「ラジオリスナー」の命を救え、「五十嵐貴久」のサスペンス「小説」
私はあまり「ラジオ」というものを聴かないです。
あまりというか、ほとんど聴くことが無いですね。
唯一1本だけ、毎週聴いている「ラジオ」がありますが、
褒められた方法で聴いているわけではないので、書きませんけど。
今回紹介する「小説」は、
「ラジオ」という媒体が大きく関わる、
「サスペンス小説」です。
「ラジオ」について
「ラジオ」について、
wikiにはですね、
無線通信により音声を送受信する技術です。一般的にはラジオ(無線電話)放送やラジオ(放送無線電話)受信機(収音気)略称として使われています。radiotelegraphy(無線電信)の収縮語を語源としています。レディオ、レイディオと呼称される場合もあり、古くはラヂオとも表記しました
引用元:wikipedia-ラジオ
こう書かれています。
私の周りで、「ラジオ」で特定の番組を毎週欠かさず聴いていると、耳にしたことは皆無です。最近は全く無いですね。
私が中学生の頃、好きな歌手が「ラジオ番組」をやっていたので、その頃は受験勉強をしながら聴いていましたけど、今現在、受験勉強をしながら「ラジオ」を聴く学生はいないでしょうね。多少はいると思いますけど、数は少ないと、勝手に思っています。
今は「インターネットラジオ」なるものがありますから、昔よりは聴きやすくなっていると思いますけどね。
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「ラジオ」の「リスナー」について
今回紹介する「小説」で中心的な役割を担うのが、
「ラジオ」の「リスナー」です。
「リスナー」(listener)というのは、英語で「聞く人」のことです。音楽を聴く人、CD、MDなどの購買層をさしたり、「ラジオ」を聴いている人のことを言いますが、日本では概ね「ラジオ聴取者」のことをさすことが多いです。
と、wikiには書いてありました。
だいぶ古臭い感じですね。今やMDを使っている人はそうそういないでしょうし。
今の若い人はMDなんて知らないのではないでしょうか。出た当初は飛びついて使っていましたけど、今、音楽を聴く術は全てデータです。iTunesのみでございます。
そういう意味でも、時代の流れと共に「ラジオ」も多少衰退したのでしょうが、いまだに根強い人気があるのも事実ですね。実際、私も1本だけ聴いていますし。車を運転しながら「ラジオ」を流している人も多いでしょうしね。
「ラジオ」全盛とは言えない時代ですけど、
あえて、
「ラジオ」の「リスナー」が中心的な役割を担う「サスペンス小説」を、
紹介したいと思います。
「ラジオリスナー」の命を救え、「五十嵐貴久」の「サスペンス小説」
「リミット」 五十嵐貴久
ネタバレせずに、紹介します。
深夜の人気「ラジオ」番組に、ある1通のメールが届きます。
「この番組が終わったら死のうと思います」
ディレクターはこの自殺を止めようと、番組で呼びかけたいと主張しますが、周囲から大反対を喰らいます。そのまま番組はスタート。
番組のパーソナリティーはカリスマ芸人、何をしでかすか分かりません。
いつもと違った緊張感の中、突然カリスマ芸人がそのメールの送信者を挑発してしまいます。
「アホがメールを送ってきた」
緊張が走ります。
番組終了まであと2時間、「リスナー」が送ってきた「メール内容」がもし本当だったら、1人の人間の命が消えてしまいます。番組終了と共に。
「リスナーの命を救え!」、
ディレクターとカリスマ芸人が挑む「タイムリミット・サスペンス小説」です。
この「小説」を読んだ方達のレビューを、紹介します
・「リミット」を読んだAさんのレビュー
深夜のラジオ番組に届いた1通のメールから始まる、番組の当事者たるパーソナリティ、ディレクターが社内、社外で丁々発止を繰り広げる文字通りのタイム「リミット」、サスペンス小説でした。
登場人物のキャラクターに余り個性や魅力を感じない点はありつつ、
深夜ラジオを懐かしく思い出しました。
・「リミット」を読んだBさんのレビュー
お気に入りの作家さん。やっぱり面白いです。
