『ポルト国際映画祭』って何?2021年の最優秀作品賞は「樹海村」!

2021年5月10日

「呪怨」でお馴染み、
清水崇監督の最新作「樹海村」がポルト国際映画祭最優秀作品賞受賞しました。

そんなニュース記事を観たので、

ポルト国際映画祭って何?」

と思い、少し調べてみました。

ポルト国際映画祭

ポルトガル第二の都市ポルトで毎年2月末から3月初旬に開催される国際映画祭

1981年に創設され、ファンタジー系作品を対象にしたジャンルを絞った映画祭

ファンタジー系作品
(SF映画/ホラー映画/スリラー映画/サスペンス映画など)

愛称は「ファンタスポルト(Fantasporto)」

歴史の古い映画賞とは言えませんけど、過去には、

デヴィッド・フィンチャー監督作「セブン」も最優秀作品賞を受賞している映画祭です。

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『ポルト国際映画祭』歴代の最優秀作品賞

ポルト国際映画祭は、
世界三大ファンタスティック映画祭の1つに数えられています。

世界三大ファンタスティック映画祭

ポルト国際映画祭

シッチェス・カタロニア国際映画祭
(スペイン・バルセロナ近郊のリゾート地シッチェスで毎年10月に開催)

ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭
(ベルギーのブリュッセルで毎年3〜4月に開催)

映画ジャンルを絞った国際的な映画祭ポルト国際映画祭で、
清水崇監督の「樹海村」が2021年、
最優秀作品賞受賞

セブン」、「キューブ」なども受賞していますから、
どんな映画が受賞しているんだろうと気になり、歴代の最優秀作品賞をちょっと振り返ってみます。

 

最優秀作品賞:1980年代〜

ポルト国際映画祭』最優秀作品賞
開催年 タイトル(監督)(製作国)
1982年 「The Rat Savior」
(監督:Krsto Papić)
(製作国:ユーゴスラビア)
1983年 「スキャナーズ」
(監督:デヴィッド・クローネンバーグ)
(製作国:カナダ)
1984年 「最後の戦い」
(監督:リュック・ベッソン)
(製作国:フランス)
1985年 「狼の血族」
(監督:ニール・ジョーダン)
(製作国:イギリス)
1986年 「Fuego eterno」
(監督:José Ángel Rebolledo)
(製作国:スペイン)
1987年 「Defense of the Realm」
(監督:デヴィッド・ドルーリー)
(製作国:イギリス、アメリカ合衆国)
1988年 「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」
(監督:チン・シウトン)
(製作国:イギリス領香港)
1989年 「モンキー・シャイン」
(監督:ジョージ・A・ロメロ)
(製作国:アメリカ合衆国)

1982年から始まったポルト国際映画祭
映画タイトルよりもむしろ、映画監督の方に目がいってしまいました。

 

デヴィッド・クローネンバーグ

 

デヴィッド・クローネンバーグ(1943年3月15日〜)は、
カナダの映画監督、脚本家、俳優です。

 

主な映画監督作には、
1986年「ザ・フライ」
第59回アカデミー賞 メイクアップ賞 受賞

 

1991年「裸のランチ」
全米映画批評家協会賞 最優秀監督賞・脚本賞 受賞

 

1996年「クラッシュ」
1996年カンヌ国際映画祭 審査員特別賞 受賞

 

2007年「イースタン・プロミス」
第32回トロント国際映画祭 観客賞 受賞など、
映画監督として数々の作品で評価され、カルト的人気を得ています。

 

「スキャナーズ」で1983年ポルト国際映画祭最優秀作品賞受賞

リュック・ベッソン

 

リュック・ベッソン(1959年3月18日〜)は、
フランスの映画監督、脚本家、映画プロデューサーです。

 

主な映画監督作は、
1988年「グラン・ブルー」1990年「ニキータ」
1994年「レオン」1997年「フィフス・エレメント」
1999年「ジャンヌ・ダルクなど、
日本でもお馴染みの映画監督です。

 

1997年から始まった映画「TAXi」シリーズの製作、脚本を担当している事でも知られています。

 

「最後の戦い」(監督)で1984年ポルト国際映画祭最優秀作品賞受賞

ジョージ・A・ロメロ

 

ジョージ・A・ロメロ(1940年2月4日〜2017年7月16日)は、
アメリカの映画監督です。

 

ゾンビ映画といえばこの方。
ジョージ・A・ロメロがいなかったら、
ウォーキング・デッド」すら生まれていなかった可能性がありますね。

 

