「百田尚樹」が、1人の女性の生涯で「美しさ」を描いた「小説」
「永遠の0」で有名な「百田尚樹」、
発言も過激なものが多くて、色々な意味で注目される作家さんです。
「百田尚樹」の「小説」を全て読んだいるわけではないので、
断言はできませんが、
私が読んだことのある「百田尚樹」の「小説」はほぼ、
楽しめたものばかりでした。
「百田尚樹」について
「百田尚樹(ひゃくたなおき)」さんは、
1956年2月23日、大阪市淀川区に生まれます。
同志社大学法学部在学中に「ラブアタック!」という恋愛バラエティに6回挑戦している方です。
私のようなおじさんでも、「ラブアタック!」なるテレビ番組は、名前しか知りません。
大学を中退後、朝日放送のプロテューサーに目をかけられ、
放送作家になり、あの有名なテレビ番組「探偵!ナイトスクープ」のチーフライターを25年以上に渡り務めています。「探偵!ナイトスクープ」という名前は知っておりますが、残念ながら観たことはありません。
放送作家で、小説家の顔も持っている「百田尚樹」さんですが、
私にとっては小説家「百田尚樹」です。
私は関西在住ではないので、
「探偵!ナイトスクープ」を観たことはありませんし、
あの過激な発言の数々もあまり気にならないんですよね。よく喋るおじさんだなぐらいで。
放送作家としての印象が全くない「百田尚樹」さんですが、
「小説」は読み応えのあるものばかりです。
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「百田尚樹」の「小説」
小説家としての「百田尚樹」さん、輝かしい経歴を少しだけ表にします。
年 | 小説 | 主な評価 |
2006年 | 永遠の0 | 小説も映画も大ヒット 代表作 |
2009年 | BOX! | 第30回吉川英治文学新人賞候補 第6回本屋大賞5位 |
2009年 | 風の中のマリア | 個人的に好きだから、載せておく |
2013年 | 海賊と呼ばれた男 | 第10回本屋大賞受賞 |
「直木賞なんかよりもはるかに素晴らしい、文学賞の中で最高の賞だ」と発言 |
発言自体はですね、なんというところに喧嘩を売っているんだと思ってしまいますが、
今現在、本屋大賞の影響力は凄まじいですから、あながち間違っていないなと。
正直な方なんでしょうね。思ったことを何でもズバズバ言ってしまう危うさはありますが。
そんな小説家の「百田尚樹」さん、
1人の女性の生涯で、「美しさ」について私たちに問いかける「小説」を発表しています。
男からすると、悲しくもちょっと背筋がヒヤッとする「小説」です。
「百田尚樹」が描く、1人の女性の生涯
「モンスター」 百田尚樹
ネタバレせずに、紹介します。
主人公は、瀬戸内海に面した人口4万の古い田舎町でレストランを営む町一番の美女です。
綺麗な女性というレベルではなく、絶世の美女と言われるぐらいの容姿です。
この美女、実は作られた美女です。美容整形で莫大なお金をかけて別人になった女性です。
実の親にまで、幼い頃から見た目で罵られてきた女性、高校で幼き日の淡い恋心を抱いた相手と再会します。しかし、自分の見た目にコンプレックスのあった女性は、歪んだ思いからある事件を引き起こしてしまいます。
その常軌を逸した犯行から、町の人々はその女性を「モンスター」と呼んで忌み嫌い、
親からも勘当される形で東京に出て行くことになります。
東京に出てきても何も変わらず、短大や職場で差別され、追い詰められた彼女がとった策は美容整形でした。
顔を変えてしまえ、別人になってしまえ
どんどん美容整形にハマっていきます。
莫大な金額がかかる大掛かりな美容整形、性風俗業に従事しなんとかお金を工面して、
完璧な美人に変身していきました。
完璧な美人になった女性、別人の人生を手にしていきますが、
胸の奥底にはかつての淡い恋心を抱いた相手への思いが・・・。
2度と戻らないと決めていた故郷に、別人となって帰り、レストランを営むことになります。
レストランの美人オーナーとして、1人の男性を待っている日々、果たして再会できるのか。
女性の生涯を通して、「美しさ」とは一体何なのか、
悲しくて背筋がヒヤッとしますが、読み応えのある「小説」です。
読んだ感想
「百田尚樹」の「モンスター」、
個人的には男に勧めたい「小説」です。
もちろん、女性が読んでもラストまで一気に読み進めてしまうと思いますが、より男性の方が怖い思いをしながら読み進められると、私は思ってしまいます。
女性の執念とでもいうのか、思い切りの良さとでもいうのか、男があまり持ち合わせていない気持ちの強さを、この「モンスター」から読み取ってしまいます。
女性はウンウンと共感できる部分があるかもしれませんが、
男にとってはこの上ないぐらい怖いです。「ホラー小説」ではありませんよ。
男というのは所詮、世間体で生きている動物だと嫌という程思い知らされて、悲しくて背筋をヒヤッとさせる「小説」、「百田尚樹」の「モンスター」、
私と同性の方に読んでもらって、怖い思いをしてください、そんな願いです。
「百田尚樹」の「小説」を読んだことがない方へ
大多数の方が、
「永遠の0」で「百田尚樹」を知ったと思います。
「小説」と「映画」、どちらでもいいですけど、
「百田尚樹」を知ったキッカケは「永遠の0」だったのではないでしょうか。
「映画」は観たけど「小説」は読んでいない、
または、「百田尚樹」の「小説」を1冊も読んだことがない方、
「百田尚樹」の入り口としては、やはり「永遠の0」を読んだ方がいいと思います。
いきなり「モンスター」では面食らってしまいます。勧めておいてすいませんけど。
「永遠の0」の「小説」を読んでみて、他の作品も読みたいとなれば、「モンスター」に手を出して、
もしくは、
「昆虫の小説」に抵抗がなければ、こちらの「小説」、
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まぁ、「昆虫の小説」に抵抗のない人などいないと思いますけど、
私は楽しく読み進められたので、選択肢の1つとしておすすめしておきます。
「百田尚樹」が、ただのうるさいおじさんではない事が分かると思います。そんな新しい発見に面食らってしまうかもしれませんが。
「百田尚樹」の「小説」自体をおすすめします。
最後に
このブログで、「小説」を紹介してきて、この記事が「小説」のカテゴリーで30回目です。
ちょっとした節目だと感じていますが、
ブログを開設する前にしっかりと考えておくべきでした。
10冊目はこれ、20冊目はこれ、30冊目はこれ、
こんな感じで考えておけば、もう少し締りのあるカテゴリーになったと思います。これだけ順不同でバラバラだと、どうもね・・・。
今更反省をしても遅すぎるので、40回目を考えていきながら、前向きに書いていこうと思っています。
ではまた。
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