「歌舞伎町」で戦う男達が、昼も夜も暗躍する「小説」
新宿・歌舞伎町で飲んだのはいつだったか、
全く思い出せません。
若い頃に何度か飲みに行っていますが、ここ最近は皆無ですね。
記憶もどんどん薄まっていきます。
新宿を避けているわけではありませんけど。
新宿に対する印象
若者の街といえば、渋谷や原宿、
この考えはもう古いですか?
おじさんの私からすると、まだこの感覚です。最近は、秋葉原も若者の街という印象です。
若者が昼の明るい時間帯から遊べる繁華街、おじさんは近づきにくい、そんな印象を持ってしまっています。若干、秋葉原の方が行きやすく思いますけど、それでも足が遠のいてしまう場所になっていますね。用事もほとんどありませんし。
かと言って、六本木や麻布で遊ぶかといったら、それもない。こっちはこっちで敷居が高いです。
じゃあ、どこで遊ぶのかというと、結局地元に帰ってきてからになってしまいます。おじさんの行動範囲はどんどん狭くなっていきますよ。
行動範囲の狭くなったおじさん、もれなく私もそうですが、新宿はどうなのかというと、まだ渋谷や原宿で遊ぶより行きやすい場所ですね。
夜の街・新宿歌舞伎町、今でも若干怖い印象がありますけど。
夜の街・歌舞伎町
東京都新宿区・歌舞伎町
歌舞伎町一丁目と歌舞伎町二丁目の全域です。
1945年の東京大空襲で一面焼け野原になりましたが、第二次大戦後、
1948年4月1日、歌舞伎町として起立したようです。
「東洋一の歓楽街」と言われてきましたが、現在では、3000軒を数えるバー、キャバレー、ラブホテルなどが密集している「欲望の迷宮都市」なんて評されていました。キャバレーは古い言い方ですから、今はクラブですかね。
そんな迷宮ですけど、昼間は外国人観光客が多いようです。
世界的に有名な歌舞伎町でございますが、やはり私の印象は、
「夜の街・歌舞伎町」
これです。
ギラギラしたネオンと、怖くて魅力的なお誘いがたくさんある迷宮、
歌舞伎町を舞台とした小説を、紹介します。
作品紹介
「不夜城」 馳星周
ネタバレせずに、簡単に紹介します。
東京都新宿区歌舞伎町、日本一の歓楽街と知られる街ですが、中国人たちが勢力争いを繰り広げる街と化していました。
そんな歌舞伎町で故買屋をしながら器用に渡り歩いている、日本と台湾のハーフ・健一。
ある日、上海マフィアのボスの右腕と称された男を殺して逃げていた女が、歌舞伎町に現れたという情報が健一のもとに入ってきます。その女はかつて健一の仕事パートナーでした。
上海マフィアのボスにも女の帰還が知られてしまい、健一に命令が下ります。
3日以内に女を連れてこい
新宿歌舞伎町を舞台に、マフィア同士の思惑、嘘と裏切りの連続、その中で必死に生き抜こうとする健一、渦巻く欲望とハードボイルドが融合した小説です。
作者について
馳星周は、文芸評論家として活動していましたが、
この「不夜城」で、
1996年に第18回吉川英治文学新人賞を受賞しました。小説家してデビューしたのがこの作品です。
1996年の「このミステリーがすごい!」及び、週刊文春ミステリーベスト10で共に第1位となりました。当時のベストセラーです。
1998年には「不夜城」が映画化です。金城武主演、私も当時観ました。
馳星周の小説、全てではありませんが、結構読んでいます。エグい描写もありますけど、ハードボイルドな色合いが濃いですから、読んでいて飽きません。楽しく読み進めることができますね。万人受けする作家とは言い難いですが、個人的には安心して小説を手に取ることができる作家さんです。
ちょっとした注意点
この「不夜城」、
ハードボイルド好きな方にはオススメできます。裏切り、裏切られて、また裏切り、人間の弱い部分もズル賢い部分も堪能できる作品です。女に振り回されながらも男達は戦っていく、楽しめると思います。
ただ、
ハードボイルド系の小説が苦手だとしたら、あまりオススメできません。
裏切り行為なんて日常茶飯事ですし、上海マフィアの怖い面も描かれていますので、そういうのが苦手な方は読まない方がいいでしょうね。
最後に
「不夜城」を読んで、夜の街・歌舞伎町を知る、
安心してください、そんなことはありません。
今の歌舞伎町は、昔より治安が良くなったようですから、そこまで怖がることはないと思います。怖い人たちも少なくなったと思いますよ。私は詳しくないですけど。
「不夜城」を読んで、夜の街・歌舞伎町に行こう、
こう思う人もいないと思います。私も思いません。怖そうじゃないですか。
何度も言いますが、
知りませんけどね。
ただただ「不夜城」を読んで、ただただ楽しんでください。
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