問題作『異端の鳥』2020年10月公開予定、サムネが強烈・・

この映画の予告動画、サムネを見た時、
その凄まじいまでの描写に再生ボタンを押すのをためらってしまいました。
カラスと少年が写っているだけのサムネなんですけど、
カラスは地上から少年を見ていて、
少年は首から下を地中に埋められた状態、首から上だけを地上に出しカラスを凝視。
カラスにとって少年は餌、
少年にとってカラスは・・・。
2020年10月9日から日本で公開が予定されている作品、
『異端の鳥』
内容の重さはその強烈なサムネを見ただけで、一目瞭然です。
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『異端の鳥』2020年10月9日公開予定
『異端の鳥』
『ペインテッド・バード』予告編 | The Painted Bird - Trailer HD
・イェジ・ニコデム・コシンスキ、ジャージ・ニコデム・コジンスキー、本名:ヨセク・レヴィンコプフ
(1933年6月18日〜1991年5月3日)
・ユダヤ系ポーランド人、ロシア革命の亡命ユダヤ人と、ポーランドのユダヤ人の間に生まれる
・第二次世界大戦中は両親と別れ、田舎でカトリック教徒を装い、ホロコーストを逃れる
⇒この時のトラウマにより、5年間口がきけなくなった
・その第二次世界大戦中にホロコーストを体験し、小説にしたのが『異端の鳥』
・作家コジンスキーには謎になっている部分が多く、ゴーストライターの存在、
コジンスキーというのは経歴詐称の作家集団の名にすぎないなどの憶測が絶えず
・半自伝的な作品と考えられた『異端の鳥』には、盗作疑惑があり、物語の内容が著者自身の体験ではないと批判を受ける
・コジンスキー自身は、『異端の鳥』の内容を、事実に基づいたノン・フィクションとは言っていない
・1991年5月3日、ニューヨーク市マンハッタンの自宅で、睡眠薬を服用しビニール袋をかぶった状態で窒息死しているところを発見。遺書もあり自殺と断定。57歳没。
参照元:wikipediaージャージ・コジンスキー
☆『異端の鳥』:2019年ベネツィア国際映画祭コンペティション部門に出品
⇒激しい暴力描写に絶えられなくなった観客が途中退席をすることも
☆上映終了後、10分間のスタンディングオベーション
☆2019年ベネツィア国際映画祭:ユニセフ賞を受賞
『異端の鳥』の原作となっているのは、
ポーランドの作家ジャージ・コジンスキーが1965年に発表した小説「The Painted Bird」。
少年が受ける極めて過酷な暴力描写の数々、ホロコーストでのおぞましい体験が生々しく描かれていて、
ポーランドでは発禁書となっている小説です。
『異端の鳥』を視聴した方達の中には、
少年の姿を直視しているのが苦しくなって、途中で視聴を止めて退席する方もいたみたいですが、
ほぼ高い評価を得ている作品になっています。
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『異端の鳥』あらすじ
『異端の鳥』あらすじ
第二次世界大戦の最中、
1人の少年がホロコーストを逃れ、東欧のある村に住んでいる叔母のもとに疎開した。
そんなある日、
その叔母が病死。さらに、叔母の家も火事で焼失してしまう。
たった1人しかいなかった身寄りを失くして、少年は完全に孤独となった。全てを失った少年はただ1人、あてのない旅に出る。
しかし、
少年の行き先々には、過酷な差別と迫害が待っていた。
彼は”異物”。人間という動物は、幼い子供であろうと”異物”とみなしてしまったら、
ここまで残酷な事ができる生き物なのか・・・。
「この少年は悪魔の使い、我らに死を招く存在だ」
どこまでも少年を”異物”として扱う人間たち。少年はただ1人、
必死にもがき、生き延びるために歩き続ける。〜『異端の鳥』〜
・全編モノクローム35ミリフィルムで撮影(白黒映像の作品)
・舞台となる国や場所を特定されないように、人工言語が採用されている
⇒「インタースラーヴィク」はスラヴ諸語を基に作成された国際補助語
・監督ヴァーツラフ・マルホウルは、資金調達に4年をかけ、主演のペトル・コトラールが自然に成長していく様を描くために、撮影に2年を費やし、
最終的に11年という歳月をかけて映像化した
予告動画はもちろん、そのサムネを見ただけでも、
内容の凄まじさが伝わってきますね。観たい気持ちが半分、観たくないという気持ちが半分。
視聴後に打ちのめされているのは確実です。
『異端の鳥』は2020年10月9日から、
東京TOHOシネマズシャンテ他、全国で随時公開予定となっています。
『異端の鳥』キャスト
監督・脚本・製作 | ヴァーツラフ・マルホウル |
原作 | イェジー・コシンスキ「The Painted Bird」 |
出演(役名) | ペトル・コトラール(少年) |
ウド・キアー(ミレル) | |
レフ・ディブリク(レッフ) | |
イトカ・チュヴァンチャロヴァー(ルドミラ) | |
ステラン・スカルスガルド(ハンス) | |
ハーヴェイ・カイテル(司祭) | |
ジュリアン・サンズ(ガルボス) | |
バリー・ペッパー(ミートカ) | |
日本公開 | 2020年10月9日 |
・「この名作小説の映画化で私が目指したものは、主人公が経験する度重なる人間の魂の闇のまさに中心へと導く一連の旅を、絵画的に描写すること」
・「本作は、歴史的な時代背景に雄大な自然の中で、少年が出会う人々の物語である。これらのキャラクターを愛したり、その運命を嘆き悲しんだりすることは必ずしも重要ではない。私たちが彼らを見て、証人となることが大事なのだ」
・「最後に、コシンスキの自伝と小説「ペインティッド・バード」の構想との関係をめぐる論争はもちろん把握している。私は単に、長きに愛される名作である小説を独立した存在としてそのまま扱うことを選んだだけだ。コシンスキの話を、悲劇はそのままに、皆さん委ねる」
全文はこちらから:参照元ー映画『異端の鳥』公式サイト
ヴァーツラフ・マルホウル監督が言うには、
原作「ペインティッド・バード」を読んだ多くの人が、その暴力と残虐性にショックを受けたようです。
コシンスキが描く暴力の概念はすごく不快だと思う人が多数いるだろうと。
日本でも原作の翻訳本が発売されていますが、数が少ないようで、メーカー取り寄せとなっています。
司祭役:ハーヴェイ・カイテルについて
ハーヴェイ・カイテル(1939年5月13日〜)は、
ニューヨーク・ブルックリン出身の俳優です。
主な映画出演作は、
公開年 | タイトル | 役名 |
1973年 | ミーン・ストリート | チャーリー |
1976年 | タクシードライバー | スポーツ・マシュー |
1992年 | レザボア・ドッグス | Mr.ホワイト |
1993年 | ピアノ・レッスン | ジョージ・ベインズ |
1994年 | パルプ・フィクション | ウィンストン・ウォルフ |
1995年 | スモーク | オーギー・レン |
ブルー・イン・ザ・フェイス | ||
2002年 | レッド・ドラゴン | ジャック・クロフォード |
2019年 | アイリッシュマン | アンジェロ・ブルーノ |
異端の鳥 | 司祭 |
マーティン・スコセッシ作品、
クエンティン・タランティーノ作品への出演で知られるハーヴェイ・カイテル、
『異端の鳥』では司祭役として出演しています。
2020年で81歳となった名優ですね。
1995年「スモーク」を視聴した方なら分かると思いますが、
映画ラストでの白黒映像でセリフなし、それでも醸し出している人間臭さを感じさせてくれる俳優。
これだけ画力があるおじさんも稀ですよね。
今はもうおじいさんですけど。
『異端の鳥』という、テーマの重さが半端じゃない作品、白黒映画の中、
どんな役回りで、どんな演技を観せてくれているのか、非常に気になります。
ミートカ役:バリー・ペッパーについて
バリー・ペッパー(1970年4月4日〜)は、
カナダ出身の俳優です。
主な映画出演作は、
公開年 | タイトル | 役名 |
1998年 | プライベート・ライアン | ダニエル・ジャクソン二等兵 |
1999年 | グリーンマイル | ディーン・スタントン |
2002年 | ワンス・アンド・フォーエバー | ジョー・ギャロウェイ |
2006年 | 父親たちの星条旗 | マイク・ストランク |
2008年 | 7つの贈り物 | ダン・モリス |
2013年 | ローン・レンジャー | ジェイ・フラー |
2019年 | クロール -凶暴領域- | デイヴ・ケラー |
異端の鳥 | ミートカ |
1998年「プライベート・ライアン」のジャクソン二等兵、
1999年「グリーンマイル」のディーン看守としてよく知られているバリー・ペッパー。
トム・ハンクスと共演したこの2作の印象が強烈な俳優さんです。
日本では圧倒的にジャクソン二等兵が人気ですかね。
一撃必殺の狙撃兵を熱演していたバリーは最高でした。
今作『異端の鳥』ではミートカ役、どのような役回りなのか全く分かりませんけど、
公式サイトの写真を見た限りでは、兵士役として出演しているようです。
ハーヴェイ・カイテルと共に、注目して視聴したいです。
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『異端の鳥』を観た方達の感想


