『ノマドランド』映画賞総なめ、批評家大絶賛のロードムービーは3月26日公開
第93回アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演女優賞の3冠を達成した作品、
『ノマドランド』
✅ 主演:フランシス・マクドーマンド
(アカデミー主演女優賞の受賞経験が3回になった名優)
✅ 第77回ヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映:金獅子賞を受賞
✅ 第45回トロント国際映画祭で上映:観客賞を受賞
✅ 第30回ゴッサム・インディペンデント映画賞:作品賞を受賞
✅ 第78回ゴールデングローブ賞
最優秀作品賞(ドラマ部門)受賞、監督賞(クロエ・ジャオ)受賞
✅ 第93回アカデミー賞
作品賞、監督賞(クロエ・ジャオ)、主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)を受賞
✅ 日本公開は2021年3月26日
ノマドというのは英語で「nomad」、
直訳すると「遊牧民」や「放浪者」といった意味を持った単語です。
「フリーランス」とはちょっと意味合いが異なっていて、
もう少し厳しいイメージ、オシャレな感じはありません。
そんな「現代のノマド」の実像に迫るドラマ映画が、
フランシス・マクドーマンド主演の『ノマドランド』。
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『ノマドランド』日本公開21年3月26日
『ノマドランド』
『ノマドランド』予告映像
監督・脚本 | クロエ・ジャオ |
原作 | ジェシカ・ブルーダー 「ノマド:漂流する高齢労働者たち」 |
出演(役名) | フランシス・マクドーマンド (ファーン) |
デヴィッド・ストラザーン (デヴィッド) |
|
リンダ・メイ (リンダ) |
|
シャーリーン・スワンキー (スワンキー) |
|
ボブ・ウェルズ (ボブ) |
|
日本公開 | 2021年3月26日 |
監督のクロエ・ジャオ(1982年3月31日〜)は、
中国生まれ、アメリカで活動する女性映画監督、脚本家、映画プロデューサーです。
2017年、主演のフランシス・マクドーマンドが、
ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド:漂流する高齢労働者たち」の映画化権を購入しました。
そして同年9月に、
クロエ・ジャオ監督作「ザ・ライダー」を鑑賞し感動、
本作の監督をクロエ・ジャオに決めたという経緯です。
アカデミー主演女優の女優自ら、映画化権を購入して、
自分の目で見つけた監督をそのまま起用、といった力の入れよう。
『ノマドランド』に対する本気度が半端ではありません。
(映画の製作陣にも名を連ねています)
あらすじ
『ノマドランド』あらすじ
2008年、アメリカの大手証券会社の破綻は、様々な影響を全世界に及ぼした。
その影響は、
現役で働いている世代だけではなく、
リタイアした世代にも容赦なく襲いかかり、
多くの高齢者が家を手放すことに。
安住の地を失った彼ら、彼女らは、
車上生活でその場をしのぎ、働き口を求めて全米各地を動き回っていた。
それでも、職を見つけるのはほぼ不可能で、
安い賃金で過酷な肉体労働に従事するほかなく、常に不安定と隣り合わせで暮らしていた。
そのような不安定な状況下で、
彼らと彼女らは自尊心を失うことなく、精神を保ちつつ生活。
「現代のノマド」というべき存在。
そんな「現代のノマド」の1人ファーン。
ファーンも、大企業の経済破綻のあおりを食らった1人で、
職と家を失い、長年住み慣れた土地を離れることを決意。
キャンピングカーに最低限の家財道具を積み込み、
日雇いの職を求めて全米各地を放浪する旅に出る。
その先々で、ファーンは、
自分と同じ境遇の「現代のノマド」たちと出会いながら交流を深め、
過酷で孤独な生活の中にいながら、
生きる希望を失わずに前を向いて生きる姿を見せ続ける。
〜『ノマドランド』〜
主演のフランシス・マクドーマンド(ファーン役)以外で、
「現代のノマド」として登場する複数人は、
実在している「現代のノマド」の方々です。
俳優さんではありません。
