「御子柴礼司シリーズ」、ドラマ化された法廷ミステリー「贖罪の奏鳴曲」
「御子柴礼司シリーズ」1作目、
中山七里の「法廷ミステリー」、
「贖罪の奏鳴曲(しょくざいのソナタ)」を紹介します。
2015年にWOWOWで、
三上博史主演のドラマが放送されています。
2019年、フジテレビ・東海テレビ系全国ネットで、
12月7日(土曜日)から、
「悪魔の弁護人 御子柴礼司〜贖罪の奏鳴曲(ソナタ)〜」がスタート。
ドラマは観ておりませんけど、
原作はしっかりと読ませて頂きました。
ラストはこれぞ中山七里!という「法廷ミステリー」です。
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「御子柴礼司シリーズ」第1作、「贖罪の奏鳴曲」
「贖罪の奏鳴曲」 中山七里
ネタバレをせずに、紹介します。
主人公は悪名高い敏腕弁護士です。
・御子柴礼司(みこしばれいじ)
東京地裁から徒歩圏内の虎ノ門のオフィスビル3階、
「御子柴法律事務所」をかまえている御子柴礼司。
どんな罪で起訴されようが、必ず執行猶予、時には無罪を勝ち取る敏腕弁護士。
悪名を高めるには充分な手段を選び、弁護報酬も法外な値段という、
弁護側の勝訴に持っていく能力はピカイチですけど、真っ当な人ではありません。
今回の事件の始まりも、御子柴の死体遺棄からです・・・。
御子柴の死体遺棄、
そして、
埼玉県入間川の堤防で発見された30代男性の死体、
埼玉県警捜査一課が捜査に乗り出します。
・古手川和也(こてがわかずや)
埼玉県警捜査一課の刑事。性格はバカ正直で、先に行動するタイプの若手刑事。
・渡瀬(わたせ)
埼玉県警察本部刑事部捜査一課課長補佐であり、警部で班長。
県警本部随一の検挙率を誇る強者。
強面で、初対面の人には常に恐れられる人相の持ち主ですが、
捜査能力はピカイチ。
古手川、渡瀬のコンビが事件を捜査し、
辿り着いた先にいたのは御子柴礼司。
御子柴の顔を見た渡瀬は即、御子柴の過去に気付いてしまいます。
26年前、
世間を震撼させた「死体配達人」の事件、
御子柴の顔はその犯人の26年後の顔だと・・・。
悪名高く、壮絶な過去を背負っている弁護士:御子柴礼司と、
埼玉県警の古手川、渡瀬のコンビ、
御子柴の死体遺棄から始まる事件、そして、
贖罪の意味、
中山七里の「法廷ミステリー」、
「贖罪の奏鳴曲」
おすすめです。
「贖罪の奏鳴曲」に絡んでくる見知った登場人物
中山七里の「法廷ミステリー」、
「贖罪の奏鳴曲」には、
作品の繋がりを感じさせる登場人物が出てきます。
まずは、
埼玉県警のコンビ、古手川と渡瀬です。
埼玉県警のコンビ 古手川と渡瀬が大活躍する物語 |
連続殺人鬼カエル男 |
連続殺人鬼カエル男ふたたび |
「きょう、かえるをつかまえたよ。」
平仮名だらけの子供じみた文章を置き土産に、
凄惨な死体を現場に残していく「カエル男」の事件を追いかけていたのが、
埼玉県警のコンビ、古手川と渡瀬です。
この「贖罪の奏鳴曲」にも登場して、
作品の繋がりを感じさせる存在感を見せてくれています。
そして、
「贖罪の奏鳴曲」には名前しか登場しませんけど、
作品の繋がりを感じさせてくれるもう1人、光崎藤次郎。
光崎藤次郎教授の法医学教室のある 浦和医大を舞台とした物語 |
ヒポクラテスの誓い |
ヒポクラテスの憂鬱 |
この「ヒポクラテスシリーズ」を読んでいると、
「贖罪の奏鳴曲」で光崎の名前を見た瞬間にニヤリ、ですね。
という事で、
「贖罪の奏鳴曲」を読む前に、
「連続殺人鬼カエル男」、「ヒポクラテスの誓い」を読んでおくと、
より一層物語に入り込みやすくなりますので、可能なら、
こちらの2作を先に読んでおく事をおすすめします。
中山七里:関連記事
⇨【文庫本で読む】中山七里のおすすめ小説11選/シリーズもの、胸糞、痛快エンタメあり
「贖罪の奏鳴曲」を読んだ方達のレビューを、紹介します
いつもながら後半は見事な展開です。
贖罪とはどういう形でなされるべきかの1パターンを示した話でした。
御子柴弁護士がどうなったのか気になったけど、
同じ登場人物が出てくる作品もあるとの事で、そちらも読もうと思います。
カエル男を読んでから手に取った作品です。
渡瀬さん含め、色々登場人物の過去が分かります。
弁護士の御子柴さん主人公の話。
陳腐な言葉になってしまいますが、贖罪とは、犯罪とは、色々と考えさせられる作品です。
御子柴礼司のシリーズです。
始まりから期待を持たせます。登場人物が何者なのか、読み進めるに従い二転三転します。
最後までスリリングで意表を突かれる作品です。
