現実か空想か?久坂部羊の『黒医』、7つの短編で描くブラックな医療界

2020年8月26日

楽しい話ではありません。

むしろ、

知らない方が良かったと思える話ばかりです。

現役のお医者さんが書いている小説ですので、
どうしても現実感を伴って読み進める事となってしまいます。

本当なんだろうか
こうなってしまうのだろうか
信じてもいいのだろうか

そんな疑問ばかりが湧いてくるような小説、

久坂部羊の『黒医』。
「こくい」と読むらしいですが、
黒い医者、なのか、黒い医療、なのか、

7つの短編から何を感じ取ってしまうのでしょうか?

 

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久坂部羊の『黒医』

 

黒医』 久坂部羊

黒医あらすじ

医者も医療も、無意識に信じていいのだろうか
医療や技術が進歩していく先に、幸せな人生は待っているのか
医療と社会とあなたの未来、
救いはあるのか
・人間の屑
・無能児はバラ色の夢を見るか?
・占領
・不義の子
・命の重さ
・のぞき穴
・老人の愉しみ
7つの物語医療界の未来社会の未来、そして、
あなたの未来を考えて欲しい。

〜『黒医』〜

 

久坂部羊の『黒医』は、
7つの物語で形成されている短編集です。
ブラックユーモアと言いますか、怖すぎる未来への警鐘、とでも言いますか、
楽しい話ではないですけど、どうも、読み進めるスピードが落ちません。

 

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『黒医』で描かれている7つの物語

 

☆人間の屑

 

努力と競争こそ絶対!、「ネオ実力主義」が根付いて、働かない者は人間の屑と糾弾されてしまう社会。
そんな社会の中で、思いがけずに病気になってしまった男の話。
働かない者への未来は・・・。

 

☆無能児はバラ色の夢を見るか?

 

何の疑いも持たず、新型の出生前診断を受けて、
お腹の中の新しい命に重い障害があると診断された夫婦の苦悩
新しい命の未来は・・・。

 

☆占領

 

日本の未来は、超超超高齢者社会となっているかもしれない。
お年寄りと若者の間の溝が埋まる事はなく、上辺だけの優しい社会が形成されている可能性も。
優先されるべき事に変化が・・・日本の未来?

 

☆不義の子

 

自分の子供には優秀な遺伝子を残してあげたい。
母親なら当然の望みなのかもしれないが、時として、極端な行動に出る母親もいるのかも。

知らない方がいい未来もありそう・・・。

 

☆命の重さ

 

骨髄バンクのドナー登録
医療は、万全の体制でドナーの安全を最優先にした骨髄採取を行なっている。

あなたは、すでに、今、未来で、

信じ切ってドナー登録ができますか・・・。

 

☆のぞき穴

 

子供の時の体験は、大人になっても強烈に残っている事がある。

良い思い出として、時には、悪い思い出となってトラウマになっている可能性もある。

産婦人科医にだって、強烈に残っている思い出がある。

歪んだ心を持った産婦人科医、いないとは言い切れない。

新しい命の未来を託せるのか・・・。

 

☆老人の愉しみ

 

財産と言えるほどの老後資金を持っていれば、それだけで幸せなのか

医者を引退して、十分な老後資金もあって、何不自由なく暮らしていける。

でも、

愉しい事が1つも無い、その代わりに、金を巡っての面倒臭い事ばかり。

未来

愉しい事は増える面倒臭い事は減る

7つの短編で形成されている、
久坂部羊の『黒医
ブラックなお話ばかりですが、なぜか読み進めるスピードが緩まない小説となっています。

 

『黒医』を読んだ方達のレビューを、紹介します

 

男性の声
男性の声
『黒医』を読んだ感想

久坂部羊先生、現役医師ならではのブラックユーモアとでも言いますか。
読んでいて楽しくはなれませんでした。

 