ノンフィクション「ノマド:漂流する高齢労働者たち」を原作にしていますから、
ドキュメンタリーな1面も持ち合わせていると言えそうです。
異常に高い評価を得ている『ノマドランド』、
2021年3月26日から日本で公開されました。
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主演:フランシス・マクドーマンドについて
フランシス・マクドーマンド(1957年6月23日〜)は、
アメリカ・イリノイ州シカゴ出身の女優です。
主な映画出演作は、
公開年 | タイトル(役名) |
1988年 | 「ミシシッピー・バーニング」 (ペル夫人) |
1996年 | 「ファーゴ」 (マージ・ガンダーソン) |
2000年 | 「ワンダー・ボーイズ」 (サラ) |
「あの頃ペニー・レインと」 (エレイン・ミラー) |
|
2005年 | 「スタンドアップ」 (グローリー) |
2008年 | 「バーン・アフター・リーディング」 (リンダ) |
2017年 | 「スリー・ビルボード」 (ミルドレッド・ヘイズ) |
2020年 | 『ノマドランド』 (ファーン) |
(映画賞を中心にした表になっています)
・「ミシシッピー・バーニング」(1988年):ペル夫人役
☆第61回アカデミー助演女優賞 ノミネート
(その他、3つの映画賞で助演女優賞を受賞)
・「ファーゴ」(1996年):マージ・ガンダーソン役
☆第69回アカデミー主演女優賞 受賞
(その他、2つの映画賞でノミネート。13の映画賞で主演女優賞を受賞)
・「ワンダー・ボーイズ」(2000年):サラ役
☆第6回放送映画批評家協会賞 助演女優賞 受賞
(その他、3つの映画賞で助演女優賞を受賞)
・「あの頃ペニー・レインと」(2000年):エレイン・ミラー役
☆第73回アカデミー助演女優賞 ノミネート
(その他、3つの映画賞でノミネート。7つの映画賞で助演女優賞を受賞)
・ スタンドアップ」(2005年):グローリー役
☆第78回アカデミー助演女優賞 ノミネート
(その他、4つの映画賞でノミネート。ラスベガス映画批評家協会賞助演女優賞を受賞)
・「バーン・アフター・リーディング」(2008年):リンダ役
☆第66回ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)ノミネート
・「スリー・ビルボード」(2017年):ミルドレッド・ヘイズ役
☆第90回アカデミー主演女優賞 受賞
(その他、3つの映画賞で主演女優賞を受賞)
・『ノマドランド』(2020年):ファーン役
☆第93回アカデミー主演女優賞 受賞
(その他、25の映画賞で主演女優賞を受賞)
「ファーゴ」と「スリー・ビルボード」で、
2度のアカデミー主演女優賞を獲得しているフランシス・マクドーマンド。
その他の映画賞も数多く受賞していて、
完璧な名優として認識されている女優さんです。
このアカデミー賞と、
2011年「Good People」でトニー賞:主演女優賞(演劇部門)、
2015年「オリーヴ・キタリッジ」でエミー賞:主演女優賞(テレビ映画部門)、
映画、テレビ、舞台と演劇の三冠王を達成しています。
超がつくぐらい凄い経歴を持っているフランシス・マクドーマンドですが、
個人的に印象深いのはやはり、
コーエン兄弟の「ファーゴ」ですね。
あの「ファーゴ」の世界観と、
フランシス・マクドーマンドが演じるマージのピッタリ感は異様です。
マージの旦那役を演じているジョン・キャロル・リンチも良い味を出しています。
(ちなみに、マクドーマンドの旦那さんは、ジョエル・コーエンです)
動画サイト | 視聴可能な映画 |
U-NEXT | 「スリー・ビルボード」「ファーゴ」などが、 今なら無料で視聴可能 |
映画賞2冠『ノマドランド』(金獅子賞・観客賞)
そんな超名優のフランシス・マクドーマンド主演の『ノマドランド』、
映画の最高賞と言われる2つの賞を獲得しています。
アカデミー賞の前に2冠達成。
ヴェネツィア国際映画祭:金獅子賞(同映画祭の最高賞)を受賞
ヴェネツィア国際映画祭:過去5年の金獅子賞 | |
開催年 | タイトル(監督) |
2016年 | 「立ち去った女」 (監督:ラブ・ディアス) |
2017年 | 「シェイプ・オブ・ウォーター」 (監督:ギレルモ・デル・トロ) |
