「ホラー小説」の傑作、今さら読んでも怖くは・・・怖い!
私は、
ホラーというジャンルが得意ではありません。
嫌いというよりは、避けていると言った方が合っている気がします。
映画でも小説でも、まず手に取ることはありません。
ただ、
全く観たことがない、読んだことがないというわけではなく、多少触れてはいます。
多少です・・・。
海外ホラーと日本のホラー
海外ホラーといえば、何を想像しますか。
私がパッと思いつくのは、
ジェイソンやフレディ、
チェーンソーを振り回すようなスプラッター系を思い浮かべてしまいます。
もっと古典的なのは、
ドラキュラやフランケンシュタインあたりでしょうか。
血が飛び散ったりする、肉体的に痛いものを想像してしまいます。
オカルトと言われるジャンルだと、また違いますけどね。
逆に日本のホラーといえば、
四谷怪談とか皿屋敷とか、
肉体的ではなく精神的に痛い作品が主流な気がします。
幽霊、怨念、呪い、精神にジワジワくるホラー、ビックリするより寒気がする、
こういうの得意ですよね。
最近では、
ゾンビものが流行っているせいか、話題になっている映画がありますけど、
やはり、日本のホラーといえば精神が痛くなる作品が多いと思います。
今回、紹介しようと思った小説もその類です。
日本ホラーの代表格
日本で1番有名なホラー作品ではないでしょうか。
映画にもなって、海外でリメイクもされています。
これは大丈夫でした。なぜなら、
原作も恐ろしく怖かったし、原作を読んだ後に観た映画も楽しめました。
ものすごく怖かったですけど・・・。
原作小説が面白いとなると、
映像化するのは大変なプレッシャーがかかると思います。簡単に批判されますからね。
そういう意味ではこの作品、
原作と映画、両方とも楽しめる作品になっています。結構珍しいと思いますよ。
日本ホラー界の代表格になったと言える作品でしょうね。
いつまでも記憶に残る、そんな作品になりました。
ある意味、
日本ホラー界に強烈な楔を打ったと言える作品だと思います。
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「ホラー小説」の傑作
「リング」 鈴木光司
約30年前の小説です。
これだけ有名な作品ですから、内容を紹介する必要はありませんが、一応簡単に。
「そのビデオを見ると、1週間後に死ぬ。」
今ではほとんど無くなったVHSビデオ、「呪いのビデオ」です。
本当の主人公はこのビデオだと言ってもいいぐらい、物語の中心です。
ビデオを見て本当に死んでいく人々、
それを目の当たりにして、なんとかビデオの謎を解こうとする主人公、
主人公を助ける男、呪いのビデオを中心に、精神的にジワジワくる描写の数々、
活字でも十分に恐ろしい作品です。
鈴木光司について
鈴木光司(1957年5月13日〜)は、日本の作家、小説家、エッセイストです。
今まで刊行されている「リング」シリーズは、
刊行年 | 出版元 | 小説 |
1991年 | 角川ホラー文庫 | リング |
1995年 | らせん | |
1998年 | ループ | |
1999年 | バースデイ | |
2012年 | エス | |
2013年 | タイド |
鈴木光司のデビュー作は、1990年の「楽園」という作品です。
日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を獲得しています。
「リング」はというと、
横溝正史ミステリ大賞最終候補止まりだったそうですが、
「リング」の文庫本が発売されて、口コミで話題となって大ヒットにつながったようです。
口コミのパワーは凄いですね。私もそのパワーに負けたんでしょうね。
鈴木光司は、このリングをシリーズ化しています。
続編「らせん」、一応完結編「ループ」など、リングシリーズは大ベストセラーになりました。
映画も大ヒットです。鈴木光司の名は日本中の誰もが知っていました。
「リング」というコンテンツが強すぎて、
他の小説があまり有名ではありませんが、リングシリーズ以外の小説も面白いですよ。
「ホラー小説」の傑作を読んだ方達のレビューを、紹介します
・「リング」を読んだAさんのレビュー
とても面白いです。
原作は、主人公は男で随分と男臭い感じなのと、貞子が両性具有てのにちと面食らいました。
主人公の親友役のやつ、キャラが濃すぎます。
・「リング」を読んだBさんのレビュー
十数年ぶりに再読です。
映画版はテレビなどで結構観ていたので、その違いを思い出して楽しんで読めました。
この頃は携帯電話も無かったのに、今は貞子3Dとか・・時代を超えて愛される作品ですね。
・「リング」を読んだCさんのレビュー
ホラーというよりミステリ。
見たら一週間後に死ぬ呪いのビデオのオマジナイを求めます。
竜司のキャラクターが映画版とは大きく異なります。読みやすい文章でスリリングで、
本当に幸せな時間でした。
タイムリミットが一週間しかない、どんどん時間が無くなっていくことへの恐怖と絶望感、
そりゃあバカ売れするわけですよね。めちゃくちゃ面白いですから。
・「リング」を読んだおじさん
これだけ有名な「リング」、映画で観たという方も多いでしょうね。
ではなぜ、「リング」の原作を勧めるのか、それは簡単です。
文字を読み進めたら、簡単に頭の中に想像できるからです。
画像として、映像としてハッキリと頭の中に描くことができます。
登場人物ほぼ全てを、実在する俳優に置き換えられます。
こんなに読み進めるのが簡単なことはありません。
しかも、
活字で想像する怖さを体験できます。ラストが分かっていても、
作品の中にある精神にジワジワくる怖さは損なわれないと思います。
そして、
原作の怖さと、映画の怖さを比べてみてはいかがでしょうか。
あの映画「リング」を、原作からどう作ったのか、
「呪いのビデオ」を原作ではどのように文字で表現していたのか、確認してみてください。
その逆も楽しめると思います。
原作の中では文字として表現されていた「呪いのビデオ」を、
よくここまで映像化したなと思えるはずです。あれは見事だと。
「呪いのビデオ」の確認だけでも、面白い発見が出来ると思います。
原作「リング」、オススメです。
最後に
このリングシリーズ、
小説はほぼ全て読んでいます。続編の「らせん」も面白い作品でした。
個人的にですけど、もし読むなら、
「リング」と「らせん」、この2つの小説だけでいいと思います。
あくまで個人的な好みですけどね。
映画もこの2つだけで十分だと思っています。怒られそうですが。
貞子vs○○とか、全く見る気が起きません。
なんでそんなことになったのか、調べていないので分かりませんが、
観た方がいたら教えて欲しいぐらいですよ。私の周りには1人もいないので。
まぁ、ジェイソンみたいに、宇宙に飛び出していかなければね・・・。
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