大正から昭和期にかけて、主に推理小説を得意とした小説家・推理作家です。

明智小五郎ものとして、
「黄金仮面」、「D坂の殺人事件」、「心理試験」など。

探偵小説として、
「人間椅子」、「陰獣」、「鏡地獄」など。

少年探偵団・怪人二十面相ものとして、
「怪人二十面相」、「少年探偵団」、「仮面の恐怖王」など。

映画化、漫画化された作品を数多く世に送り出した作家です。

 

江戸川乱歩賞」は第3回以降、
長編小説を公募して、その中から優秀作品に与えられる事になりました。
現在、推理作家への登竜門として知られています。

正賞として江戸川乱歩像
副賞として1000万円が贈呈されます。

 

第1回〜第15回までの受賞作

 

江戸川乱歩賞」 第1回〜第15回

回(年) 受賞作 著者
第1回(1955) 探偵小説辞典 中島河太郎
第2回(1956) ハヤカワ・ポケット・ミステリ 早川書房
第3回(1957) 猫は知っていた 仁木悦子
第4回(1958) 濡れた心 多岐川恭
第5回(1959) 危険な関係 新章文子
第6回(1960) 受賞作なし 受賞者なし
第7回(1961) 枯草の根 陳舜臣
第8回(1962) 大いなる幻影 戸川昌子
華やかな死体 佐賀潜
第9回(1963) 孤独なアスファルト 藤村正太
第10回(1964) 蟻の木の下で 西東登
第11回(1965) 事件の核心 西村京太郎
第12回(1966) 王将に児あり 斎藤栄
第13回(1967) 伯林 一八八八年 海渡英祐
第14回(1968) 受賞作なし 受賞者なし
第15回(1969) 高層の死角 森村誠一

早川書房の「ポケット・ミステリ」、
その画期的な大量出版に対して贈られました。
個人にではなく出版社へ、文学界への貢献度が評価されたようです。

第1回の1995年は、昭和30年です。

昭和30年
電気洗濯機電気冷蔵庫テレビが「三種の神器」と呼ばれていた時代です。
後楽園遊園地がオープン、
ヒット曲は中村メイコさんの「田舎のバスで」・・・知りません。

そして、
江戸川乱歩賞」の受賞者で知っている名前は2つだけです。
西村京太郎森村誠一
十津川警部の出てこない西村京太郎作品が「江戸川乱歩賞」を受賞しています。

 

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第16回〜第30回までの受賞作

江戸川乱歩賞」 第16回〜第30回

回(年) 受賞作 著者
第16回(1970) 殺意の演奏 大谷羊太郎
第17回(1971) 受賞作なし 受賞者なし
第18回(1972) 仮面法廷 和久峻三
第19回(1973) アルキメデスは手を汚さない 小峰元
第20回(1974) 暗黒告知 小林久三
第21回(1975) 蝶たちは今・・・ 日下圭介
第22回(1976) 五十万年の死角 伴野朗
第23回(1977) 時をきざむ潮 藤本泉
透明な季節 梶龍雄
第24回(1978) ぼくらの時代 栗本薫
第25回(1979) プラハからの道化たち 高柳芳夫
第26回(1980) 猿丸幻視行 井沢元彦
第27回(1981) 原子炉の蟹 長井彬
第28回(1982) 焦茶色のパステル 岡嶋二人
黄金流砂 中津文彦
第29回(1983) 写楽殺人事件 高橋克彦
第30回(1984) 天女の末裔 島井加南子

第16回の1970年は、昭和45年です。

昭和45年
大阪万博開幕(入場者6421万8770人)。
ケンタッキー1号店が名古屋マクドナルド1号店が銀座にオープンした年です。
ヒット曲は皆川おさむさんの「黒ネコのタンゴ」、かろうじてタイトルは知っています。

江戸川乱歩賞」の受賞者で知っている名前は1つだけ。
和久峻三、名前しか知りませんけどね。

 

第31回〜第45回までの受賞作

 

