久坂部羊の「院長選挙」、ブラックなコントの数々をお楽しみください

2020年2月11日

あなたの知らない世界大学病院編

私たち一般人が目にする事の出来ない、知られざる世界を題材にした、

医療界ドロドロした人間模様」を赤裸々に語り尽くす物語です。

医療ミステリー」ではありません。

医療ブラック・コメディ」です。

大学病院内で行われるコントの数々

お楽しみください。

 

久坂部羊の「院長選挙」、ブラックなコントの数々

 

院長選挙」 久坂部羊


 

ネタバレをせずに、紹介します。

主人公は女性フリーライターです。

・吉沢アスカ
医療崩壊の救世主たち」という企画で、
天都大学医学部付属病院(通称:天大病院)の教授たちに取材をする女性ライターです。
先日、天大病院の院長が突然死、4人の副院長が「院長選挙」を控えている状態、
そんな中、アスカ4人の副院長へ取材をしていきます。

1人目は、
天大病院の副院長:循環器内科の徳富恭一教授
心臓以外の器官を認めようとしない心臓至上主義な教授

2人目は、
天大病院の副院長:消化器外科の大御所、大小路篤郎教授
内科嫌いで、色情狂の大御所教授

3人目は、
天大病院の副院長:整形外科の鴨下徹教授
改革派の整形外科教授

4人目は、
天大病院の副院長:眼科の百目鬼洋右教授
大学病院の収益4割を稼ぐ眼科教授お金が大好き

この4人への取材を通して、
アスカは、天大病院内に巣食っているを徐々に感じていきます。

欲の塊でしかない教授たち
わがまま自惚れ傲慢嫉妬強欲、ありとあらゆる欲が白衣に着替えて
地位と名誉を手に入れてしまった教授たちが繰り出す、
ブラック・コメディ、そして、
コントの数々

最後の最後に書かれている恐ろしい1文

「この作品はフィクションであり、実在の人物・団体とは、
ちょっとしか関係ありません。」

久坂部羊の「院長選挙」、
お楽しみください。

 

久坂部羊の「院長選挙」を読んだ方達のレビューを、紹介します

 

「院長選挙」を読んだAさんのレビュー

めちゃくちゃ面白かったです。
各診療科のことがコミカルながらとても分かりやすく書かれていました。
病院ってどういう仕組みになっているのか知らなかったので、勉強になりました。
とはいえ、
全部鵜呑みにするわけではないですが、とにかく一気に読めました。
他の著作も読んでみたいですね。

 

「院長選挙」を読んだBさんのレビュー

本当に医大の教授たちはこんなに酷いのか?
と思いつつ読みました。
誇張はあると思いますけど、全部が全部じゃないと信じたいです。

 

「院長選挙」を読んだCさんのレビュー

「白い巨塔」ならぬ「面白い巨塔」。
かなり誇張して描かれているとはいえ、患者の立場からしたら、面白いどころか、
ショックで昏倒してしまいそうな、大先生達の本音と実態です。
ブラックユーモアなんだろうけど、ブラックの部分がキツすぎて、
引きつった笑いにしかなりませんでした。

 

「院長選挙」を読んだおじさん

久坂部羊の医療界を描いた「小説」ということだけを頼りに、
事前情報無しに読み進めた作品でした。
面食らいましたね。

医大の教授ってこんな感じ
大学病院ってこんな酷いの
院内で繰り広げられる数々のコントは何
病院も先生も教授も、もう信じられない

まともに受け取って、真面目に読み進めてしまうと、そうなってしまいますので、
フィクションとしてお楽しみください。
作者もラストで言っているように、
ちょっとしか関係ありません」
という事ですので、全ての大学病院、教授に当てはまる訳ではありません。
ちょっとだけ」です。
どの部分
こんな疑問を抱かずにですね、読み進めて頂ければ楽しめます。

大学病院の教授達をブラック・コメディタッチで描き、
数々のコントを織り交ぜながら、
ラストの1文で背筋をヒヤッとさせる「恐怖小説」、
院長選挙
病院を嫌いにならない事を祈っています。

 

 

久坂部羊について

 

久坂部羊(1955年7月3日〜)は、
日本の小説家、推理作家、医師です。

主な小説に、

発行元 タイトル
2005年 幻冬舎文庫 廃用身
2007年 破裂
2008年 無痛
朝日新聞出版 まず石を投げよ
2012年 幻冬舎文庫 神の手
2015年 無痛Ⅱ
2017年 朝日文庫 悪医
2016年 集英社文庫 嗤う名医
2017年 新潮文庫 芥川症
2014年 実業之日本社 いつか、あなたも
2017年 角川文庫 虚栄
2016年 角川書店 反社会品
朝日新聞出版 老乱
2017年 集英社 テロリストの処方
2019年 幻冬舎文庫 院長選挙
2017年 新潮社 カネと共に去りぬ
2018年 KADOKAWA 介護士K

久坂部羊は、
大阪大学医学部を卒業後、大阪大学医学部付属病院にて外科および麻酔科を研修、
その後、大阪府立成人病センター麻酔科
神戸掖済会病院一般外科に勤務。
サウジアラビア、オーストリア、パプアニューギニアの在外公館で医務官として勤務。
帰国後は在宅医療に従事。

2003年に「廃用身」で作家デビュー(文庫化は2005年)。

2015年から健診センターで非常勤医師として働き、
大阪人間科学大学講師を勤めています。

医師としての経験が豊富な作者が描いた、
ブラック・コメディタッチな「院長選挙」、
病院、医療をよく知る人物が作り上げた「小説」です。
生々しさとバカバカしさが交差した「医療小説」であり、
ラストの1文で背筋をヒヤッとさせる「恐怖小説」でもあります。

久坂部羊の「医療小説」、私たちが目にする事のない大学病院の
院長選挙」でちょっとだけ触れてみてください。

 

最後に

 

あなたの知らない世界大学病院編

久坂部羊の「院長選挙」を紹介させて頂きました。

笑いどころ満載なコントの数々で拍子抜けしますけど、

本当にいたらどうなの

と、ラストで背筋をヒヤッとさせる1面を持ち合わせている「小説」です。

真面目に「医療ミステリー」を読もうとしないで、

気軽に楽しむ「大学病院の教授たち」みたいな感じで、
肩の力を抜いて読み進めてください。医療の知識もいりません。

医療界のちょっとだけ覗き見です。
ちょっとだけ

ではまた。

 

その他、おすすめな「このミス!」大賞関連の「小説」

 

このミステリーがすごい!大賞関連の、おすすめ小説」を紹介します。

気軽に楽しめる「小説」ばかりですけど、
中には、
内容がエグくてキツい小説」も混じっています。
トラウマになり得る「小説」も混じっていますので、
気をつけて読み進めてください。

私はある「小説」を読んで、
クマがトラウマになっております。お気をつけて。

 

 

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