中山七里『護られなかった者たちへ』あらすじ/感想、映画は10月1日から

2021年8月25日

”どんでん返しの帝王”と呼ばれる中山七里の社会派ミステリー、
護られなかった者たちへ

護られなかった者たちへ

✅ 2021年8月4日に文庫本発売

✅ 2021年10月1日から映画公開予定

✅ 中山七里:2018年のインタビュー
「事件の犯人はわかっても、物語の犯人は読み終えた後も誰にもわからない、現時点で最高傑作です!」
と語っていました。

文庫本のカバーが二重になっていて、
映画に出演している俳優陣が確認できるようになっています。

佐藤健さんと阿部寛さんを思い浮かべながら読み進めてみると、
より深く物語に没頭できて、おすすめです。

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中山七里『護られなかった者たちへ』あらすじ/感想

護られなかった者たちへ』中山七里

主な登場人物

笘篠誠一郎(映画で演じるのは阿部寛)

✔︎ ”宮城県警捜査一課に配属されて10年の刑事。2011年3月、震災の津波で妻と子供を亡くし、その後官舎で1人暮らし。
震災から4年後、仙台市で起きた連続餓死殺人事件を追う。”

利根勝久(映画で演じるのは佐藤健:役名「利根泰久」)

✔︎ ”昭和60年生まれの30歳。1度だけ逮捕歴のあった22歳の頃、2007年1月に塩釜福祉保健事務所の職員へ怪我を負わせ、同日夜に事務所庁舎の裏手に放火。
懲役10年を求刑され、模範囚として8年で仮出所。”

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あらすじ

護られなかった者たちへ』あらすじ

東日本大震災から4年後、
仙台市のアパートで他殺体が発見された。

両手両足は拘束され、口はガムテープで塞がっており、
死ぬまで飢え苦しませた状態。
餓死という残酷な殺害方法から、担当刑事の笘篠は、
被害者に強烈な恨みを持った者の犯行だと睨む。

しかし、
聞き込みから得られる証言をどれだけ積み上げていっても、
被害者が人から恨まれるような人物とは、到底思えない。

捜査線上に容疑者が全く浮かび上がらず、4日間という時間が過ぎた頃、
2人目の餓死死体が発見される。

1人目、2人目の被害者とも殺害方法に共通項が多く、
笘篠たちは同一人物の犯行と考え、さらに捜査を進めていく。

それでもなかなか容疑者には辿り着かなかったが、
被害者たちの過去を遡ってみると、
2人は塩釜福祉事務所で2年の間、同じ時期に職員として働いていたことを突き止めた。

そして、
笘篠が目にしたのは、生活保護の実態と、
2人の被害者が恨まれた原因となったであろう真実。

その真実から浮かび上がってきた、ある容疑者・・・。

利根勝久30歳

1人目の被害者が行方不明になった1週間前に、仮出所してきた男。

笘篠は利根の過去を遡り、
殺人動機となり得た出来事を突き止め、3人目の犠牲者を出さないために、
利根を追いかける。

その先に潜んでいた驚愕の真実とは一体・・・。

護られなかった者たちへ

Amazonカスタマーレビュー(450件以上)
4.5
楽天レビュー(130件以上)
4
BookLiveレビュー(30件以上)
4.5

 

おじさんの感想

おじさんの声
おじさんの声
『護られなかった者たちへ』を読んだ感想

 

文庫の表紙、
号泣必至の社会派ミステリー!”の文字と、
主演の佐藤健さんと阿部寛さんが目につく”映画キャスト陣”、
並んでいる新刊の中でも一際目立っていた1冊、
中山七里『護られなかった者たちへ

 

躊躇せずに手に取ってしまいました。

 

映画化を知ったのはその時が初めてで、
「ヘェ〜」ぐらいの感覚だったんですけど、
読み終わった今なら、脳内変換がバッチリできている状態となっています。

 

特に佐藤健さん

 

