ヴェネチア2冠『イニシェリン島の精霊』監督/キャスト/あらすじ/感想、何かと痛い映画です

2023年2月12日

うるさい批評家たちが大絶賛し、
一般的な評価も非常に高い2017年の映画「スリー・ビルボード」。
(日本での公開は2018年)

その「スリー・ビルボード」を生み出したのが、
監督、脚本、製作を担当したマーティン・マクドナー。

彼の最新作は2023年1月27日から公開されました。

イニシェリン島の精霊

✅ 監督/脚本/製作:マーティン・マクドナー、
主演:コリン・ファレル

ヴェネチア国際映画祭2冠達成
(最優秀脚本賞、最優秀男優賞)

第80回ゴールデングローブ賞3部門受賞
(最優秀作品賞、最優秀主演男優賞、最優秀脚本賞)

第95回アカデミー賞9部門ノミネート
(作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞2人、助演女優賞、脚本賞、作曲賞、編集賞)

✅ 日本では2023年1月27日(金)から公開

「スラムドッグ$ミリオネア」(2008年)、
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014年)、
「シェイプ・オブ・ウォーター」(2017年)、
「ノマドランド」(2021年)、
これまでアカデミー作品賞を受賞したこの4作品を配給してきた、
サーチライト・ピクチャーズの最新作、
イニシェリン島の精霊

映画好きなら注目しておいて良い1本ではないでしょうか。

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ヴェネチア2冠『イニシェリン島の精霊』

イニシェリン島の精霊

『イニシェリン島の精霊』予告編〈2023年1月27日公開!〉

【監督/脚本】
マーティン・マクドナー

【製作】
グラハム・ブロードベント、ピーター・ツェルニン
マーティン・マクドナー

【撮影】
ベン・デイビス

【編集】
ミッケル・EG・ニールセン

【音楽】
カーター・パーウェル

【配給】
サーチライト・ピクチャーズ

【日本公開】
2023年1月27日(金)

 

第79回ヴェネチア国際映画祭

カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭の1つ、
ヴェネチア国際映画祭

毎年8月末から9月初旬に、
イタリアのヴェネチアで開催されています。

第79回ヴェネチア国際映画祭(2022年)

最優秀脚本賞受賞
マーティン・マクドナーイニシェリン島の精霊

ボルピ杯(最優秀男優賞)
コリン・ファレルイニシェリン島の精霊

第79回ヴェネチア国際映画祭のワールドプレミア上映で、
イニシェリン島の精霊は観客に受け入れられて、
15分間のスタンディング・オベーションを浴びました。

そして、2冠を達成です。
(第74回でも、「スリー・ビルボード」でマーティン・マクドナーは脚本賞を受賞)

ちなみに、
第79回ヴェネチア国際映画祭のその他の部門は以下の通りです。

第79回ヴェネチア国際映画祭(2022年)

金獅子賞(最高賞)
「All the Beauty and the Bloodshed」/ローラ・ポイトラス

銀獅子賞(審査員グランプリ)
「Saint Omer」/アリス・ディオップ

銀獅子賞(最優秀監督賞)
ルカ・グァダニーノ/「ボーンズ アンド オール」

ボルピ杯(最優秀女優賞)
ケイト・ブランシェット/「ター(原題)」

ボルピ杯(最優秀男優賞)
コリン・ファレルイニシェリン島の精霊

最優秀脚本賞
マーティン・マクドナーイニシェリン島の精霊

審査員特別賞
「ノー・ベアーズ(英題)」/ジャファル・パナヒ

マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)
テイラー・ラッセル/「ボーンズ アンド オール」

ヴェネチア国際映画祭
日本人にも多少馴染みのある映画祭です。

第12回(1951年)、黒澤明監督の「羅生門」が金獅子賞。
第19回(1958年)、稲垣浩監督の「無法松の一生」が金獅子賞。
第54回(1997年)、北野武監督の「HANA-BI」が金獅子賞。

北野武監督は、
第60回(2003年)にも「座頭市」で銀獅子賞を受賞しています。

ここ最近の有名なアメリカ映画で、記憶に新しい1本と言えば、
第76回(2019年)の「ジョーカー」が金獅子賞。

一般的とは言えないまでも、
そこまでハズさない映画祭、と感じるヴェネチア国際映画祭

そのヴェネチア国際映画祭の第79回(2022年)に2冠を達成したのが、
マーティン・マクドナー監督作イニシェリン島の精霊です。

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第80回ゴールデングローブ賞

第80回ゴールデングローブ賞(2023年)、
イニシェリン島の精霊3部門で受賞を果たしました。

第80回ゴールデングローブ賞(2023年)