2018年 | 「ROMA/ローマ」 (監督:アルフォンソ・キュアロン) |
2019年 | 「ジョーカー」 (監督:トッド・フィリップス) |
2020年 | 『ノマドランド』 (監督:クロエ・ジャオ) |
・「シェイプ・オブ・ウォーター」
☆第90回アカデミー作品賞 受賞
(その他、監督賞、作曲賞、美術賞で4冠)
・「ROMA/ローマ」
☆第91回アカデミー監督賞 受賞
(その他、外国映画賞、撮影賞で3冠)
・「ジョーカー」
☆第92回アカデミー主演男優賞 受賞
(その他、作曲賞で2冠)
ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞を受賞した作品は、
アカデミー賞の舞台で何らかの足跡を残すのがここ最近は当たり前になりました。
『ノマドランド』もその波に乗って、
第93回アカデミー賞で、一番名誉のある作品賞を受賞です。
(その他、監督賞、主演女優賞で3冠)
トロント国際映画祭:観客賞(同映画祭の最高賞)を受賞
トロント映画祭:過去5年の観客賞 | |
開催年 | タイトル(監督) |
2016年 | 「ラ・ラ・ランド」 (監督:デミアン・チャゼル) |
2017年 | 「スリー・ビルボード」 (監督:マーティン・マクドナー) |
2018年 | 「グリーン・ブック」 (監督:ピーター・ファレリー) |
2019年 | 「ジョジョ・ラビット」 (監督:タイカ・ワイティティ) |
2020年 | 『ノマドランド』 (監督:クロエ・ジャオ) |
・「ラ・ラ・ランド」
☆第89回アカデミー監督賞 受賞(その他、主演女優賞、撮影賞、美術賞、作曲賞、歌曲賞で6冠)
・「スリー・ビルボード」
☆第90回アカデミー主演女優賞 受賞(その他、助演男優賞で2冠)
(フランシス・マクドーマンド2度目のアカデミー主演女優賞獲得)
・「グリーンブック」
☆第91回アカデミー作品賞 受賞(その他、助演男優賞、脚本賞で3冠)
・「ジョジョ・ラビット」
☆第92回アカデミー脚色賞 受賞
トロント国際映画祭の最高賞・観客賞を受賞している作品は、
ヴェネツィア国際映画祭の最高賞・金獅子賞を受賞している作品同様、
アカデミー賞で必ず足跡を残しています。
⇨⇨2021年アカデミー賞の受賞結果、「ノマドランド」は3冠、Netflix映画は?
そして、
『ノマドランド』は、
金獅子賞と観客賞をWで受賞した史上初の2冠に輝いた映画
となりました。
そして大方の予想通り、
『ノマドランド』は第93回アカデミー賞で主役に。
作品賞、監督賞、主演女優賞の3冠を達成です。
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第78回ゴールデングローブ賞
第78回ゴールデングローブ賞でも、
『ノマドランド』は高評価となりました。
ゴールデングローブ賞:最優秀作品賞(ドラマ部門)受賞
ゴールデングローブ賞:過去5年の作品賞(ドラマ部門) | |
回 | タイトル(監督) |
第74回 | 「ムーンライト」 (バリー・ジェンキンス) |
第75回 | 「スリー・ビルボード」 (マーティン・マクドナー) |
第76回 | 「ボヘミアン・ラプソディ」 (ブライアン・シンガー) |
第77回 | 「1917 命をかけた伝令」 (サム・メンデス) |
第78回 | 『ノマドランド』 (クロエ・ジャオ) |
・「ムーンライト」
☆第89回アカデミー作品賞 受賞
(その他、助演男優賞、脚色賞で3冠)
・「スリー・ビルボード」
☆第90回アカデミー主演女優賞 受賞(フランシス・マクドーマンド)
(その他、助演男優賞で2冠)
・「ボヘミアン・ラプソディ」
☆第91回アカデミー主演男優賞 受賞
(その他、編集賞、録音賞、音響編集賞で4冠)
・「1917 命をかけた伝令」
☆第92回アカデミー撮影賞 受賞
(その他、視覚効果賞、録音賞で3冠)
ゴールデングローブ賞でも高評価だった『ノマドランド』、
過去のゴールデングローブ賞の最優秀作品賞(ドラマ部門)を受賞した作品を考えてみても、
もう確実に、
アカデミー賞で何かしらの足跡を残すと考えられていました。
で結果は、
第93回アカデミー賞で、作品賞、監督賞、主演女優賞の3冠です。
圧倒的でしたね。
批評家たちも大絶賛
