鬼才テリー・ギリアム監督作『ドン・キホーテ』は、1月24日から公開
「未来世紀ブラジル」、「フィッシャー・キング」、
「12モンキーズ」などで知られる、
鬼才テリー・ギリアム監督。
そのギリアムが、何度も映画化に失敗しては挑戦を繰り返した作品、
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』が、
2020年1月24日から日本で公開される事となりました。
1990年代の後半から着手して、
ようやく2017年に撮影が終了した作品です。
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1月24日公開『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』
アダム・ドライバーが陽気に歌って踊る/映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』本編映像
監督 | テリー・ギリアム |
原作 | ミゲル・デ・セルバンテス「ドン・キホーテ」 |
出演(役名) | ジョナサン・プライス(ドン・キホーテ) |
アダム・ドライバー(トビー・グリソーニ:CM監督) | |
オルガ・キュリレンコ(ジャッキー:ボスの妻) | |
ステラン・スカルスガルド(ボス:トビーの上司) | |
オスカル・ハエナーダ(ジプシー:トビーと旅をする謎の人物) | |
アメリカ公開 | 2019年3月 |
日本公開 | 2020年1月24日 |
映画のプロダクションは1998年に始まり、2000年に撮影を開始。
当初、キホーテ役にジャン・ロシュフォール、トビー役にジョニー・デップが起用される予定でしたが、
ロシュフォールが病気で降板、洪水でセットが破壊、
経済的な問題に襲われて、突然の制作中止。
ギリアムはその後も2005年から2015年にかけて複数回再始動に挑戦して、
キホーテ役にはロバート・デュヴァル、トビー役にはジョニー・デップの他に、
ユアン・マクレガーやジャック・オコンネルが候補と考えられていましたが、
資金確保に失敗、ジョニー・デップの多忙なスケジュールなどから、
またまた実現しませんでした。
2016年、
第69回カンヌ国際映画祭の席で、トビー役をアダム・ドライバー、
女性の主役にオルガ・キュリレンコ、2016年10月から撮影が行われると発表。
その後、
キホーテ役にジョナサン・プライスとし、最初の制作開始から17年を経て、
2017年3月にクランクイン。6月4日に撮影完了。
2018年5月、
第71回カンヌ国際映画祭のクロージング・フィルムとして上映。
2019年3月、
北アメリカで公開。
2020年1月24日より日本で公開予定。
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』の公式サイトには、
「映画史に刻まれる呪われた企画が完成」と表記されています。
構想30年で企画頓挫9回を誇っている映画です。
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』あらすじ
仕事への情熱を失っていたCM監督のトビー、
スペインのある田舎で撮影中のある日、謎めいた人物からDVDを渡される。
そのDVDはトビーが学生時代に監督した映画「ドン・キホーテを殺した男」だった。
舞台となった村がここから近いと知ったトビーは、バイクを飛ばして、
村に到着する。
しかし、村の人々は映画のせいで変わり果てていた。
「ドン・キホーテを殺した男」でキホーテを演じた靴職人の老人は、
自分を本物の騎士だと信じ込んでいて、
清楚な少女だったアンジェリカは女優になると村を飛び出した。
忠実な従者サンチョだと、トビーに対して信じて疑わない老人、
無理やりトビーを引き連れて、
大冒険の旅へと出発してしまう・・・。〜『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』〜
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「ドン・キホーテ」について
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』は、
「原題:The Man Who Killed Don Quixote」、直訳で「ドン・キホーテを殺した男」となっています。
正式な邦題が決まるまではこのタイトルでした。
「ドン・キホーテ」は、スペインの作家ミゲル・デ・セルバンテスの小説。
騎士道物語の読み過ぎで、現実と物語の区別がつかなくなった郷士(アロンソ・キハーノ)が、
自らを「還暦の騎士」として「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」と名乗り、
冒険の旅に出かける物語。
極端な事を言えば、
歳をとった空想家のお話です。
現実に起こった出来事を、騎士道物語的な設定にすり替えて強引に認識、トラブルを巻き起こす冒険活劇です。
現実と空想をごちゃまぜにしたような物語です
今作で「ドン・キホーテ」を演じるのは、
「2人のローマ教皇」で素晴らしい演技を観せてくれたジョナサン・プライス。
テリー・ギリアム監督作、
ジョナサン・プライス、アダム・ドライバー共演、
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』は、
2020年1月24日から公開となっています。
監督テリー・ギリアムについて
テリー・ギリアム(1940年11月22日〜)は、
アメリカ生まれのイギリスの映画監督、アニメーターです。
主な映画監督作は、
公開年 | タイトル | 主演 |