男性の声
男性の声
『黒医』を読んだ感想

7編収録の医療の未来を描いたブラックな短編集です。
爆発的な高齢者の増加により、貴重な働き盛りの若者が優遇される未来、生まれてくる子供がか抱える障害に右往左往する夫婦、
少年時代に女性器に異常な興味を持った産婦人科・・・。
現実と創作の境目が解らなくなりそうなブラックな短編ばかりですが、
少し物足りなさを感じてしまいました。

 

女性の声
女性の声
『黒医』を読んだ感想

何というか、後味が悪い話ばかりの短編集でした。出先だったので全部読みましたが、自宅で読んでいたら数話で放棄していたと思います。
このまま少子高齢化が進むと、本当に大変なんだないうことは理解出来ました。

 

 

『黒医』を読んだおじさんの感想

おじさんの声
おじさんの声
医療系の小説は好きな方なので、新しい文庫が出れば、常に読んでいる久坂部羊の作品。
今回の『黒医』もブラックユーモアたっぷりな小説となっています。
ユーモアがあるのかどうかは微妙ですけど。

 

7つの短編集
1つ1つがかなり重いお話ですので、決して面白いとか楽しい気持ちになるとは言えません。
現役のお医者さんが書いているので、現実感もタップリと味わってしまいますし。
ただ、読み応えは十分にあると言える小説です。

 

久坂部羊の小説を読むと、
医療界は怖い!お医者さんを信じられない!
と、極端な考えに陥ってしまいそうですが、
私はいつも、
「そんな医者は1部でしょ?いるにはいるんだろうけど・・・
と考えるようにし、小説として楽しもうと思いつつ読み進めています。怖くなってしまいそうなので。

 

そんな予防線を張っているにも関わらず、
常に怖さを感じてしまうのが久坂部羊の小説です。
ブラックユーモアからユーモアが消えかかっている感じを受ける、
ブラックな小説『黒医
面白いとは言いませんが、読み応えは十分です。
読み進めてはいかがでしょうか?これから先、未来で。

 

 

 

久坂部羊の医療系小説のオススメ

久坂部羊(1955年7月3日〜)は、
日本の小説家、推理作家、医師です。

主な医療系小説のオススメは、

刊行年 発行元 タイトル
2005年4月 幻冬舎文庫 廃用身
2007年7月 幻冬舎文庫(上下巻) 破裂
2008年9月 幻冬舎文庫 無痛
2012年5月 幻冬舎文庫(上下巻) 神の手
2017年3月 朝日文庫 悪医
2017年2月 集英社 テロリストの処方
2017年8月 幻冬舎 院長選挙
2017年11月 新潮社 カネと共に去りぬ
2018年10月 幻冬舎 告知
2019年12月 角川文庫 黒医

2003年「廃用身」で作家デビュー。

作家として2作目の「破裂」で、
現代版の「白い巨塔」と評価されました。

2014年、
悪医」で第3回日本医療小説大賞受賞

現役のお医者さんです。

全てが読み応え十分な作品となっていますが、
個人的に1番、そのままブラックユーモアだなと思う作品は、
院長選挙」ですね。

お金、権力、地位や名誉、
そんなに欲しくなるんだなと、滑稽なほど笑えますし。

久坂部羊の作品をまだ読んでいないのなら、
院長選挙」からブラックなコントの数々を楽しんで頂いてから、
ちょっと怖さのある「悪医」や『黒医』に挑んで欲しいと思っています。

その方が久坂部羊に対する免疫が出来きますので、
個人的にそんな順番をオススメさせて頂きます。

 

最後に

 

久坂部羊ブラックな医療小説
黒医』を紹介させて頂きました。

医療小説なら海堂尊の方が、
エンタメ系の色が強いので、楽しむために読むにはオススメですが、
もう少し、ダークで現実感のある医療界を感じてみたいなら、
久坂部羊医療小説を手に取ってみてはいかがでしょうか。

楽しめるとは言いませんし、
面白がれるとも、言えません。

が、

妙なリアリティを感じられて、
不思議と最後まで読むスピードが緩まない作品ばかりです。
ちょっと怖いですしね。

現役のお医者さんが書いている医療小説

1度挑戦してみてください。

ではまた。

 

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