「深町秋生」が描く「シングルマザー探偵」、連作ミステリーです

2020年2月11日

シングルマザー探偵誕生!

深町秋生」の「小説」にしては珍しいと思います。

だいたいの「小説」が、

ハードボイルド」で熱い男達が活躍する「小説」ばかりなんですが、

今回紹介する「小説」は、

ハードボイルド」感はいつもより薄めです。

あまり構えずに読める作品です。

シングルマザー探偵」が活躍する「連作ミステリー」、

紹介します。

 

「シングルマザー探偵」が大活躍

 

探偵は女手ひとつ シングルマザー探偵の事件日誌 深町秋生

目次ページ
紅い宝石5〜
昏い追跡43〜
白い崩壊95〜
碧い育成143〜
黒い夜会197〜
苦い制裁249〜

ネタバレせずに、紹介します。

物語は、
パチンコ店の朝、新装開店を心待ちにしている長蛇の列、
その列に並んでいる1人のシングルマザー
ここから始まります。

舞台となるのは山形県山形市
椎名留美(しいなるみ)が山形市に探偵事務所を開いたのは4年前です。
元刑事で、小学生の娘と暮らしているシングルマザー
娘のためにも頑張って仕事をし続けなければいけない、戦うお母さんです。

職業は探偵ですけど、
依頼される仕事はほとんど便利屋的なものばかりです。

高齢化の進む農家のお手伝い(さくらんぼ農家など)、


商店やスーパーが閉店して、買い物をするのが難しくなった高齢者のおつかい
風俗業者から頼まれた、女の子の送迎運転
そして1番多いのが、
パチンコ屋の並び代行
物語の冒頭で語られる並び代行のお仕事、
シングルマザー探偵」というより、「便利屋シングルマザー」、


そんな状態で始まる「連作ミステリー」です。

ある時、1本の電話が。

警察時代の元上司からの電話、

ここから「シングルマザー探偵」の物語は始まります。本当の意味で。

深町秋生」が、
全く新しいタイプのヒロインを大活躍させる「連作ミステリー」、
探偵は女手ひとつ シングルマザー探偵の事件日誌
シングルマザー探偵」の日々を楽しんでください。

 

「探偵は女手ひとつ」を読んだ方達のレビューを、紹介します

 

「探偵は女手ひとつ」を読んだAさんのレビュー

留美の山形弁がゆったりしていて、誤魔化されるけど、
探偵としても母親としても切り替えてやれてしまう凄腕です。
大都会とは違う雰囲気と、生活のためだけでなく、
自分の矜持をしっかり持って仕事をしているところが良かったです。

 

「探偵は女手ひとつ」を読んだBさんのレビュー

元警察官、シングルマザーの探偵が主人公のお話です。
東北弁が人情味溢れる雰囲気で面白かったです。
依頼主からの仕事でも、依頼主に疑問点があると反撃に出る正義感が頼もしかったですね。
シングルマザーで仕事が舞い込むわけでもないのに、正義のためならお金はもらわない、
脱帽です。

 

「探偵は女手ひとつ」を読んだCさんのレビュー

元刑事の女探偵が、事件を人情溢れる裁きで解決していく話です。
シリーズ物かと思いましたが違ったようです。
探偵になる前のストーリーを読みたくなりましたね。
金のためより正義のために働くのも良いものです。

 

「探偵は女手ひとつ」を読んだおじさん

深町秋生」の「小説」としては珍しく、構える事なく読み進められる作品です。
ギラギラな「ハードボイルド」作品ばかりを読んできたせいか、
探偵は女手ひとつ」を「ハードボイルド」だとは思っていません
ミステリー」色が強く、薄めた「ハードボイルド」を散りばめた、
戦うお母さん」のお話だと、個人的には思っています。

もしかすると、
全編を通して山形弁ですから、そこに引っかかる方もいるかもしれません。
ですが、不思議なことに読み進めると慣れます。
深町秋生」の力なのか、日本人だからなのか、よく分かりませんけど、
慣れて気にならなくなるんですよね。
山形弁が「ハードボイルド」感を薄めているの・・かも

それでも、
探偵は女手ひとつ」はオススメ「小説」です。読み応えのある作品です。
短編を読み進めて1つの物語に昇華させる「連作ミステリー」、
シングルマザー探偵」の活躍は哀愁もあって、楽しく読み進められます。
カッコいいし

深町秋生」のギラギラとした「ハードボイルド」を読んできた方達にとっては、
ちょっとした箸休め的な「小説」かもしれませんけど、
ギラギラばかり読んできた私でさえ楽しめた「小説」です。
シングルマザー探偵」の大活躍、
探偵は女手ひとつ シングルマザー探偵の事件日誌」
深町秋生」に少し触れるには程よい「小説」だと思っています。

 

 

深町秋生といえば

 

深町秋生(1975年11月19日〜)は、山形県出身の小説家です。

主な作品に、

出版元タイトル
2007年宝島社文庫果てしなき渇き
2008年宝島社文庫ヒステリック・サバイバー
2012年幻冬舎文庫ダブル
2012年講談社文庫ダウン・バイ・ロー
2016年集英社文庫バッドカンパニー
2016年朝日新聞出版ショットガン・ロード
2017年実業之日本社文庫死は望むところ

2004年、
第3回「このミステリーがすごい!」大賞大賞受賞作果てしなき渇き」、
2005年に同作で本格的に作家デビューです。

先ほどから書いておりますが、
作風はギラギラとした「ハードボイルド」が多い作家さんです。
私が読んできた「深町秋生作品」がそうだっただけかもしれませんけど、
肩に力が入ってしまう「小説」ばかりです。

グイグイ引っ張られる感じで読み進める「ハードボイルド」、私は大好きです。

 

今回紹介した「探偵は女手ひとつ」はそういう感じではありません。
もう少し肩の力を抜いて、気軽に楽しめる作品です。
連作ミステリー」ですから、区切りがハッキリとしていて、疲れませんしね。

深町秋生」の「連作ミステリー」、
探偵は女手ひとつ シングルマザーの事件日誌」
全編を通して会話は山形弁ですけど、読みやすいですよ。

 

最後に

 

深町秋生」の「小説」を紹介するのは、

これで3冊目です。

今回は、
シングルマザー探偵」のお話でしたが、

次回、
深町秋生」の「小説」を紹介することがあれば、

ギラギラの「ハードボイルド」を紹介したいと思っています。

私は勝手に、
それが「深町秋生」の真骨頂だと思い込んでいますのでね。

読む人を選びそうな「小説」を紹介するとこになると思いますけど、
お付き合い頂けると幸いです。

ではまた。

 

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