Netflix映画『オクジャ』で、久しぶりに「グレン」と再会【ポン・ジュノ監督作】
予告動画を初めて観た時は、
でっかいカバと共に暮らしている少女の物語かと思っていました。
まさかそのでっかいカバが、
「遺伝子操作で生み出された加工肉:特殊な豚」とは・・・。
(見た目は完全にでっかいカバです)
少女とでっかいカバの、ほのぼのストーリーじゃなかった・・・。
この作品が扱っているテーマ、重いんですよね。
食に関する事だったり、動物愛護に関する事だったり、
人間が存在している限り、永遠に答えが出ないようなものばかりです。
ただ、作品自体は全然暗くないので、そのメッセージを押し付けがましくは感じません。
「ちょっと考えてみてはいかがでしょうか?」ぐらいです。
(エグいシーンもありますが)
個人的には、しっかりと2時間楽しめた映画でした。
しかも、出演している2人の俳優にちょっと感動。久々に2人を観た気がしましたね。
ポン・ジュノ監督作『オクジャ/okja』
引き離された家族を救出しようとする少女の物語
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Netflix映画『オクジャ/okja』あらすじ
『オクジャ/okja』
鬼才ポン・ジュノ監督作!『オクジャ/okja』予告編
監督 | ポン・ジュノ |
脚本 | ポン・ジュノ、ジョン・ロンソン |
出演(役名) | アン・ソヒョン(ミジャ:オクジャを守る少女) |
ティルダ・スウィントン(ルーシー・ミランド/ナンシー・ミランド:ミランド社のCEO) | |
ポール・ダノ(ジェイ:動物解放戦線「ALF」のリーダー) | |
ジェイク・ジレンホール(ジョニー・ウィルコックス博士:ミランド社の公式キャラクター兼、動物学者) | |
スティーヴン・ユァン(ケイ:「ALF」のメンバー) | |
ピョン・ヒボン(ヒボン:ミジャの祖父) | |
ジャンカルロ・エスポジート(フランク・ドーソン:ミランド社の幹部」 | |
Netflixで2017年6月28日から配信開始 |
☆第70回カンヌ国際映画祭 メインコンペティション部門に出品
(「マイヤーウィッツ家の人々」と共にNetflix配信作品として初)
☆ポン・ジュノ監督、プロデューサー、ティルダ・スウィントンは、
2100人以上の子役候補の中から、アン・ソヒョンを確信を持って選んでいる
『オクジャ/okja』あらすじ
大企業ミランド社は、
チリで発見されたという子豚の「スーパーピッグ」を26匹、
世界各国の農家に1匹ずつ送り、より大きく育てるコンテストを開いた。
「スーパーピッグ」はどんどん大きくなり、食用の肉となって、人が口にするのは10年後。10年後。
韓国の山奥でヒボンとミジャに育てられ、巨大な「スーパーピッグ」に成長した”オクジャ”。
共に成長してきたミジャにとって、オクジャはまぎれもない家族。
その家族といきなり引き離されるとは思ってもいなかったが、
残念ながら所有権はミランド社。
オクジャは連れ去られることに。どうしても受け入れられないミジャ、
単身でオクジャを取り戻そうと山を下り、ソウルにあるミランド支社へ乗り込む。
トラックに押し込められ、ニューヨークへ輸送されそうになっているオクジャを、
ミジャはどこまでも追いかけていく。その途中、
ミランド社と敵対関係にあるALF(Animal Liberation Front)(動物解放戦線)の面々と出会い、
ただただ家族を取り戻したかっただけのミジャは、
大人の事情に巻き込まれて、オクジャと共にニューヨークへ。「スーパーピッグ」の所有権はミランド社、
食肉になる運命となっているオクジャを、ミジャは取り戻せるのか・・・。
家族を救うことはできるのか。〜『オクジャ/okja』〜
「パラサイト 半地下の家族」で世界的な映画監督となったポン・ジュノ監督作、
Netflix映画『オクジャ/okja』
「グエムル-漢江の怪物-」に続き、でっかい動物を描いた2作目です。
「グエムル」も『オクジャ/okja』も、結局は「人間というのはなんて・・・」と考えさせられる作品。
扱っているテーマはどちらも重いものですけど、映画の色的には、
『オクジャ/okja』の方が楽しめましたね。個人的にですが。