1968年「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」
1978年「ゾンビ」(150万ドルという低予算で制作されたが、世界中で大ヒット)、
1985年「死霊のえじき」など、
ホラー映画界の巨匠、ゾンビの生みの親として、カルト的な人気を得ています。

 

「モンキー・シャイン」で1989年ポルト国際映画祭最優秀作品賞受賞

 

映画監督のネームバリューは凄まじいんですけど、
映画タイトルで私が知っているのは、この香港映画だけでした。

 

「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」

チャイニーズ・ゴースト・ストーリー

A Chinese Ghost Story (1987) Original Trailer

監督
チン・シウトン

製作
ツイ・ハーク

出演(役名)
レスリー・チャン
(ニン・ツォイサン/善人で心の優しい青年書生)

ジョイ・ウォン
(スーシン/ツォイサンが水上亭で出会った美女:幽霊)

ウー・マ
(イン・チェッハー/蘭若寺に住む道士)

ラム・ウェイ
(ハーハウ/ツォイサンが出会った剣の達人)

ラウ・シウミン
(ロウロウ/蘭若寺の近くの森に住む千年樹の妖怪)

日本公開1989年1月14日

監督はチン・シウトン。
武術指導やアクション監督としても有名で、
「男たちの挽歌Ⅱ」、「少林サッカー」、「HERO」などのアクションにも関わっています。

製作がツイ・ハーク。
(私はツイ・ハークの監督作「ブレード/刀」が大好き)

そして、レスリー・チャンジョイ・ウォン
レスリー・チャンといえば「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」と「男たちの挽歌」。
ジョイ・ウォンといえば「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」。
それぐらい強い印象を残した映画です。

1988年のポルト国際映画祭』最優秀作品賞受賞した香港映画、
チャイニーズ・ゴースト・ストーリー
今でも楽しめると思いますよ。

 

動画サイト 視聴可能な映画
U-NEXT 「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」などが、
今なら無料で視聴可能
Netflix 「レオン」「フィフス・エレメント」などが、
定額料金で視聴可能

 

最優秀作品賞:1990年代〜

ポルト国際映画祭』最優秀作品賞
開催年 タイトル(監督)(製作国)
1990年 「ブラック・レインボウ」
(監督:マイク・ホッジス)
(製作国:イギリス)
1991年 「ヘンリー」
(監督:ジョン・マクノートン)
(製作国:アメリカ合衆国)
1992年 「トト・ザ・ヒーロー」
(監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル)
(製作国:ベルギー、フランス、ドイツ)
1993年 「ブレインデッド」
(監督:ピーター・ジャクソン)
(製作国:ニュージーランド)
1994年 「クロノス」
(監督:ギレルモ・デル・トロ)
(製作国:メキシコ)
1995年 「シャロウ・グレイブ」
(監督:ダニー・ボイル)
(製作国:イギリス)
1996年 セブン
(監督:デヴィッド・フィンチャー)
(製作国:アメリカ合衆国)
1997年 「バウンド」
(監督:ウォシャウスキー兄弟)
(製作国:アメリカ合衆国)
1998年 「リバース」
(監督:ルイス・モーノウ)
(製作国:アメリカ合衆国)
1999年 「キューブ」
(監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ)
(製作国:カナダ)

1990年代のポルト国際映画祭は、
名の通った監督の作品が多いですね。

「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの監督、
ピーター・ジャクソンが手掛けたホラー映画「ブレインデッド」

第90回アカデミー賞の作品賞と監督賞を受賞した(その他合わせて4部門受賞)、
「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロの初映画監督作、
「クロノス」

トレイン・スポッティング」、「イエスタデイ」などでお馴染み、
ダニー・ボイル監督の「シャロウ・グレイブ」

言わずと知れたデヴィッド・フィンチャーセブン

「マトリックス」シリーズを生み出したウォシャウスキー兄弟(今は姉妹)の、
クライムサスペンス映画「バウンド」

そしてこちら。

 

「キューブ」

キューブ

Cube Trailer

監督
ヴィンチェンゾ・ナタリ

出演(役名)
モーリス・ディーン・ウィント
(クエンティン/警察官の肉体派黒人男性)

ニッキー・グァダーニ
(ハロウェイ/精神科の開業医をしている中年独身女性)

ニコール・デ・ボア
(レブン/数学科の女子学生)

ウェイン・ロブソン
(レン/7つの刑務所を脱獄した経験を持つ小柄な初老の男性)