”笘篠刑事”役の阿部寛さんも小説内の”笘篠像”とピッタリですが、
個人的に、小説内の”利根像”とビタッとハマったのが佐藤健さん。

 

小説内の”利根勝久”が一体どんな人物なのか?
この部分を書くわけにはいきませんので、
原作小説を読むか、
10月1日から公開予定となっている映画で確認してください、としか言えません。

 

ただ、
”利根勝久”という男の、真面目すぎて時に暴走気味になる実直さと、
不器用ながらも”家族を護る”気持ちが強烈に描かれているその姿、
佐藤健さんならビタッとハマってしまいます。

 

映画を視聴するなら原作小説は読まない方が良い、
これが私の持論ですけど、
もう読んでしまいましたので、1人の小説好きのおじさんとして、

 

中山七里の小説護られなかった者たちへはおすすめです、
とだけ、書かせていただきます。

Amazonカスタマーレビュー(450件以上)
4.5
楽天レビュー(130件以上)
4
BookLiveレビュー(30件以上)
4.5

 

映画『護られなかった者たちへ』

映画『護られなかった者たちへ

映画『護られなかった者たちへ』本予告(60秒)

監督
瀬々敬久

 

原作
中山七里『護られなかった者たちへ

 

文庫本巻末対談(中山七里×瀬々敬久)
瀬々「中山さんは、”どんでん返しの帝王”と呼ばれていますが、映画ではそこを主軸にしていないので、中山さんのファンからは怒られるかもしれません。どんでん返しのその先を、映画は見つめていこうというプランがあったので、そういう意味では小説とは視座が違います。」

 

主題歌
桑田佳祐「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」

 

日本公開2021年10月1日

原作小説とは若干、登場人物の設定が変わっていたり、
比重を置いている部分も少し変えているようです。

とは言え、物語は原作小説護られなかった者たちへですので、
非常に観応えのある映画になっているのではないでしょうか。

原作は読み応えバッチリでしたからね。

 

 

キャスト

映画『護られなかった者たちへ

 

キャスト(役名)

 

佐藤健(利根泰久) 阿部寛(笘篠誠一郎)

 

清原果耶(円山幹子) 林遣都(蓮田智彦)

 

永山瑛太(三雲忠勝) 緒形直人(城之内猛)

 

岩松了(楢崎) 波岡一喜(鈴木)

 

奥貫薫(笘篠紀子) 井之脇海(菅野)

 

鶴見辰吾(東雲) 三宅裕司(櫛谷貞三)

 

吉岡秀隆(上崎岳大) 倍賞美津子(遠島けい)

 

日本公開2021年10月1日

役名が分かっているキャスト陣だけ、書かせていただきました。

こうやって見てみると、
佐藤健さんと阿部寛さん以外で、興味深い配役が、
”遠島けい”役の倍賞美津子さんん。

他のキャスト陣も超豪華ですけど、
重要な役割を担うであろう”遠島けい”役に日本の大女優:倍賞美津子さん、
原作小説であのラストを迎える”遠島けい”を・・・、やめておきます。

映画版も同じになるとは限りませんが、
ネタバレは原作小説護られなかった者たちへを読むか、
10月1日から公開される映画『護られなかった者たちへを視聴するか、
そのどちらかで確認してみてください。

 

 

最後に

 

中山七里の社会派ミステリー、
護られなかった者たちへを紹介させていただきました。

文庫本の表紙に書かれている”号泣必至の社会ミステリー!”、
正直に言いますと、泣きはしませんでしたね。

ただ、変な言い方になりますが、

読み終えた時の手応えは強烈

感動させられるある人物の遺言、
その遺言から私が感じ取ったのは”母親の強さ”です。
涙を流すより先に、母性の強さとでも言いますか、震えるほど感心してしまいまして、
強烈な安心感を覚えてしまったんですよね。

で、スッと腑に落ちた感じで・・・。

号泣はせず、読み終えた時に妙な手応えを強烈に感じてしまった、
そんな護られなかった者たちへでした。

ではまた。

 

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