そして、注目してほしい2人の俳優。
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ケイ役:スティーヴン・ユァン(グレンで有名)について
スティーヴン・ユァン(1983年12月21日〜)は、
韓国系アメリカ人の俳優です。
名前だけだと誰?となってしまうかもしれませんが、「グレン」と聞くと思い出す方もいるのではないでしょうか。
映画作品への出演はこれからが本番と言える俳優さんです。
しかし、
ある海外ドラマへの出演で世界的に知られる存在、超有名人なんですね。
それが「グレン」。
スティーヴン・ユァン出演の海外ドラマ | |
「ウォーキング・デッド」、シーズン9を観る前におさらいです | グレン・リー役で出演 |
「ウォーキング・デッド」、悲しい別れが多いシーズン3、シーズン4 | |
「ウォーキング・デッド」、ニーガンが登場してトラウマが増えます | |
「ウォーキング・デッド」、最大のトラウマはここです |
絶大な人気を誇っている海外ドラマ「ウォーキング・デッド」のシーズン1からシーズン7まで、
メインキャストとして出演していたスティーヴン・ユァン、
彼が演じていた「グレン」は不動の人気キャラでした。
残念ながら今は、「ウォーキング・デッド」から卒業しましたので、
シーズン8以降へは出演しておりません(常に思い出しますけど)。
『オクジャ/okja』でALFの一員として登場した時には、
「あっ、グレンだ!」と、ちょっと感動してしまいました。久しぶりに観たもので。
『オクジャ/okja』で演じているケイもなかなか良い役回りですから、
「グレン」ファンの方達も楽しめるのではないかと。
そしてもう1人、
「グレン」同様、感動してしまったのがこの人。
フランク・ドーソン役:ジャンカルロ・エスポジートについて
ジャンカルロ・エスポジート(1958年4月26日〜)は、
アメリカの俳優です。
名前自体はあまり有名ではないんでしょうけど、
出演している映画には有名作がまぁまぁ存在しています。
いくつか挙げてみると、
公開年 | タイトル | 役名 |
1983年 | 大逆転 | 囚人役 |
1992年 | マルコムX | トーマス・へイヤー |
1995年 | ユージュアル・サスペクツ | ジャック・バー |
スモーク | トミー | |
2001年 | ALI アリ | アリの父 |
2017年 | オクジャ/okja | フランク・ドーソン |
作中の役柄はチョイ役ですので、あまり印象に残っていないのが正直な感想なんですが、
『オクジャ/okja』で顔を確認した時、
私はすぐ気付きました、彼が持っている「ラスボス感」は忘れられないと。
ジャンカルロ・エスポジート出演の海外ドラマ | |
「ブレイキング・バッド」、エミー賞で最高に評価された海外ドラマです | グスタボ・”ガス”・フリング役 |
「ブレイキング・バッド」、弁護士と大ボス登場で物語は加速します | |
「ブレイキング・バッド」、シーズン5でしっかりと完結します |
こちらも超人気海外ドラマ「ブレイキング・バッド」、
シーズン2の第11話で初登場したガスは、
シーズン3、シーズン4で圧倒的な存在感を撒き散らしながら「ラスボス」に君臨していた大ボス役です。
このガスの「ラスボス感」をそのまま感じられるのが、
『オクジャ/okja』のフランク・ドーソン。
登場シーンは少ないんですけど、ミランド社の幹部として影の実力者的な立ち位置で、
やっぱり「ラスボス感」を醸し出しています。
『オクジャ/okja』という作品、テーマが重いので軽く語るつもりはありませんが、
楽しみ方は人それぞれ、
1つの作品の中で「グレン」と「ガス」を観るためだけに視聴してみても、
誰も文句は言えないはずです。
概ね高評価な作品ですけど、賛否の否はしっかりとありますしね。
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『オクジャ/okja』を観た方達の感想を、紹介します
「パラサイト 半地下の家族」と同じ監督という事で、「パラサイト」よりは面白かったです。
少々ガチャガチャした展開でしたけど、CGやカメラワークは良かったですね。
ポンジュノ監督作だったんですね!?
