問題作『異端の鳥』あらすじ/キャスト/感想、内容もサムネも強烈・・・

2022年2月2日

この映画の予告動画、サムネを見た時、
その凄まじいまでの描写を忘れる事が出来ず、ずっと引っかかっていた映画。

カラスと少年が写っているだけのサムネ、
カラスは地上から少年を見ていて、
少年は首から下を地中に埋められた状態、首から上だけを地上に出しカラスを凝視。

カラスにとって少年は
少年にとってカラスは・・・。

2020年に日本で公開された、
異端の鳥
内容の重さはその強烈なサムネだけでよく分かります。
少し躊躇していましたけど、ようやく視聴しました。

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『異端の鳥』あらすじ/キャスト/感想

異端の鳥

『ペインテッド・バード』予告編 | The Painted Bird - Trailer HD

 

原作:ジャージ・コジンスキー
イェジ・ニコデム・コシンスキ、ジャージ・ニコデム・コジンスキー、
本名:ヨセク・レヴィンコプフ

(1933年6月18日〜1991年5月3日)

ユダヤ系ポーランド人、
ロシア革命の亡命ユダヤ人と、ポーランドのユダヤ人の間に生まれる

第二次世界大戦中は両親と別れ、
田舎でカトリック教徒を装い、ホロコーストを逃れる

 この時のトラウマにより、5年間口がきけなくなった

その第二次世界大戦中にホロコーストを体験し、
小説にしたのが『異端の鳥

作家コジンスキーには謎になっている部分が多く、
ゴーストライターの存在、
コジンスキーというのは経歴詐称の作家集団の名にすぎないなどの憶測が絶えず

半自伝的な作品と考えられた『異端の鳥』には、
盗作疑惑があり、物語の内容が著者自身の体験ではないと批判を受ける

コジンスキー自身は、
異端の鳥』の内容を、事実に基づいたノン・フィクションとは言っていない

1991年5月3日、ニューヨーク市マンハッタンの自宅で、睡眠薬を服用しビニール袋をかぶった状態で窒息死しているところを発見。遺書もあり自殺と断定。57歳没。

参照元:wikipediaージャージ・コジンスキー

 

ベネツィア国際映画祭
異端の鳥』:2019年ベネツィア国際映画祭コンペティション部門に出品
 激しい暴力描写に絶えられなくなった観客が途中退席をすることも

上映終了後、10分間のスタンディングオベーション

2019年ベネツィア国際映画祭:ユニセフ賞を受賞

異端の鳥』の原作となっているのは、
ポーランドの作家ジャージ・コジンスキーが1965年に発表した小説「The Painted Bird」。
少年が受ける極めて過酷な暴力描写の数々、ホロコーストでのおぞましい体験が生々しく描かれていて、
ポーランドでは発禁書となっている小説です。

異端の鳥』を視聴した方達の中には、
少年の姿を直視しているのが苦しくなって、途中で視聴を止めて退席する方もいたみたいですが、
ほぼ高い評価を得ている作品になっています。

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あらすじ

異端の鳥あらすじ

第二次世界大戦の最中、
1人の少年がホロコーストを逃れ、東欧のある村に住んでいる叔母のもとに疎開した。

そんなある日、
その叔母が病死。さらに、叔母の家も火事で焼失してしまう。
たった1人しかいなかった身寄りを失くして、少年は完全に孤独となった。

全てを失った少年はただ1人、あてのない旅に出る。

しかし、
少年の行き先々には、過酷な差別と迫害が待っていた。

彼は”異物”。

人間という動物は、幼い子供であろうと”異物”とみなしてしまったら、
ここまで残酷な事ができる生き物なのか・・・。

この少年は悪魔の使い、我らに死を招く存在だ

どこまでも少年を”異物”として扱う人間たち。

少年はただ1人、
必死にもがき、生き延びるために歩き続ける

〜『異端の鳥』〜

『異端の鳥』
全編モノクローム35ミリフィルムで撮影(白黒映像の作品)

舞台となる国や場所を特定されないように、人工言語が採用されている
 「インタースラーヴィク(人工言語)」はスラヴ諸語を基に作成された国際補助語

監督ヴァーツラフ・マルホウルは、資金調達に4年をかけ、主演のペトル・コトラールが自然に成長していく様を描くために、撮影に2年を費やし、
最終的に11年という歳月をかけて映像化した

