城山真一『看守の流儀』あらすじと感想、「このミス」大賞受賞作家によるシリーズ1作目

第14回(2015年)、
「このミステリーがすごい!」大賞の大賞を受賞した城山真一
(「ブラック・ヴィーナス 投資の女神」で受賞)

その著者による刑務所ミステリー看守の流儀

看守の流儀

✅ 5つの物語が連なる連作短編集

✅ 伏線が全て回収され、ラストではさらに驚愕の結末が・・・

✅ シリーズ化されて2作目も発売中(「看守の信念」)

石川県金沢の刑務所を舞台に、
刑務官(看守)と受刑者たちを主人公としたミステリー小説です。

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城山真一『看守の流儀』あらすじと感想

看守の流儀目次
  • 第一話「ヨンピン」7〜
  • 第二話「Gとれ」87〜
  • 第三話「レッドゾーン」157〜
  • 第四話「ガラ受け」231〜
  • 第五話「お礼参り」311〜

 

あらすじ

看守の流儀』あらすじ

第一話「ヨンピン」
ヨンピンとは・・・服役期間の残り4分の1を残して仮出所する模範囚を意味する刑務所内での隠語)
金沢にある加賀刑務所
「61歳になる受刑者が大量の薬を飲み込んで、意識不明の重体に。自殺なのか事故なのか?」
「ヨンピンの模範囚が仮出所、その後、更生施設から行方不明となった」
この2つの事件の真相に迫る、副看守長の宗方。

第二話「Gとれ」
Gとれとは・・・暴力団から足を洗うことを意味する刑務所内での隠語)
加賀刑務所
「印刷を請け負っているある大学の入試問題が、暴力団によって売り捌かれている事件が発生」
この事件を受けて、看守部長の及川は、
入試問題の入手経路と犯人を特定しようと動き出す。

第三話「レッドゾーン」
レッドゾーンとは・・・刑務所内でまともな日常生活ができない高齢の受刑者たちが大半を占めている場所を指す隠語)
加賀刑務所
「総務部で管理していた、受刑者の健康診断記録とレントゲンフィルムの消失事件が発生」
この事件を追いかける総務部課長の小田倉。
しかし、
刑務所内での部署間の対立や確執が、小田倉の前に立ちはだかる・・・。

第四話「ガラ受け」
ガラ受けとは・・・受刑者が仮出所するときに、家族や後見人が身柄を引き受けることを意味する隠語)
加賀刑務所
「すい臓がんで余命3ヶ月を宣告された模範囚の受刑者、ガラ受けを家族が受け入れてくれれば、残された時間を家族と過ごさせてやれる・・・」
刑務官の西門はこの思いを胸に受刑者の家族に会いに行くが、
家族はその申し出を断固として拒否。
何故なのか?
家族と受刑者の間にある隠された思い・・・。

第五話「お礼参り」
お礼参りとは・・・悪い意味だけを抜粋すると、仕返し/報復/復讐/敵討ち/仇討ち、など)
加賀刑務所
「満期出所した元放火犯、警察と連携して再犯を防ごうと監視するが、元放火犯は行方をくらませた」
石川県警の赤塚と、加賀刑務所の刑務官伊井は、
元放火犯の行方を追いかけることに。

この5つの物語で構成された連作ミステリー、
そして、
上級刑務官の火石司(ひいしつかさ)という存在。

看守の流儀

 

 

おじさんの感想

おじさんの声
おじさんの声
看守の流儀』の感想

 

(様々な葛藤を描いた人間ドラマ、良作ミステリー

8.5

 

第14回「このミス!」大賞の大賞受賞作、
「ブラック・ヴィーナス 投資の女神」を読んだ記憶が無いので、初読みだと思われる作家さん、
城山真一看守の流儀

 

非常に面白かったです。

 

連作短編という読みやすさもありますけど、
ドロドロとした殺人事件がテーマとなっているようなミステリーではなく、
受刑者との境界線に葛藤し揺れ動く刑務官たちの人間ドラマ、といった印象でした。

 

凄惨で派手な事件や事故が巻き起こらなくても、
良作なミステリー小説としてサクサク読み進められる稀な1冊です。

 

全然飽きませんでしたね。

 

ラストには、

 

「あっ、そういうことですか!!!」

 

なんて伏線回収と驚きもありますので、最後まで楽しめるのではないかと。

 

ただ、
上にも書きましたが、ド派手に人が犠牲になっていくようなミステリーを好む方には、
ちょっと物足りなく感じてしまうかも・・・。

 

ミステリーですけど、スリラー感やハードボイルド感はほぼありませんから。

 

特殊な環境で特殊な職業に就いている人たち、
その彼らの葛藤と強烈な使命感を描いた人間ドラマ
全てに共感は出来ないかもしれません。

 

それでも読んでおいて損の無い1冊、
城山真一看守の流儀、気になる方は手に取ってみてください。

 

 

城山真一の「このミス」大賞

城山真一(1972年〜)は、
石川県出身の小説家です。

•2015年に「国選ペテン師千住庸介」でデビュー

•同年、「ブラック・ヴィーナス 投資の女神」で、
第14回「このミステリーがすごい!」大賞の大賞を受賞

第14回「このミステリーがすごい!」大賞
大賞「神の値段」
(著者:一色さゆり)
ブラック・ヴィーナス 投資の女神
(著者:城山真一
優秀賞「たまらなくグッドバイ」
(著者:大津光央)
隠し玉「カササギの計略」
(著者:才羽楽)
「何様ですか?」
(著者:枝松蛍)
最終候補「ヘリオス・フォーリング」
(著者:村上暢)
「南の島に物語が降る」
(著者:木村一男)

•2022年、看守の流儀の続編、
シリーズ2作目となる「看守の信念」を発表
(収録話:しゃくぜん/甘シャリ/赤犬/がて/チンコロ)

第14回「このミステリーがすごい!」大賞の大賞を受賞した、
「ブラック・ヴィーナス 投資の女神」は2017年に文庫化、
改題され「天才株トレーダー・二礼茜 ブラック・ヴィーナス」として発売されています。

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シリーズ2作目「看守の信念」

•城山真一の刑務所ミステリー看守の流儀
その続編が2022年2月に宝島社から発売中です。

シリーズ2作目「看守の信念
(収録話:しゃくぜん/甘シャリ/赤犬/がて/チンコロ)

看守の流儀がハードカバーから文庫化されるまでにかかった時間は、
約2年間。

シリーズ2作目「看守の信念」の発売年は今年、2022年。

もしかすると、文庫本として読めるのは約2年後・・・。

通勤時間の電車内が主な読書場となっている私にとって、
ハードカバーの大きさは死活問題です。
気長に待つしかありません・・・。

 

最後に

初読みの作家さん、
城山真一看守の流儀を紹介させていただきました。

刑務所の中、刑務官と受刑者を主人公とした物語でしたので、
読み進めながら内容は全然違うのに、少しだけ、
映画「グリーンマイル」を思い出していました。

ファンタジー要素なんて皆無なんですけど、
なぜかふと、刑務所/刑務官/受刑者と並んでしまうと「グリーンマイル」が今だに頭の中にチラついてしまいます。

個人的には、
「ショーシャンクの空に」よりは「グリーンマイル」の方が断然好き・・・、
どうでも良い事をすいません。

トム・ハンクスとは一切関係の無い看守の流儀
面白かったので是非読んでみてください。

ではまた。

 

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