オクジャが可愛くて、私も観ていて愛着が湧いてしまったので、最後は悲しくなってしまいました。
ミジャが愛情を持ってオクジャと過ごしてきたから、オクジャも穏やかな優しいオクジャだったのかな〜って、ちょっと感動しました。
おじいちゃんの金の豚、本物で金で本当に良かった。
凄いですね、ポンジュノ監督。
センス、エンターテイメントとアート、そして情感のバランス感。
ストーリーが二転三転して先が読みズラいところ。
主人公にあの少女を選ぶセンス、全てが素晴らしく感じました。
この監督が作った映画、もっと観たいです。
ポンジュノ監督作品です。
食用動物の遺伝子操作や、飼育環境や苦痛のない殺し方みたいな話と、そもそも愛護動物の話は色々問題が違う気がするから、ごっちゃで中途半端に思えました。
命あるもの万物全てに感謝というより、何となくエコとか動物愛護至上主義とか意識高い系賛美みたいな違和感と、
内容の割にコミカルだからか?逆に陳腐な印象を受けましたね。
山の暮らしぶりは美しかったですが。
バイオレンスな場面のスローモーションをやり過ぎるとなんかダサイし、CGはちょっと違和感が有りました。
ALなんとかって団体、押し付けがましい正義感とヤバさが笑えましたね。
豚のPRでパレードという発想もセンスを疑います。
お肉を食べられなくなるとかいう前評判がありましたけど、全くもって大丈夫ですよ。
ALF(Animal Liberation Front)(動物解放戦線)というのは、
実在している団体です。
動物の権利を提唱する組織で、アメリカとイギリスではテロ組織として設定されています。
『オクジャ/okja』で登場するALFは概ね親しみやすい存在ですけど、
調べてみると、実在するALFはそうでもないですね。結構過激な事をしている団体みたいです。
細かい情報はこちらから→→wikipediaー動物解放戦線ー
『オクジャ/okja』を観たおじさんの感想
(動物云々より、ミジャの家族に対する想いに感情移入)
「パラサイト 半地下の家族」の世界的大ヒットで名前を知ったポン・ジュノ監督。
その彼の作品という事で視聴した『オクジャ/okja』、
テーマの重さの割には、2時間しっかりと楽しめた作品でした。
考えるべき事柄なんでしょうが、私はこれからも肉を食うという事実に変化はありませんでしたね。
私個人は、作品自体に否定的な意見はほぼ無し、面白かったんですよ、本当に。
ただ、
どうしても私には、オクジャが豚には見えません。
でっかいカバにしか見えなくて、食用と結び付かなかったんです。
カバの肉とか皮とか固そうだな〜、そんな感じで。
むしろ、食用の動物に対する視点よりも、
ペットとして家族の一員になっている動物に対する視点の方を、より強く感じ取ってしまいましたね。
家族が連れ去られたら、そりゃ助けに行くだろうと。
ポン・ジュノ監督のメッセージの大部分からは離れていそうですけど。
ALFの活動内容にもさほど感情移入できず、
スティーヴン・ユァンを確認すると「グレン頑張れ!」になってしまって・・・。
映画のエンドロールを観終わった後に、彼らの戦いはこれからも続いていくというシーンがありますから、
常に戦っていく組織だとは分かるんですが・・・。
とは言えですね、
テンポも良くて2時間しっかりと楽しめる作品だと思います。
引き離された家族を救出しようとする少女の物語としておすすめします。あまり堅苦しい現実は無しとして。
ポン・ジュノ監督作『オクジャ/okja』は、
今現在、Netflix(ネットフリックス)で視聴可能となっています。
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最後に
本当なら、ルーシー(ナンシー)・ミランド役のティルダ・スウィントンや、
ジェイ役のポール・ダノ、ジョニー・ウィルコックス博士役のジェイク・ジレンホールについて書いた方が良かったんでしょうけど、どうしても、
ケイ役のスティーヴン・ユァン、フランク・ドーソン役のジャンカルロ・エスポジートの方が個人的に嬉しくて、
そちらを中心とした記事になってしまいました。
変な視聴の仕方になってしまうかもしれませんが、
「グレンとの再会」、「あのラスボス感をもう1度」、
そんな感じに再生してみても良いのではないか、そうおじさんは思っています。
残念ながら、『オクジャ/okja』はテーマの重い作品だという事実に変わりはありません。
気軽に視聴したのに大ダメージを食らってしまった、
そうなってしまっても、責任は負えませんのでご了承を。
ではまた。