「医療ミステリー」系の「小説」、心に響く「久坂部羊」の傑作

2020年5月16日

今回紹介する「小説」、

初めて紹介する作家さんの「小説」です。

この作家さんの「小説」、

文庫になっているものはほぼ全て読んでおります。

医療ミステリー」の担い手とでも申しましょうか、

濃厚な「医療ミステリー」系の「小説」で楽しませてくれる、

作家さんです。

 

「医療ミステリー」系の「小説」

 

医療ミステリー」と聞いて、まず思い浮かべるのは、

チーム・バチスタの栄光」で有名な「海堂尊」ではないでしょうか。

私も大好きな作家さんです。新作が出れば必ず読みます。

海堂尊」に代表される「医療ミステリー」、
現役のお医者さんが書いていると説得力が増しますよね。
お医者さんが現場で経験した体験を、ノンフィクションとして「小説」に反映させても、
明らかに想像しやすい物語を読者は楽しめます。
頭の中に出てきてしまいますからね。

海堂尊」は、医師、博士、外科医、病理医を経て、
今現在は、
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所・放射線医学総合研究所病院に勤務しています。
こんなに漢字を並べたのは、生まれて初めてです。
研究所に勤めているらしい、それぐらいでいいと思います。

 

今回紹介する「医療ミステリー」系の「小説」は、

今現在、現役のお医者さんが書いた「小説」です。

 

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「医療ミステリー」系の「小説」は、テーマが重いです

 

医療ミステリー」、テーマは軽くありません。

病院、医者、看護師、そして患者さんが物語に絡んできます。
軽くはないんですよね。ミステリーですので、事件も絡んできて、
さらに重くなっていきます。

海堂尊」の「小説」なら、
エンターテイメント性抜群ですので、スラスラと楽しく読まされてしまいますが、

今回紹介する「医療ミステリー」はそうはいきません。

ページ数は600越え、読み応え充分な「小説」です。

ある事件から、ある病院(施設)が絡んできて、
しかも刑法第39条が重くのしかかってくる「医療ミステリー」です。

 

刑法第39条を簡単に書いておくと、

1、心神喪失者の行為は、罰しない。

2、心神耗弱者の行為は、その刑を軽減する。

 

現役のお医者さんが書いた、「医療ミステリー」で「サスペンス」な「小説」です。

 

 

 

「医療ミステリー」系の「小説」、サスペンスです

 

無痛 久坂部羊

 

ネタバレをせずに、紹介します。

神戸の住宅地、一家四人殺害事件が発生します。
現場は地獄絵図です。悲惨過ぎて現役の警官ですら目を背けるぐらい、
恐ろしい光景が広がっていました。

現場に遺留品が数多く残っていましたので、
犯人逮捕は時間の問題と思われていました。

凶器のハンマー、Sサイズの帽子、LLの靴跡、
その他の遺留品がありながら、警察はなかなか犯人像を絞れません。
そして無駄な8ヶ月という時間が過ぎます。

8ヶ月後、
ある精神障害児童施設の14歳の少女が自分が犯人だと告白しますが・・・。

妙なことから事件に関わることになった、
外見だけを見れば症状が完璧に分かってしまう医師・為頼がこの事件を追うことになります。
連続殺人鬼を追いつめるように。

久坂部羊が描いた「医療ミステリー」、
濃厚なサスペンスで、刑法第39条が重くのしかかる、
読み応え十分の「小説」です。

 

読んだ感想

 

「無痛」は、文庫で600ページにも及ぶ読み応え充分な「小説」です。

上で書いた、
刑法第39条という重いテーマが常に物語の中心にありますので、
楽しく読み進められる「小説」とはいえません。
絡んでくる事件の描写もエグいですしね。人によっては、かなり凹まされるかもしれませんので、
ご注意ください。

 

 

もし、
海堂尊」とは違う味わいの「医療ミステリー」を読んでみたいと思っている方、
おすすめします。

600ページという長い物語ですが、
ページ数を意識させないぐらい、濃厚なサスペンスを堪能できるはずです。
簡単に面白いとは言えない内容ですけど、あなたの心に響くことは間違いないと思います。
恐ろしい話ですけどね。
憲法とか法律とか、真剣に考えてしまうかもしれません。

久坂部羊の「無痛」、
医療ミステリー」系の「小説」で濃厚なサスペンスです。おすすめです。

 

 

久坂部羊について

 

久坂部羊について、wikiにはですね、

大阪府堺生まれ、大阪大学医学部卒業、大阪大学医学部附属病院にて外科および麻酔科を研修。その後大阪府立成人病センターで麻酔科、神戸掖済会病院で一般外科に勤務。サウジアラビア、オーストリア、パプアニューギニアの在外公館で医務官として勤務し、帰国後は在宅医療に従事。

引用元:久坂部羊ーwikipedia

本名の久家義之としても本を出版されていますが、
読んだことはありません。

久坂部羊として発表したこの「無痛」、
テレビドラマにもなっているようです。残念ながら観たことはないんですけど、
2015年に放送されています。

 

wikiの経歴を見てみると、
生粋のお医者さんだと分かりますね。だからでしょうけど、
久坂部羊の「小説」は濃厚な「医療ミステリー」ばかりです。
無痛」の他にも、「破裂」、「虚栄」、「神の手」など、
読み応え充分で、読者を考えさせる「医療ミステリー」を世に送り出している作家さんです。

久坂部羊の「小説」を読んだことがない方、
1度だけ読んでみてですね、ハマれば読み続けていけばいいですし、
ちょっと重過ぎるとなったら、過去としてそっと本棚にしまっていただいて、
他の楽しい「小説」を探していけばいいのではないかと。

 

私は久坂部羊が好きになってしまいましたので、
これからも読み続けたいと思っています。重いテーマの「医療ミステリー」ですけどね。

 

最後に

 

私が読んできた「医療ミステリー」の大半は、「海堂尊」の作品です。

エンターテイメント性に優れている「小説」の方が、楽しいのは間違いないですが、

たまに、久坂部羊の「医療ミステリー」を挟むと、
心への響き方が半端ではないんですよ。ズッシリとのしかかってきます。

そんな久坂部羊の「医療ミステリー」、

私は好きです。

次回作でまた、ズッシリと心に響く「小説」を読ませていただきたい、

今、こんな思いです。

 

ではまた。

 

 

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