これはネタ的な事ですので、軽く読み進めて頂ければ幸いです。
映画のことを調べようとして、よくwikiのページを参照するんですけど、
そのページにほとんどあるのが「評価」という見出しで、
「映画批評集積サイト Rotten Tomatoes」の評が載っています。
ちなみに、『ノマドランド』の評は、
・本作は批評家から絶賛されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには45件のレビューがあり、批評家支持率は100%、平均点は10点満点中9.28点となっている。
参照元ーwikipedia:ノマドランド
この数字は異常ですよ。
「批評家支持率100%」・・・初めて目にした数字です。
例えば、
第91回アカデミー作品賞を受賞した「グリーンブック」では、
「批評家支持率79%」
第91回アカデミー外国語映画賞を受賞、名作と名高い「ROMA/ローマ」でさえ、
「批評家支持率96%」
(こちらは、300件のレビューを基にしているので、明らかに凄いんですけどね)
批評家の評価をアテにしないのは当たり前ですが、
「批評家支持率100%」は単純に凄いなと。
ただの1人として「NO!」と言わない映画『ノマドランド』、
金獅子賞と観客賞を受賞した史上初の快挙を成し遂げた作品・・・。
ハードルが上がりきっていたのに、物ともせず、
第93回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞の3冠を達成です。
『ノマドランド』は、
2021年3月26日から日本で公開されています。
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『ノマドランド』を観たおじさんの感想
(女優フランシス・マクドーマンド)
先日、映画館で『ノマドランド』を視聴してきました。
とりあえず驚いたのは、
パンフレットが売っていない!
売店で店員さんに聞いてみたところ、
「ありませんよ」
という事でしたので、
一応調べてみると、パンフレットの制作自体をしていないようですね。
非常に珍しい全国公開の映画でした。
で、内容はというと、
「面白いとか、面白くないとかいう映画ではない」
というのが正直な感想です。
「ノマド」として暮らしていくしかなくなった女性の日常を、
淡々と追いかけているようなドキュメンタリー風の作品、ではないでしょうか。
盛り上がる部分とかは皆無です。
それでも、
時間を感じさせずにラストまで集中して視聴してしまう『ノマドランド』、
不思議な体験でしたね。
ファーン役のフランシス・マクドーマンドの演技が自然すぎて、
「これは映画なんだ」
という事実を視聴中に忘れていました。
ですので、
「映画として面白いからオススメです」と一切言えませんけど、
「女優マクドーマンドを感じるには最適な映画」だと自信を持ってオススメできる、
やっぱり不思議な映画です。
もし機会がありましたら、
映画館で『ノマドランド』を視聴してみてください。
「演技の上手い女優さんというのは、こういうことか!」
そんな体験ができると思います。
ちなみに、
作中に出てくる”ボブ・ウェルズ”さんの動画、
YouTubeに挙がっていますので、興味がある方は再生してみてください。
字幕はありませんから、お気をつけて。
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最後に
評価が一貫して高い映画、
2021年3月から公開されている『ノマドランド』を紹介させて頂きました。
フランシス・マクドーマンド演じる「現代のノマド」、
ファーンのロードムービー的な感じを受ける作品です。
映画館で視聴しておいて良かったなと、素直に思えた作品。
なぜこんなに評価が高いのか?
自分の目で確かめたくなりません?
派手さは無いので、視聴後にどんな気持ちになっているのか、
全く想像できませんけど、
一見の価値があると私は思います。
機会がありましたら、いつの日か、視聴してみてください。
ではまた。
→→トム・ハーディ主演の伝記映画『カポネ』、2021年2月26日から劇場公開
→→ポーランド映画の問題作『聖なる犯罪者』2021年1月15日から公開
→→「新感染」のその後『半島 ファイナル・ステージ』、来年元旦に公開予定