『ROMA/ローマ』のあらすじと感想、金獅子賞を受賞したNetflix映画
第91回アカデミー賞で最多の10部門にノミネート。
第75回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)を受賞。
Netflix映画『ROMA/ローマ』
✅ 監督アルフォンソ・キュアロン
✅ アルフォンソ・キュアロンのコメント
「台本はなく、あるのは思い出と、大まかな物語の骨組みです」
「この映画に真実味がある理由は、多分、感覚を大事にしたためです」
(『ROMA/ローマ 完成までの道』内でのコメント)
✅ 2時間14分のモノクロ映画
監督アルフォンソ・キュアロンの半自伝的な物語、
1970年と1971年のメキシコシティを舞台とした映画『ROMA/ローマ』。
批評家たちの評価も、一般的なレビュー評価も高い作品です。
ただ、
面白い映画だからオススメ、とか、
1度は観ておいたほうが良い名作映画、みたいなオススメの仕方はできません。
正直、私はそこまでハマれませんでしたね。
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『ROMA/ローマ』あらすじと感想
『ROMA/ローマ』
『ROMA/ローマ』ティーザー予告編-Netflix[HD]
・出演(役名)
ヤリッツァ・アパリシオ(クレオ)
→女優デビュー作・アカデミー主演女優賞ノミネート
マリーナ・デ・タビラ(ソフィア)
→アカデミー助演女優賞ノミネート
フェルナンド・グレディアガ(アントニオ)
ホルヘ・アントニオ・ゲレーロ(フェルミン)
マルコ・グラフ(ぺぺ)
ダニエラ・デメサ(ソフィ)
ディエゴ・コルティナ・アウトレイ(トーニョ)
カルロス・ペラルタ(パコ)
・日本での劇場公開
2019年3月9日
・今現在、Netflixで視聴可能
・ノミネート(10部門)
作品賞・監督賞・主演女優賞(ヤリッツァ・アパリシオ)
助演女優賞(マリーナ・デ・タビラ)・脚本賞・外国語映画賞
音響編集賞・録音賞・美術賞・撮影賞
☆受賞(3部門)
監督賞(アルフォンソ・キュアロン)
外国語映画賞(メキシコからの出品作として初)
撮影賞(アルフォンソ・キュアロン)
☆金獅子賞(最高賞)受賞
『ROMA/ローマ』:アルフォンソ・キュアロン
第76回ゴールデングローブ賞でも、
外国語映画賞と監督賞の2冠に輝いている『ROMA/ローマ』。
アメリカの映画評論サイトRotten Tomatoesでは、
300件のレビューがあり、なんと支持率96%、平均点は10点満点中9.6。
恐ろしく評価の高い作品になっています。
あらすじ
『ROMA/ローマ』あらすじ
メキシコシティのコロニア・ローマ地区で、
住み込みの家政婦として働いているクレオ。
雇い主のアントニオ、その妻ソフィア、ソフィアの母、
4人の子供たち、
そしてもう1人の家政婦アデラと共に暮らしていた。
裕福とまでは言えないが、
中流家庭の家政婦として仕事を全うしているクレオ。
子供達の声に囲まれながら、犬の世話、食事などの雑務を支える、アントニオ家の一員。
緩やかな日常が続いていく中、
アントニオ家は内側から少しずつひび割れていく。
留守がちな夫アントニオ。
そんな夫の行動からイライラが募っていくソフィア。
そして、
クレオの日常にもひびが入っていく。
ボーイフレンドとの間にできた新たな命。それを知って姿を消すボーイフレンド。
それでも、アントニオ家の家政婦として働き続けるクレオ。
彼女の背中には確実に迫り来るものがある。
音を立てず静かに、だが確実に、大きなうねりを伴った波はすぐそこまで。
その音を聞きながら、
クレオはただただ、日常を生き抜いていく。
〜『ROMA/ローマ』〜
タイトルの『ROMA/ローマ』というのは、
メキシコシティのクアウテモクの地区名であるローマ地区(コロニア・ローマ)に基づいています。
監督アルフォンソ・キュアロンの出身地はメキシコシティ。
当時のローマ地区に詳しい方ですから、
このようなタイトルになった模様です。
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『ROMA/ローマ』を観た方達の感想
オープニングから最高です。
モノクロで美しい映像が、ソフィア一家と家政婦クレオの家族愛の表現を一層引き立たせていると思います。
個人的に2019年のベストムービーです。
臨場感、没入感、すっかり1970年代のメキシコに暮らす感覚に陥ったのちに、展開される物語。
非常に良かったです。
ネットフリックスに入会したので、最初に観るのは限定作品にしようと思い、『ROMA/ローマ』を鑑賞しました。
モノクロがいい味を出していて、ストーリーも切なくて良かったです。
けど、あまりハマれませんでした。
モノクロだからこそ分かる色彩の美しさ。
温度感がない白と黒が織りなす景色が素晴らしく、特に波に打たれているシーンが滴や波模様を鮮明に観せていて凄かったです。
ただ、
残念ながらストーリーには微塵も興味が湧きませんでした。
おじさんの感想
(2時間以上あるモノクロ映画、長いとは感じなかった)
冒頭にも書いたんですけど、
ちょっとハマれなかった感があります。
相当構えて視聴してしまいました。
アカデミー賞で10部門ノミネート、
ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞、
レビュー評価が異常に高い『ROMA/ローマ』と。
個人的には、
淡々と流れている波打ち際を観せられているような感じでしたね。
一定の間隔で打ち付ける穏やかな波の中に、
しれっと大きな波がたま〜に打ち付けてくるような。
難しいことを書いても致し方ないので、正直にいうと、
面白い映画だったとは思えませんでした。これが本音です。
多分、
面白いとかツマラナイなどの感想で一括りにできない映画ではないかと。
それは分かるけども、分かるけども!