江戸川乱歩賞」 第31回〜第45回

回(年) 受賞作 著者
第31回(1985) 放課後 東野圭吾
モーツァルトは子守唄を歌わない 森雅祐
第32回(1986) 花園の迷宮 山崎洋子
第33回(1987) 風のターン・ロード 石井敏弘
第34回(1988) 白色の残像 坂本光一
第35回(1989) 浅草エノケン一座の嵐 長坂秀佳
第36回(1990) 剣の道殺人事件 鳥羽亮
フェニックスの弔鐘 阿部陽一
第37回(1991) ナイト・ダンサー 鳴海章
連鎖 真保裕一
第38回(1992) 白く長い廊下 川田弥一郎
第39回(1993) 顔に降りかかる雨 桐野夏生
第40回(1994) 検察捜査 中島博行
第41回(1995) テロリストのパラソル 藤原伊織
第42回(1996) 左手に告げるなかれ 渡辺容子
第43回(1997) 破線のマリス 野沢尚
第44回(1998) 果つる底なき 池井戸潤
Twelve Y.O. 福井晴敏
第45回(1999) 八月のマルクス 新野剛志

第31回の1985年は、昭和60年です。

昭和60年
任天堂「ファミコン」がブーム、ビックリマンチョコの大ヒット、
青函トンネル本坑が貫通、関越自動車道が開通、金妻が流行語になるなど、
おじさんにはしっかりと記憶があります。
ヒット曲はチェッカーズの「ジュリアに傷心」、
映画では「ゴーストバスターズ」が大ヒット、記憶に新しいとは言いませんが懐かしいですね。

江戸川乱歩賞」の受賞者の中に、どんどん知っている作家が増えてきました。
真保裕一の「連鎖」は読んでおります。

 

第46回〜第60回までの受賞作

江戸川乱歩賞」 第46回〜第60回

回(年) 受賞作 著者
第46回(2000) 脳男 首藤瓜於
第47回(2001) 13階段 高野和明
第48回(2002) 滅びのモノクローム 三浦明博
第49回(2003) マッチメイク 不知火京介
翳りゆく夏 赤井三尋
第50回(2004) カタコンぺ 神山祐右
第51回(2005) 天使のナイフ 薬丸岳
第52回(2006) 東京ダモイ 鏑木蓮
三年坂 火の夢 早瀬乱
第53回(2007) 沈底魚 曽根圭介
第54回(2008) 誘拐児 翔田寛
訣別の森 末浦広海
第55回(2009) プリズン・トリック 遠藤武文
第56回(2010) 再会 横関大
第57回(2011) よろずのことに気をつけよ 川瀬七緒
完盗オンサイト 玖村まゆみ
第58回(2012) カラマーゾフの兄妹 高野史緒
第59回(2013) 襲名犯 竹吉優輔
第60回(2014) 闇に香る嘘 下村敦史

第46回の2000年、平成12年です。

平成12年
シドニーオリンピックが開催、新紙幣2000円札が発行されています。
都営地下鉄大江戸線が全線開通したのもこの年です。
おっはーが流行語。
ヒット曲はサザンの「TSUNAMI」、福山雅治の「桜坂」。
映画「グリーンマイル」が大ヒットした年、
記憶に新しいですね。

江戸川乱歩賞」の受賞作でようやく、読んで記事にしている作品が出てきました。
首藤瓜於の「脳男」、高野和明の「13階段」、どちらもおすすめです。

 

第61回〜第65回までの受賞作

 

江戸川乱歩賞」 第61回〜第65回

回(年) 受賞作 著者
第61回(2015) 道徳の時間 呉勝浩
第62回(2016) OJKJQ 佐藤究
第63回(2017) 受賞作なし 受賞者なし
第64回(2018) 到達不能極 斎藤詠一
第65回(2019) NOIRを縫う彼女 神護かずみ

第61回の2015年は、平成27年です。

平成27年
又吉直樹の「火花」が第153回芥川賞を受賞
第8回ラグビーW杯で日本が南アフリカから歴史的勝利
ヒット曲は知らない曲ばかりです。
映画「ジュラシック・ワールド」が大ヒット。

江戸川乱歩賞」、神護かずみの「NOIRを縫う彼女」は、
2019年6月6日に受賞、令和初の「江戸川乱歩賞」を受賞しています。

 

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最後に

 

第1回は昭和30年

今までの歴代「江戸川乱歩賞」受賞作をザックリとではありますが、

書かせて頂きました。

全ての作品をおすすめと言っている訳ではありません。
読んでいる作品も少ないですし。

読む「小説」にどうしようもなく悩んだら、

選ぶ際の1つの選択肢として利用して頂く、

そんな想いだけです。

東野圭吾真保裕一などであれば、
外れも少ないでしょうし、これから先、読み進めてみる作家として候補にしておくと、
後々楽だと思います。作品自体の数も多いですしね。

江戸川乱歩賞」受賞作、

1度手に取ってみてはいかがでしょうか。

ではまた。

 

 

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