映画館で最終日に駆け込んで観ることができました!にも関わらず、何も言いたくありません。
バスの窓に自分の名前を書くシーンのためのアレらだということで・・・あのシーンは鳥肌が立ちました。
胸糞です。


目を背けたくなる描写、けど観なければならないと義務を感じる描写が共存している映画です。
何もかもが素晴らしい作品でした。


残酷なシーンが続きますけど、映像の美しさと淡々とした進行にいつの間にか引き込まれていて・・・眼から輝きが失われ、表情を無くしていく少年の姿が印象的でした。


目を覆いたくなるようなモノクロ169分。
映画にR指定がある事の意味を、改めて考えてしまいました。
最後に
予告動画のサムネの強烈さ、明らかに普通の映画ではないと思わせる描写、
そこから気になってしまい、書かせてもらおうということで、
『異端の鳥』を調べて、紹介させて頂きました。
正直に言いますと、
この映画を映画館で視聴するのはかなり勇気がいります。
視聴後に明るい気持ちになっていることなんて、絶対にないでしょうしね。
ただ、
映画館で視聴、レンタルで視聴、動画サイトで視聴、
いずれにせよ、必ず視聴する作品なのは間違いありません。
このままの予定通りでいけば、
『異端の鳥』は2020年10月9日から、日本で公開予定となっています。
公式サイトに載っている公開予定の映画館数は少ないんですけど、
もし、お近くの映画館で観られる状況となっている方は、
選択肢の1つとして覚えておいてもよろしいかと。
視聴後にどんな感情になっているのか、覚悟しておけばなんとか・・・。
ではまた。