予告動画はもちろん、そのサムネを見ただけでも、
内容の凄まじさが伝わってきますね。観たい気持ちが半分、観たくないという気持ちが半分。

そんな状態で視聴に踏み切った『異端の鳥』。
なんとも言い難い視聴後に・・・。

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キャスト

【監督/脚本/製作】
ヴァーツラフ・マルホウル

【原作】
イェジー・コシンスキ「The Painted Bird」

【キャスト(役名)】
ペトル・コトラール(少年)

ウド・キアー(ミレル)

レフ・ディブリク(レッフ)

イトゥカ・ツヴァンツァロヴァ(ルドミラ)

ステラン・スカルスガルド(ハンス)

ハーヴェイ・カイテル(司祭)

ジュリアン・サンズ(ガルボス)

バリー・ペッパー(ミートカ)

【日本公開】
2020年10月9日

監督マルホウルの声明
「この名作小説の映画化で私が目指したものは、主人公が経験する度重なる人間の魂の闇のまさに中心へと導く一連の旅を、絵画的に描写すること」

「本作は、歴史的な時代背景に雄大な自然の中で、少年が出会う人々の物語である。これらのキャラクターを愛したり、その運命を嘆き悲しんだりすることは必ずしも重要ではない。私たちが彼らを見て、証人となることが大事なのだ」

「最後に、コシンスキの自伝と小説「ペインティッド・バード」の構想との関係をめぐる論争はもちろん把握している。私は単に、長きに愛される名作である小説を独立した存在としてそのまま扱うことを選んだだけだ。コシンスキの話を、悲劇はそのままに、皆さん委ねる

全文はこちらから:参照元ー映画『異端の鳥』公式サイト

ヴァーツラフ・マルホウル監督が言うには、
原作「ペインティッド・バード」を読んだ多くの人が、その暴力と残虐性にショックを受けたようです。
コシンスキが描く暴力の概念はすごく不快だと思う人が多数いるだろうと。
日本でも原作の翻訳本が発売されていますが、数が少ないようで、メーカー取り寄せとなっています。

 

 

司祭役:ハーヴェイ・カイテルについて

ハーヴェイ・カイテル(1939年5月13日〜)は、
ニューヨーク・ブルックリン出身の俳優です。

主な映画出演作は、

公開年 タイトル 役名
1973年 ミーン・ストリート チャーリー
1976年 タクシードライバー スポーツ・マシュー
1992年 レザボア・ドッグス Mr.ホワイト
1993年 ピアノ・レッスン ジョージ・ベインズ
1994年 パルプ・フィクション ウィンストン・ウォルフ
1995年 スモーク オーギー・レン
ブルー・イン・ザ・フェイス
2002年 レッド・ドラゴン ジャック・クロフォード
2019年 アイリッシュマン  アンジェロ・ブルーノ
異端の鳥 司祭

マーティン・スコセッシ作品
クエンティン・タランティーノ作品への出演で知られるハーヴェイ・カイテル
異端の鳥』では司祭役として出演しています。

2022年には83歳となる名優ですね。

1995年「スモーク」を視聴した方なら分かると思いますが、
映画ラストでの白黒映像でセリフなし、それでも醸し出している人間臭さを感じさせてくれる俳優。
これだけ画力があるおじさんも稀ですよね。
今はもうおじいさんですけど。

異端の鳥』という、テーマの重さが半端じゃない作品、白黒映画の中、
どんな役回りで、どんな演技を観せてくれているのか、確認してみてください。

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ミートカ役:バリー・ペッパーについて

バリー・ペッパー(1970年4月4日〜)は、
カナダ出身の俳優です。

主な映画出演作は、

公開年 タイトル 役名
1998年 プライベート・ライアン ダニエル・ジャクソン二等兵
1999年 グリーンマイル ディーン・スタントン
2002年 ワンス・アンド・フォーエバー ジョー・ギャロウェイ
2006年 父親たちの星条旗 マイク・ストランク
2008年 7つの贈り物 ダン・モリス
2013年 ローン・レンジャー ジェイ・フラー
2019年 クロール -凶暴領域- デイヴ・ケラー
異端の鳥 ミートカ