最優秀作品賞(ミュージカル/コメディ部門)
イニシェリン島の精霊

最優秀主演男優賞(ミュージカル/コメディ部門)
コリン・ファレルイニシェリン島の精霊

最優秀脚本賞
マーティン・マクドナーイニシェリン島の精霊

ちなみに、その他の受賞は、

第80回ゴールデングローブ賞(2023年)

最優秀作品賞(ドラマ部門)
「フェイブルマンズ」

最優秀主演男優賞(ドラマ部門)
オースティン・バトラー/「エルビス」

最優秀主演女優賞(ドラマ部門)
ケイト・フランシェット/「TAR ター」

最優秀主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)
ミシェル・ヨー/「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

最優秀助演男優賞
キー・ホイ・クァン/「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

最優秀助演女優賞
アンジェラ・バセット/「ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー」

最優秀監督賞
スティーヴン・スピルバーグ/「フェイブルマンズ」

最優秀作曲賞
ジャスティン・ハーウィッツ/「バビロン」

最優秀主題歌賞
“Naatu Naatu”/「RRR」

最優秀長編アニメーション映画賞
「ギレルモ・デル・トロのピノッキオ」

最優秀非英語映画賞
「アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判」

第80回ゴールデングローブ賞でも評価を得たイニシェリン島の精霊
批評家や映画好きから好かれる作風の映画、
と言えるかもしれません。

2023年のアカデミー賞でも評価を得るかも?

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第95回アカデミー賞

第95回アカデミー賞(2023年)は、
2023年3月12日に授賞式が行われる予定です。

イニシェリン島の精霊9部門でノミネートされています。

第95回アカデミー賞(2023年)

ノミネートは以下の通り

作品賞イニシェリン島の精霊
監督賞/マーティン・マクドナー
主演男優賞/コリン・ファレル
助演男優賞/ブレンダン・グリーソン、バリー・コーガン
助演女優賞/ケリー・コンドン
脚本賞/マーティン・マクドナー
作曲賞/カーター・バーウェル
編集賞/ミッケル・E・G・ニルソン

作品賞と監督賞は、
スティーヴン・スピルバーグの「フェイブルマンズ」。
ダニエル・クワンとダニエル・シャイナートの、
「エブリシング・エブリウェア・オール・ワット・ワンス」。
この三つ巴の戦いになるのではないかと。

主演男優賞はほぼ決まり。

助演男優賞は、
「エブリシング・エブリウェア・オール・ワット・ワンス」の、
キー・ホイ・クァンに、
ブレンダン・グリーソンとバリー・コーガンが挑む形でしょうか。

個人的には、
ブレンダン・グリーソンが圧倒的な印象ですけど・・・。
(「エブエブ」はまだ観ていないので何とも)

3月12日に結果発表です。

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監督

マーティン・マクドナー(1970年3月26日〜)は、
イギリス及びアイルランドの劇作家、脚本家、映画監督です。

今までに、
映画監督と脚本を担当した作品は、

2004年「Six Shooter」:短編映画

2008年「ヒットマンズ・レクイエム」
主演:コリン・ファレル(レイ役)
第81回アカデミー賞 脚本賞 ノミネート
第66回ゴールデングローブ賞 主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門) 受賞

2012年「セブン・サイコパス」
主演:コリン・ファレル(マーティ・ファラナン役)
第37回トロント国際映画祭 観客賞(ミッドナイト・マッドネス) 受賞

2017年「スリー・ビルボード」
第90回アカデミー賞 作品賞/主演女優賞/助演男優賞2人/脚本賞/作曲賞/編集賞の計7部門でノミネート
主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)受賞
助演男優賞(サム・ロックウェル)受賞
第42回トロント国際映画祭 観客賞(最高賞)受賞
第74回ヴェネチア国際映画祭 脚本賞 受賞

2023年『イニシェリン島の精霊
主演:コリン・ファレル
第79回ヴェネチア国際映画祭
最優秀脚本賞(マーティン・マクドナー)受賞
最優秀男優賞(コリン・ファレル)受賞

非常に有名な映画が、
日本で2018年に公開された「スリー・ビルボード」。

演技派の大女優フランシス・マクドーマンドが、
通算3回受賞しているアカデミー主演女優賞の2回目を飾った映画です。

イニシェリン島の精霊も楽しみですけど、
マーティン・マクドナー監督作に触れておくなら、
「スリー・ビルボード」は必見といった作品だと思います。

 

2022年11月30日現在、
「スリー・ビルボード」を今すぐ部屋で視聴するなら、

U-NEXT(199pt必要)

Amazonプライムビデオ
字幕吹替、共に204円レンタル)
がオススメです

 

キャスト

 
 
 
 