といった感じです。
それでも7.5点というのは、
2時間ちょっとあるモノクロ映画、淡々とした映画なのに、
2時間が苦にならなかったからです。派手さの全くない2時間がイヤじゃなかったから。
流石に、オススメ映画です!とは言えませんので、
金獅子賞を受賞した作品に興味がある方なら、観ておいたほうがよろしいのでは、
ぐらいにしておきます。
Netflix映画『ROMA/ローマ』、
Netflixなら、いつ何時での視聴が可能となっています。
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金獅子賞を受賞した映画(2010年〜)
1932年から開催されているヴェネツィア国際映画祭。
(最も歴史の古い国際美術展ヴェネツィア・ビエンナーレの映画部門として開始:1932年8月6日)
その最高賞が「金獅子賞」。
(ちなみに、銀獅子賞というのは監督賞、平たく言うと2位の作品に贈られる賞です)
2010年から2020年までの「金獅子賞」受賞作は、
以下の通りです。
開催年 | 金獅子賞を受賞 |
2010年 | 「SOMEWHERE」 (監督ソフィア・コッポラ、製作国:アメリカ) |
2011年 | 「ファウスト」 (監督アレクサンドル・ソクーロフ、製作国:ロシア) |
2012年 | 「嘆きのピエタ」 (監督キム・キドク、製作国:韓国) |
2013年 | 「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」 (監督ジャンフランコ・ロッシ、製作国:イタリア) |
2014年 | 「さよなら、人類」 (監督ロイ・アンダーソン、製作国:スウェーデン) |
2015年 | 「彼方から」 (監督ロレンソ・ビガス、製作国:ベネズエラ) |
2016年 | 「立ち去った女」 (監督ラヴ・ディアス、製作国:フィリピン) |
2017年 | 「シェイプ・オブ・ウォーター」 (監督ギレルモ・デル・トロ、製作国:アメリカ) |
2018年 | 『ROMA/ローマ』 (監督アルフォンソ・キュアロン、製作国:メキシコ) |
2019年 | 「ジョーカー」 (監督トッド・フィリップス、製作国:アメリカ) |
2020年 | 「ノマドランド」 (監督クロエ・ジャオ、製作国:アメリカ) |
記憶に新しいのは、昨年大ヒットした「ジョーカー」。
その前年に「金獅子賞」を受賞していたのが『ROMA/ローマ』です。
メキシコ映画として初、
Netflix映画としても初めて「金獅子賞」を受賞した作品になりました。
メキシコ映画では初、では、
「金獅子賞」を受賞した日本映画は?というと、
2010年代にはありませんけど、過去を振り返れば、3作品が受賞しています。
開催年 | 金獅子賞を受賞した日本映画 |
1951年 | 「羅生門」 (監督:黒澤明、主演:三船敏郎) |
1958年 | 「無法松の一生」 (監督:稲垣浩、主演:三船敏郎) |
1997年 | 「HANA-BI」 (監督:北野武、主演:ビートたけし) |
黒澤明、北野武などの映画監督は世界中の映画ファンが知っている、
と言えるぐらい有名な方達。
2018年に「金獅子賞」を受賞した『ROMA/ローマ』の監督、
アルフォンソ・キュアロンも非常に有名な映画監督です。
監督アルフォンソ・キュアロンについて
アルフォンソ・キュアロン・オロスコ(1961年11月28日〜)は、
メキシコシティ出身の映画監督です。
主な長編映画監督作は、
公開年 | タイトル |
1991年 | 「最も危険な愛し方」 (日本劇場未公開作品、主演:ダニエル・ヒメネス・カチョ) |
1995年 | 「リトル・プリンセス」 (主演:リーセル・マシューズ) |
1998年 | 「大いなる遺産」 (主演:イーサン・ホーク) |
2001年 | 「天国の口、終りの楽園。」 (主演:ガエル・ガルシア・ベルナル) |
2004年 | 「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 (主演:ダニエル・ラドクリフ) |