1998年「プライベート・ライアン」のジャクソン二等兵
1999年「グリーンマイル」のディーン看守としてよく知られているバリー・ペッパー
トム・ハンクスと共演したこの2作の印象が強烈な俳優さんです。

日本では圧倒的にジャクソン二等兵が人気ですかね。
一撃必殺の狙撃兵を熱演していたバリーは最高でした。

今作『異端の鳥』ではミートカ役
セリフは少なかったですが、狙撃兵的なシーンがありましたので、
気になる方は視聴してみてください。
ほんの少しだけ、「プライベート・ライアン」を思い出しますよ。

 

『異端の鳥』を観た方達の感想

男性の声
男性の声
『異端の鳥』を観た感想

4.5

映画館で最終日に駆け込んで観ることができました!にも関わらず、何も言いたくありません。
バスの窓に自分の名前を書くシーンのためのアレらだということで・・・あのシーンは鳥肌が立ちました。
胸糞です。

 

男性の声
男性の声
『異端の鳥』を観た感想

4

目を背けたくなる描写、けど観なければならないと義務を感じる描写が共存している映画です。
何もかもが素晴らしい作品でした。

 

男性の声
男性の声
『異端の鳥』を観た感想

4

残酷なシーンが続きますけど、映像の美しさと淡々とした進行にいつの間にか引き込まれていて・・・眼から輝きが失われ、表情を無くしていく少年の姿が印象的でした。

 

男性の声
男性の声
『異端の鳥』を観た感想

4

目を覆いたくなるようなモノクロ169分。
映画にR指定がある事の意味を、改めて考えてしまいました。

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おじさんの感想

おじさんの声
おじさんの声
異端の鳥』の感想

 

(オススメとは言えない、けど・・・)

8.5

 

強烈なサムネと予告動画で、かなりキツイのは分かりきっていましたし、
再生時間が169分と長丁場ですから、気合いを入れて再生するべきだと意を決して視聴した、
異端の鳥

 

思っていた以上に、過酷で残酷な道のりを歩む少年の物語でした。

 

少年が出会った大人たち、
まともだったのはほんの数人です。

 

戦時下で、誰もが厳しい生活を強いられている中、
たった1人の少年が生き抜いていく様子が、白黒の映像で淡々と169分。

 

かなりキツイですよね・・・。

 

私が1番キツイと感じたのは、
少年の境遇ももちろんですけど、
大人たちの残酷さが少年に影響を与えていき、少しずつ少年を蝕んでいく描写がなんとも悲しくて・・・。

 

ある意味、少年が大人になっていく様子でもあり、
生きていく上での知恵を身につけていった末路、とも言えます。

 

観ていてキツかった・・・。

 

ただ、あのラストシーン、
あれをハッピーエンドと捉えられるかどうかは別として、
私個人としては、ちょっと安心してホッと出来ました。

 

覚えていたんだなと、
少年の中にある全てが蝕まれて侵食された訳ではなかったんだなと。

 

ちょっとだけ救われた気持ちになりました。

 

異端の鳥、169分の白黒映画です。

 

過酷で残酷な道を、1人の少年がひたすらに歩き続けています。

 

気になる方は視聴してみてください。

 

キツくてしんどいですけど、何かが残ると思いますよ。
私はもう忘れることはありません。残りました・・・。

 

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最後に

予告動画のサムネの強烈さ、明らかに普通の映画ではないと思わせる描写、
ずっと引っかかっていましたけど、ようやく視聴できましたので、
異端の鳥』を紹介させていただきました。

正直に言いますと、
最初は映画館で視聴しようと思っていましたが、実現せず。
2022年にようやくU-NEXTで視聴、といった感じです。

観終わった今、
ちゃんとした準備を整えて視聴できましたので、
この方が良かったなと。

169分の白黒映画、少年の過酷な物語。
しっかりと気合いを入れて3時間を確保、トイレを済ましコーヒーを準備、
そして再生。

結局キツイのは免れませんけどね。
もう無理だと思うほどキツかったら、止めてしまえば良いですし。
映画館ではできない、けど動画サイトなら余裕。

そのぐらい余裕を持った方が、異端の鳥を視聴するには丁度良いと思います。

視聴する際は準備しておいてください、余裕を持って。

ではまた。

 

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