登場人物各々の目から見た心理の描写が印象的で面白いですね。
次回作も読みたいと思います。
御子柴シリーズ初読みです。岬京介シリーズしか読んでいませんでしたが、なかなか衝撃的な冒頭からグイグイ引き込まれて面白かったです。
同じ作者とは思えない作風の幅。
御子柴シリーズ2作目も必ず読みたいと思います。
・「贖罪の奏鳴曲」を読んだおじさん
(御子柴礼司に触れておくには最適な物語)
ダークヒーローという言葉では弱すぎる感のある、
悪名高い御子柴弁護士が主人公の物語、
「贖罪の奏鳴曲」
さすが中山七里!というラストを読者に届けてくれる「法廷ミステリー」です。
ラストを書くわけにはいきませんけど、
中山七里は「どんでん返しの帝王」という異名をお持ちですので、
是非、その異名の確認はラストを読み終えた時に。
そして出来るなら、
「連続殺人鬼カエル男」、「ヒポクラテスの誓い」を先に読んでおくと、
中山七里作品の繋がりを存分に堪能できますから、
より楽しみたい方はこの2作を読んでおく事をおすすめします。
中山七里の「法廷ミステリー」、
「贖罪の奏鳴曲」
「死体配達人」としての壮絶な過去、
御子柴礼司という弁護士が背負っている闇の深さを、
物語を通して知って頂けるのではないかと。読み応えのある「法廷ミステリー」です。
ドラマ化された「悪魔の弁護人・御子柴礼司〜贖罪の奏鳴曲〜」
「悪魔の弁護人 御子柴礼司〜贖罪の奏鳴曲」は、
東海テレビ制作・フジテレビ系「オトナの土ドラ」で、
2019年12月7日から放送予定です。
「悪魔の弁護人 御子柴礼司〜贖罪の奏鳴曲」 | |
原作 | 中山七里「御子柴礼司シリーズ」 |
出演(役名) | 要潤(御子柴礼司) |
ベッキー(日下部洋子) | |
津田寛治(岬恭平) | |
玄理(櫻葉あすみ) | |
木村健太郎(宝来兼人) | |
奥菜恵(津田亜希子) | |
勝野洋(稲見武雄) | |
2019年12月7日(土曜日)放送スタート予定 |
御子柴礼司役:要潤
タイトルがすごく面白そうで惹かれたこと、加えて、
弁護士役は一度演じてみたかったので、
すぐにやらせて頂きたいと思いました。
台本を読むと論争を闘わせ、
ドラマチックな展開があり、御子柴の弁護士能力も描かれていたので、
「楽しみだな、演じてみたいな」と、思いました。〜御子柴礼司役:要潤のコメント〜
日下部洋子役:ベッキー
「ようやく弁護士ものの依頼がきた!」
オファーを受けた時は喜び、台本を開いたら、
事務員役でした(笑)。
でも、台本を読むうちに面白さに惹かれ、
「ぜひ、やりたい!」
という気持ちが大きくなっていきました。
洋子は、すごくまっすぐな心を持っていて、一生懸命で、
人の心に寄り添う人です。
パッと見や肩書きで人を判断することはありません。そんな理想的な洋子に、
お芝居を通じて少しでも近づけたらないいなと思いました。〜日下部洋子役:ベッキーのコメント〜
「オトナの土ドラ」枠での放送ですので、
「リカ」の後釜が、
「悪魔の弁護士 御子柴礼司〜贖罪の奏鳴曲」ですね。
強烈過ぎるキャラクターの雨宮リカからバトンを受けるのが、
これまた強烈なキャラクターを持った御子柴礼司。
「オトナの土ドラ」という枠は凄いです。
こうも癖のある強烈なキャラクターを連続で・・・。
原作を読んだだけの感想なんですけど、
「リカシリーズ
」よりは「御子柴礼司シリーズ」の方が、
まだ、まともなシリーズと言えますから、
ドラマも観やすく仕上がっているのではないかと。
ただの想像です。
「悪魔の弁護士 御子柴礼司〜贖罪の奏鳴曲」は、
2019年12月7日(土曜日)から放送予定です。
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最後に
中山七里の「法廷ミステリー」、
「贖罪の奏鳴曲」を紹介させて頂きました。
この「御子柴礼司シリーズ」はすでに4作、刊行されています。
発行年 | 発行元 | タイトル |
2013年 | 講談社文庫 | 贖罪の奏鳴曲 |
2016年 | 追憶の夜想曲 | |
2018年 | 恩讐の鎮魂曲 | |
2018年 | 講談社 | 悪徳の輪舞曲 |
「悪徳の輪舞曲」はまだ文庫化されていませんので、
私は読んでおりません。その他の3作品は読ませて頂きました。
「御子柴礼司シリーズ」は、
「法廷ミステリー」として、そして「ミステリー小説」として、
存分に楽しめる作品です。
この機会に是非、手に取って読み進めてみてください。
いい時間を過ごせますからね。
ではまた。
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