自衛隊のリアル、「このミス!」大賞優秀賞の「ミステリー小説」

2020年2月10日

このミステリーがすごい!大賞優秀賞を獲得した、

自衛隊のリアル」を描いた「ミステリー小説」を紹介します。

作家は元自衛官

自らの経験を活かして「ミステリー」を書き上げていますので、

 リアルさは十分に伝わってきます。

自衛隊を「ネタ」にするのは、色々と気を使いますが、

これは「小説」です。

リアルではあるけど「ミステリー小説」として楽しめる作品になっています。

 

自衛隊のリアルを描いた「ミステリー小説」

深山の桜 神家正成

第13回(2014年)「このミステリーがすごい!大賞

小説 著者
大賞 女王はかえらない 降田天
優秀賞 いなくなった私へ 辻堂ゆめ
深山の桜 神家正成
隠し玉 大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 山本巧次
殺し屋たちの町長選 加藤鉄児
最終候補 風俗編集者の異常な日常 安藤圭

 

ネタバレをせずに、紹介します。

舞台は、
アフリカの中央部に位置する南スーダンです。パッと想像し難い国ですね。
2011年7月に、スーダン共和国から独立した南スーダン、
世界で一番新しい独立国家であり、世界最貧国の1つです。
その南スーダンがこの「小説」の舞台となっています。

2012年1月から2017年5月まで、
自衛隊は南スーダンに派遣されていました。その中で起こった数々の事件、捜査を任された自衛官の2人を中心に物語は進んでいきます。

1人は定年間近の准陸尉

1人は2任期目の若い陸士長

この2人はまず、
施設内で発生していた盗難事件の捜査を開始しますが、これがなかなか解決しません。難航します。

そこに日本から派遣されてきたのが、

植木一等陸尉。相当偉くて切れ者と評判の方なんですが、ちょっと困ったことがありまして、

この植木一等陸尉オネエです。

偉くて切れ者でオネエの植木一等陸尉も捜査に加わり、
物語は一気に加速していきます。

自衛隊の置かれている立場によって、苦労を重ねている自衛官の人たち。
自衛隊の海外派遣という重いテーマを背景に、元自衛官の著者が「ミステリー小説」として仕上げた渾身の力作です。

自衛隊「ミステリー」として、「ミステリー小説」好きな方なら、
重いテーマの作品だとしても十分に楽しめる、
このミス!大賞優秀賞を受賞した「深山の桜
おすすめです。

 

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この「自衛隊のリアル」を読んだ方達のレビューを、紹介します

 

「深山の桜」を読んだAさんのレビュー

中盤過ぎまでリズムが良くなくて、読み進めづらく感じていました。
また内容もただ自衛隊を舞台にしたミステリーかと思っていましたが、終盤になって物語が加速するとともに、どんどん引き込まれました。
ただのミステリー以上の内容だと思います。

 

「深山の桜」を読んだBさんのレビュー

自衛隊、海外派遣、う〜ん、考えさせられます。
色々思うけど、ここで自説を語っても意味はないし、ただの感想だけにしておきますね。
内容は面白かったです。
重すぎず、残酷すぎず、かえってそれが現実味を増しています。だから、
今実際にその事件が起きているかも!って感じで、怖かったです。

 

「深山の桜」を読んだCさんのレビュー

南スーダンでのPKO派遣活動をベースに、派遣先での自衛隊員の生活、活動内容、心の葛藤、そして矜持を描いた作品です。
作者が元陸上自衛隊員だけあり、丁寧にリアリティを持って描かれています。
法整備の問題等考えさせられる部分もありますが、桜星の矜持を持って深山に咲く桜のような自衛隊員には感謝と敬意を持って応援したいと思います。

 

「深山の桜」を読んだおじさん

恥ずかしながら、
私は自衛隊について、これまでほとんど考えたことがありません。周りとも会話した記憶はほぼ無いですね。
どうでも良いと思っている訳ではなく、自衛隊を遠い存在として受け止めてしまっていました。
ですから、
最初、自衛隊の「ミステリー小説」は避けていたんですよね。
本屋で目にしても手に取ることはなく、他の作品をチョイスしてました。

いよいよ読む本が無くなってきた時に、致し方なく手に取ったのが「深山の桜」です。

このミス!大賞関連だし、なんとかいけるとだろう思って読み進めたら、これが正解でしたね。

まず、
著者が元自衛官ですので、自衛隊のリアルが伝わってきて読み応えが十分になっています。
細かい描写は想像し難いかもしれませんけど、元自衛官の情報の正確性は鬼気迫るものがあります。考えさせられる事ばかりです。
そして、
著者がこの自衛隊「ミステリー」をしっかりと、
読者を楽しませる「ミステリー小説」に昇華しています。実話ではありませんしね。
毛嫌いせずに読んでみて欲しい「小説」です。

テーマは重いですが、
偉くて切れ者なオネエの植木一等陸尉を楽しみつつ、
自衛官として生きる男たちの苦悩と覚悟を、
深山の桜」で確認してください。
おすすめです。

 

 

神家正成について

 

神家正成(1969年〜)は、愛知県出身の小説家です。
深山の桜」で第13回(2014年)「このミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビューした、
デビューして間もない作家さんです。まだ数年です。

主な作品は、

2016年(宝島社文庫) 深山の桜
2017年(宝島社文庫) 七四(ナナヨン)
2019年(宝島社文庫) 桜と日章

中学卒業後、自衛隊生徒として陸上自衛隊少年工科学校に入校。
続いて、富士学校を修了。その後、
戦車操縦手として勤務して、自衛隊を依願退職した神家正成
その経験を元に「小説」を執筆しているという事です。「このミス!大賞が生んだ作家さんですね。

 

私は「深山の桜」と「七四(ナナヨン)」を読み終えています。
残念ながら、「桜と日章」はまだ読んでおりません。今年中には読んでおこうと思っています。

そしてこの3冊は、
植木シリーズ」と呼ばれる、偉くて切れ者でオネエな植木一等陸尉が登場する「ミステリー小説」になっています。
本当の自衛隊に植木がいると思うと、少し背筋がピリッとしますけど、
ミステリー小説」の中なら、これほど楽しめる自衛官もそうそういないでしょうから、
是非、読んでみて確認してください。
楽しんでください。

 

最後に

 

このミステリーがすごい!大賞のおかげで、

知る事が出来た作家さんがたくさんいます。

今回の神家正成もその1人です。

もちろん、

当たりばかりではありません。

この「ブログ」で絶対に紹介しない作家さんもいます。個人的な思いですけどね。

 

自衛隊「ミステリー」という、今まで触れた事の無かったジャンルの「小説」を読む機会を与えてくれた、
このミステリーがすごい!大賞には感謝しています。
いつもながら。

 

ではまた。

 

 

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