デヴィッド・ヒューレット
(ワース/無気力な独身男性)

アンドリュー・ミラー
(カザン/途中からメンバーに合流する青年)

ジュリアン・リッチングス
(オルダーソン/オープニングで”キューブ”の罠にかかる可哀想な男性)

日本公開1998年9月12日

ワンセット物で登場する役者は7人」という、
低予算で製作されながらも、1部のファンの間で未だ名作として語り継がれている、
”究極の密室劇で脱出劇”「キューブ」

続編はアレな感じでしたけど、
この第1作目にあたる「キューブ」だけは別格でしたね。
(ちなみに、ナタリが監督をしたのは第1作目のみ

・1999年ポルト国際映画祭』最優秀作品賞受賞しています。

 

動画サイト 視聴可能な映画
U-NEXT 「キューブ」などが、
今なら無料で視聴可能
Netflix 「セブン」「キューブ」「トレイン・スポッティング」などが、
定額料金で視聴可能

 

最優秀作品賞:2000年代〜

ポルト国際映画祭』最優秀作品賞
開催年 タイトル(監督)(開催国)
2000年 「サイアム・サンセット」
(監督:ジョン・ポルソン)
(製作国:オーストラリア)
2001年 「アモーレス・ペレス」
(監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)
(製作国:メキシコ)
2002年 「Fausto 5.0」
(監督:Los Fura del Baus)
(製作国:スペイン)
2003年 「10億分の1の男」
(監督:ファン・カルロス・フレスナディージョ)
(製作国:スペイン)
2004年 「箪笥」
(監督:キム・ジウン)
(製作国:韓国)
2005年 「NOTHING ナッシング」
(監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ)
(製作国:カナダ)
2006年 「フロストバイト」
(監督:アンダシュ・バンケ)
(製作国:スウェーデン)
2007年 「パンズ・ラビリンス」
(監督:ギレルモ・デル・トロ)
(製作国:メキシコ、スペイン)
2008年 「REC/レック」
(監督:ジャウマ・バラゲロ)
(製作国:スペイン)
2009年 「Idiots and Angels」
(監督:ビル・プリンプトン)
(製作国:アメリカ合衆国)

「キューブ」に引き続きヴィンチェンゾ・ナタリが、
「NOTHING ナッシング」で2005年の最優秀作品賞受賞

その他は知らない映画ばかりなんですけど、
1つ、ヤバイ映画が混じっているので、紹介させていただきます。

 

「パンズ・ラビリンス」

パンズ・ラビリンス

Pan's Labyrinth (2006) Trailer #1

第79回アカデミー賞
撮影賞美術賞メイクアップ賞受賞

監督/脚本
ギレルモ・デル・トロ

出演(役名)
イバナ・バケロ(オフェリア)

ダグ・ジョーンズ(パン/ペイルマン)

セルジ・ロペス(ビダル大尉)

アリアドナ・ヒル(カルメン)

マリベル・ベルドゥ(メルセデス)

アレックス・アングロ(Dr.フェレイロ)

マノロ・サロ(ガルセス)

ロジェール・カサマジョール(ペドロ)

日本公開2007年10月6日

「鬱映画」、「胸糞映画」、「後味の悪い映画」などで検索をかけると、
ほぼほぼヒットする「パンズ・ラビリンス」
その手のランキングで常連になっている映画です。

「鬱」「胸糞」「後味の悪い」映画のランキング常連
公開年(日本) タイトル(監督)
1973年 「ジョニーは戦場へ行った」
(監督:ダルトン・トランボ)
1996年 セブン
(監督:デヴィッド・フィンチャー)
2000年 ダンサー・イン・ザ・ダーク
(監督:ラース・フォン・トリアー)
2001年 「ファニーゲーム」
(監督:ミヒャエル・ハネケ)
2007年 「パンズ・ラビリンス」
(監督:ギレルモ・デル・トロ)
2008年 ミスト
(監督:フランク・ダラボン)
2011年 「冷たい熱帯魚」
(監督:園子温)

そうそうたるメンツと肩を並べている「パンズ・ラビリンス」

受け取り方は人によって違うと思いますが、
一切の含み無しにおすすめできる映画、とは言えません。
「パンズ・ラビリンス」に限らず、ランキング常連の全てを・・・。

「後味の悪い映画を超観たい」、
そんな強烈な想いがありましたら、再生してみてください。
責任は負えません。

「パンズ・ラビリンス」は、
2007年ポルト国際映画祭最優秀作品賞受賞しています。

 