1975年 | モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル | グレアム・チャップマン |
1981年 | バンデットQ | クレイグ・ワーノック |
1985年 | 未来世紀ブラジル | ジョナサン・プライス |
1988年 | バロン | ジョン・ネヴィル |
1991年 | フィッシャー・キング | ジェフ・ブリッジス |
1996年 | 12モンキーズ | ブルース・ウィリス |
1998年 | ラスベガスをやっつけろ | ジョニー・デップ |
2005年 | ブラザーズ・グリム | マット・デイモン |
2009年 | Dr.パルナサスの鏡 | ヒース・レジャー |
2013年 | ゼロの未来 | クリストフ・ヴァルツ |
2018年 | テリー・ギリアムのドン・キホーテ | ジョナサン・プライス |
初映画監督作は、
1975年「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」。
(テリー・ジョーンズと共同監督)
1985年「未来世紀ブラジル」で、
テリー・ギリアムは映画監督の鬼才として認知されるようになります。
テーマとして挙げているのが、
「無様なほど統制された人間社会の狂気と、手段を選ばずそこから逃げ出したいという欲求」
これをギリアムが映像化するとこうなる、
というのが「未来世紀ブラジル」です。
面白いとか面白くないとかではなく、強烈!、といった感じの作品ですね。
1991年、
「フィッシャー・キング」でヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞。
マーセデス・ルールがアカデミー助演女優賞を受賞しています。
ちなみに、
ジェフ・ブリッジスではなく、ロビン・ウィリアムズが、
ゴールデングローブ賞の主演男優賞を受賞。
個人的にオススメなのが、
1996年「12モンキーズ」、ブルース・ウィリス、ブラッド・ピットが共演している、
全人類の99%を死滅させたウイルス、時間をテーマとしたミステリーなSF映画です。
ブラッド・ピットはこの演技で、
ゴールデングローブ賞の助演男優賞を受賞しています。
テリー・ギリアム監督作の中で、1番観やすくて理解しやすいのがこの作品ではないかと。
1998年に企画が始まり、
19年間の間に9回も映画化に失敗していた、
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』が1月24日から日本で公開されます。
映画館で観るかどうかは躊躇いますけど、
非常に興味深い作品ですね。
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トビー役:アダム・ドライバーについて
アダム・ドライバー(1983年11月19日〜)は、
アメリカ出身の俳優です。
主な映画出演作は、
公開年 | タイトル | 役名 |
2014年 | ハングリー・ハーツ | ジュード |
2015年 | スター・ウォーズ/フォースの覚醒 | カイロ・レン |
2016年 | バターソン | バターソン |
沈黙-サイレンス- | フランシス・ガルぺ神父 | |
2017年 | スター・ウォーズ/最後のジェダイ | カイロ・レン |
2018年 | テリー・ギリアムのドン・キホーテ | トビー・グリソーニ |
ブラック・クランズマン | フィリップ・ジマーマン刑事 | |
2019年 | マリッジ・ストーリー | チャーリー・バーバー |
スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け | カイロ・レン |
2014年「ハングリー・ハーツ」で、
ヴェネツィア国際映画祭の男優賞を受賞。
そして2015年、
「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」、カイロ・レン役として大ブレイク。
ハン・ソロとレイアの息子ベン、ダース・ベイダーの孫、
カイロ・レンはアダム・ドライバーの代名詞的な役柄になりました。
2016年、
「バターソン」でロサンゼルス映画批評家協会賞の主演男優賞を受賞。
2018年、
「ブラック・クランズマン」で第91回アカデミー助演男優賞にノミネート。
2019年、
「マリッジ・ストーリー」で、
第77回ゴールデングローブ賞の<ドラマ部門>主演男優賞にノミネート。
2月のアカデミー賞でも候補となっておかしくない俳優さんです。
とはいえ、
アダム・ドライバーといえばやはりカイロ・レンの印象が強いですから、
今回、1月24日から公開される『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』で、
その印象がガラッと変わるかもしれません。
予告動画を観る限り、カイロ・レンとのギャップが凄過ぎますからね。
これからの俳優さんです。
最後に
映画ファンから鬼才と認知されている、
テリー・ギリアム監督作、
ジョナサン・プライス、アダム・ドライバー共演、
『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』を紹介させて頂きました。
ファンタジー・アドベンチャー・コメディ映画という事ですので、
観て判断するしかない作品なんでしょうね。
空想冒険お笑い活劇、
賛否が分かれて当然の映画です。
2020年はスタートから目まぐるしい映画界、
観たい作品が多すぎて困ってしまいます。
どの作品を2020年のスタートにするのか、
私は今も悩んでいます。
ではまた。
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