2006年 | 「トゥモロー・ワールド」 (主演:クライヴ・オーウェン) |
2013年 | 「ゼロ・グラビティ」 (主演:サンドラ・ブロック) |
2018年 | 『ROMA/ローマ』 (主演:ヤリッツァ・アパリシオ) |
「ゼロ・グラビティ」:第86回アカデミー賞
・ノミネート(9部門)
作品賞・監督賞・主演女優賞(サンドラ・ブロック)・作曲賞
音響編集賞・録音賞・撮影賞・編集賞・視覚効果賞
☆受賞(7部門)
監督賞(アルフォンソ・キュアロン)
作曲賞・音響編集賞・録音賞・撮影賞・編集賞・視覚効果賞
『ROMA/ローマ』:第91回アカデミー賞で3部門受賞
・ノミネート(10部門)
作品賞・監督賞・主演女優賞(ヤリッツァ・アパリシオ)
助演女優賞(マリーナ・デ・タビラ)・脚本賞・外国語映画賞
音響編集賞・録音賞・美術賞・撮影賞
☆受賞(3部門)
監督賞(アルフォンソ・キュアロン)
外国語映画賞(メキシコからの出品作として初)
撮影賞(アルフォンソ・キュアロン)
「天国の口、終りの楽園。」:第58回ヴェネツィア国際映画祭
☆受賞
脚本賞(アルフォンソ・キュアロン)
マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)
『ROMA/ローマ』:第75回ヴェネツィア国際映画祭
☆受賞
金獅子賞(最高賞)
長編映画の監督としてはまだ8作ほどですが、
「ハリー・ポッター」シリーズの1作を監督していたり、
SFアクション「トゥモロー・ワールド」、
SF映画の名作「ゼロ・グラビティ」を生み出していたりと、
『ROMA/ローマ』の雰囲気からは想像できない大作を作り出してきた映画監督です。
昨年公開された「魔女がいっぱい」の制作陣の1人にも名を連ねています。
アルフォンソ・キュアロンの名は、
今後もアカデミー賞、その他の映画賞の舞台で必ず名前が挙がってくるんでしょうね。
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Netflixで視聴可能なアルフォンソ・キュアロン監督作
今現在(2021年1月1日)、
Netflixで視聴可能なアルフォンソ・キュアロン監督作は2作。
公開年 | Netflixで視聴可能 |
2013年 | 「ゼロ・グラビティ」 (SFヒューマンドラマ:再生時間1時間30分) (ジョージ・クルーニーにも注目) |
2018年 | 『ROMA/ローマ』 (モノクロ映画/ヒューマンドラマ:再生時間2時間14分) (15歳未満の未成年者は視聴注意) |
2020年 | ※『ROMA/ローマ 完成までの道』 (舞台裏を描いたドキュメンタリー:再生時間1時間12分) (こちらはカラーなので、本編との対比を楽しめる) |
※映画ではありません。
アルフォンソ・キュアロン監督作に絞ると、
今現在2作品のみが視聴可能となっています。
SFヒューマンドラマ「ゼロ・グラビティ」と『ROMA/ローマ』。
色合いが全く違う2作で、
アルフォンソ・キュアロン監督作を確認してみてください。
最後に
第91回アカデミー賞で最多の10部門にノミネート。
第75回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)を受賞。
Netflix映画『ROMA/ローマ』を紹介させて頂きました。
個人的にはハマれなかった作品ではありますが、
世間一般、批評家たちの評価はすこぶる高い作品です。
是非、ご自身の目で視聴して、どのような感情を抱くのか、
あまり構えないで再生ボタンを押して頂ければなと。
批評家の評価を気にする必要はありませんからね。
最後に1つだけ。
『ROMA/ローマ』の序盤、
ちょっとビックリするシーンがあります。
「えっ?、いいんだそれ・・・」
と、視聴者が必ずハッとさせられるシーンがありますので、
家族で視聴するのは控えたほうがよろしいと思います。
気まずくなってしまいますよ。
ではまた。
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