動画サイト 視聴可能な映画
U-NEXT 「パンズ・ラビリンス」などが、
今なら無料で視聴可能
Netflix 「セブン」「ミスト」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「冷たい熱帯魚」などが、
定額料金で視聴可能

 

最優秀作品賞:2010年〜

ポルト国際映画祭』最優秀作品賞
開催年 タイトル(監督)(開催年)
2010年 「ハートレス」
(監督:フィリップ・リドリー)
(製作国:イギリス)
2011年 「Zwart water」
(監督:Elbert Van Strien)
(製作国:オランダ)
2012年 「Hell」
(監督:Tim Fehlbaum)
(製作国:ドイツ)
2013年 「MAMA」
(監督:アンディ・ムスキエティ)
(製作国:スペイン、カナダ)
2014年 「Miss ZOMBIE」
(監督:SABU)
(製作国:日本)
2015年 Liza, a rókatündér
(監督:ウッイ・メーサーロシュ・カーロイ)
(製作国:ハンガリー)
2016年 「The Lure」
(監督:アグニェシュカ・スモチンスカ)
(製作国:ポーランド)
2017年 「Realive」
(監督:マテオ・ヒル)
(製作国:スペイン)
2018年 「Ravenous」
(監督:ロビン・オベール)
(製作国:カナダ)
2019年 「Last Sunrise」
(監督:Wen Ren)
(製作国:中国)
2020年 「ゴーストマスター」
(監督:ヤング・ポール)
(製作国:日本)

ここへきて、
映画タイトルの全て、映画監督の全ての名前を一切知りません。
すいません。

日本映画が2作入っている事実・・・、
その他に書けることもないんですけど、一応、ヤング・ポールさんについて。

 

ヤング・ポール

 

ヤング・ポール(1985年4月10日〜)は、
日本の映画監督です。

 

長編映画デビュー作となった「ゴーストマスター」で、
第37回国際ファンタスティック映画祭Spamflix Asian Film部門へ正式出品、
第52回シッチェス・カタロニア国際映画祭JAPAN MADNESS部門へ正式出品、
第40回(2020年)ポルト国際映画祭最優秀作品賞受賞と、
世界三大ファンタスティック映画祭全てに選出されています。

 

長編映画はまだ1作ですが、
まさにこれからの監督さんですね。

ポルト国際映画祭』最優秀作品賞受賞した初の日本映画が、
SABU監督のゾンビ映画「Miss ZOMBIE」

そして2020年はヤング・ポール監督の「ゴーストマスター」

 

動画サイト 視聴可能な映画
U-NEXT 「Miss ZOMBIE」「ゴーストマスター」などが、
今なら無料で視聴可能

 

今年2021年、
2020年の「ゴーストマスター」に引き続き、日本映画が連覇しています。

 

2021年:最優秀作品賞に「樹海村」

樹海村

樹海村 60秒<予告>

監督
清水崇

出演(役名)
山田杏奈(天沢響)

山口まゆ(天沢鳴)

安達祐実(天沢琴音)

原日出子(天沢出子)

神尾楓珠(阿久津輝)

倉悠貴(鷲尾真二郎)

工藤遥(片瀬美優)

大谷凛香(アキナ)

塚地武雄(野尻雄二)

國村隼(出口民網)

日本公開2021年2月5日

入ったら生きては出られない」と噂される”富士の樹海”を舞台としたホラー映画。

清水崇監督の「犬鳴村」に続く「実録!恐怖の村シリーズ」第2弾が、
「樹海村」です。

・2021年ポルト国際映画祭』最優秀作品賞受賞しています。
2020年に続き、2年連続で日本映画がトップになりました。
(ちなみに、「樹海村」は2021年6月9日にBlu-ray&DVDが発売予定となっています)

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最後に

 

駆け足ではありますが、
ポルト国際映画祭について紹介させていただきました。

【「樹海村」がポルト国際映画祭』最優秀作品賞受賞!】、
そんな記事を読まなければ、絶対に素通りしていた映画賞です。

セブン」や「キューブ」の存在があったとしても、
多分、気にも留めなかったのではないかと・・・。

そういう意味では良かったです。調べられましたし。

まだまだ世の中には不思議な映画賞がありますので、
また記事にさせていただきます。
世界三大ファンタスティック映画祭の1つ「シッチェス・カタロニア国際映画祭」などにも、
グランプリ受賞作品の一覧に、おぞましいタイトルの映画もありましたしね。
いつか記事にします。

ではまた。

 

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