 
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【キャスト(役名)】
コリン・ファレル(パードリック

ブレンダン・グリーソン(コレム

ケリー・コンドン(シボーン

バリー・コーガン(ドミニク

パット・ショート(ジョンジョ・ディヴァイン

シェイラ・フリットン(Mrs.McCormick

ゲイラー・ライドン(ピーダー・カーニー

デイビット・ピアース(the Priest

ジョン・ケニー(ジェリー

ここ数年、
コリン・ファレルが出演している映画を映画館で視聴して、
ハズレた事は1度もありません(2本だけですけど)。

2021年に視聴したガイ・リッチー監督作、
ジェントルメン」(コーチ役)。

2022年に視聴したロバート・パティンソン主演映画、
THE BATMAN-ザ・バットマン-」(ペンギン役)。

どちらもコリン・ファレルが主役という訳ではないので、
何の参考にもなりませんけど、個人的には好印象です。

イニシェリン島の精霊の演技は、
ヴェネチアでもゴールデングローブ賞でも評価されていますから、
コリン・ファレルを観るなら、こちらがベストかも。
(もしかすると、今年のアカデミー賞でも評価されるかもしれません)

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あらすじ

イニシェリン島の精霊』あらすじ

「昨日までは、
すべてがうまく行っていた。
・・・昨日までは・・・」

1923年、
アイルランド西海岸沖のイニシェリン島。

内戦で血が流れている本土とは対照的に、
のどかな平和が保たれたこの島の誰からも愛される素朴な男、
パードリック(コリン・ファレル)は、
親友のコルム(ブレンダン・グリーソン)から突然絶交を告げられる。

原因も理由も全く分からず困惑したパードリックは、
賢い妹のシボーン(ケリー・コンドン)や、
若い隣人のドミニク(バリー・コーガン)を巻き込んで関係修復を図るが、
コルムは頑なにパードリック拒否

やがてコルムは、

「これ以上、お前が俺を煩わせたら、自分の指を切り落とす

という恐ろしい最後通告をパードリックに突きつけ、
両者の対立は、
想像を絶する事態へと突き進んでいく・・・。

イニシェリン島の精霊

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おじさんの感想(ネタバレ注意)

おじさんの声
おじさんの声
イニシェリン島の精霊』の感想

 

(言葉にするなら、痛い、ですかね)

7.5

 

個人的に気になる映画でしたから、
イニシェリン島の精霊を映画館で視聴してきました。

 

予告動画の雰囲気は少し不気味でしたけど、ブラック・コメディという事でしたので、
落ち着き払って足を運んだんですが・・・。

 

結構、色々と痛い映画、だったなと。

 

まず、

 

面白いか面白くないかだけで言うと、
面白くはなかったです。

 

娯楽的に楽しい場面なんてほぼありません。

 

終始、何か痛々しい男たちの物語。

 

急に絶縁宣言する男も痛々しいし、
(もう少しやり方があるだろうと)

 

それを全然受け入れずにもがき続ける男も痛々しい。
(いい加減諦めなさい、構うんじゃない、とか思ってしまいます)

 

私なら、
切り落とされた指を確認した時点で、どんなに親しかった友達であろうと、
こちらから距離をおくんですけど、
この主人公は諦めないんですよね。

 

どうしても納得がいかない・・・、
納得できる理由が欲しい・・・、
そしてまた元どおりに・・・本当に痛々しかったです。

 

ただ、
主人公だけがおかしいかと言うと、そうでもなくて、
絶縁宣言したおじさんもやっぱりおかしいんですよ。

 

手首までいきますから・・・。

 

冷静に考えると、なぜ自傷行為なのか意味が分かりません。

 

残された自分の時間を有意義にしたい、といった感情は何となく理解できるんですが、
やり方が極端過ぎて、
不器用過ぎませんか?なんて気もするし。

 

そして、

 

2人とも折れない諦めない貫き過ぎ、という何とも痛い感じで・・・。

 

風刺的に捉えることも可能ですけど、
イニシェリン島の精霊
私には何か痛い映画という印象が残りました。

 

もの凄く印象深く記憶に残る映画となりましたが、
面白かったとは思えなかったので、
個人的な評価は7.5です。

 

・・・本当に痛かった・・・。

 

絶縁宣言するブレンダン・グリーソンの演技はオススメ。

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最後に

2023年1月27日に日本で公開された、
「スリー・ビルボード」のマーティン・マクドナー監督最新作、
イニシェリン島の精霊を紹介させていただきました。

個人的に、
マーティン・マクドナー監督作としては、
「スリー・ビルボード」の方が好きなんですけど、
今作もある意味印象深い映画だったなと。

ただ、
映画館向きではないので、
気になる方は、
動画サイトでの配信を待ってからでも良いと思います。

十分に世界観を堪能できるはず。

ではまた。

 

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