ラジオが終わったら自殺するというメールが届き、そのメールの主を探して自殺を止めるという。
どうやって展開していくんだろうな?なんて思ってましたが、さすが五十嵐さん!リスナーが集まってくるところにはウルっときてしまいました。
・「リミット」を読んだCさんのレビュー
学生の頃、深夜にラジオを聴くのが楽しみで仕方なかったです。
テレビで見るより近くに感じるパーソナリティと、会ったこともないけど身近に感じるハガキ職人と呼ばれる人達のことを思い出しました。
ラジオには不思議な力があるのかもしれないと思い、久しぶりにラジオを聴きたくなりました。
そんな作品です。
・「リミット」を読んだおじさん
「ラジオ」に興味がない方も多いと思います。私も興味があるとは言い難いです。
「サスペンス小説」として読み進めていただければなと。
若干ですけど、強引な感じは受けてしまうと思います。
「メール」を完全に信じるディレクター、普通なら信じませんよねそういう「メール」。もちろん、信じる理由はあるんですけど、少し強引かも、と受け取ってしまうかもしれません。
あと、上の紹介には書きませんでしたが、番組が終わらなければ「メール」の送信者が生きていると、強引に判断して、ちょっと変わったやり方で番組を引き延ばそうとします。変わったやり方で。
そう考えてしまうと、
この「リミット」は、
「ラジオ」に興味がない、「ラジオ」をよく知らない方におすすめしたいと、個人的には思ってしまいます。「ラジオ」について詳しい方にはおすすめできません。たぶん、疑問だらけになるのではないかと。
ですので、私のような「ラジオ」に詳しくない、あまり興味のない方におすすめします。
「タイムリミット・サスペンス小説」と表記されているように、時間との勝負をドキドキしながら読み進める、「ラジオ」の世界を好き勝手に想像できる方に、
「リミット」を読んで欲しいと思っています。
「五十嵐貴久」について
「五十嵐貴久」の「小説」を紹介するのは、これで2冊目です。前回紹介したのは、こちら。
「リカ」という女性が主人公の「ホラー小説」です。恐ろしく怖い「小説」になっています。面白かったですけどね。
「五十嵐貴久」の文学賞受賞・候補歴を軽く紹介します。
年 | 小説 | 文学賞受賞・候補 |
2001年 | TVJ | 第18回サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞 |
2001年 | リカ | 第2回ホラーサスペンス大賞受賞 |
2007年 | シャーロック・ホームズと賢者の石 | 第30回日本シャーロック・ホームズ大賞受賞 |
2008年 | 相棒 | 第14回中山義秀文学賞候補 |
2011年 | サウンド・オブ・サイレンス | 第28回坪田譲治文学賞候補 |
全く聞いたことのない賞がありますけど、
「五十嵐貴久」の「小説」が高く評価されているのは間違い無いですね。
私も何冊か読ませていただいておりますが、あまりハズレのない作家さんだと思っています。
「リカ」という有名な「小説」を読んだことのある方、
「リカ」を想像しながら「リミット」を読まないようにしてください。別物ですので。
「リミット」は1つの「サスペンス小説」です。
追ってくるのは「リカ」ではなく「時間」です。
怖がらずに読み進めていただければ楽しめますので、安心して「リミット」を読んでみてください。
最後に
「ラジオ」の全盛期と比べて、今はどんな感じなんでしょうか。
私は詳しくないので、「ラジオ」について語れませんが、安易な想像をするなら、「リスナー」も相当減った気がしてしまいます。動画全盛の時代に、声だけ聴いて楽しむのは難しいですよね。
上にも書きましたが、私は毎週1本だけ「ラジオ」を聴いています。
これが、腹が痛くなるぐらいエグい「ラジオ」なんですけど、
なぜか人に勧められない「ラジオ」です。
人に勧められない「ラジオ」を、毎週ひっそりと聴いているおじさん、
若干の気持ち悪さを与えていると思えるので、この辺で終わります。
ではまた。
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